奇妙な洋館に住む人形と影の不思議な日々…。
舞台は、顔のない一族「シャドー」と、その顔役として仕える「生き人形」たちが住む洋館＜シャドーハウス＞。シャドー・ケイトに仕える生き人形・エミリコは、ドジで失敗も多いけれど、ケイトの役に立てるよう一生懸命。毎日お部屋を掃除して、ケイトの「顔」として働く。そんな日々の中でエミリコは、「生き人形は余計なことを考えてはいけない」という教えに反して、「シャドーハウスってなんなのでしょうか？」と疑問を持ち始めてしまう…。
本作の魅力は、表向き幸せな日常の中で常に漂う不穏さです。エミリコたちは、「生き人形はシャドー家の役に立たなければいけない」という教えを信じて、どんなひどい扱いを受けても毎日幸せそうに働きます。生き人形たちが徹底された上下関係に疑問を全く持たないのはなぜなのか？この洋館には何か秘密があるな…という雰囲気がたまりません。
洋館と秘密、この言葉にピンときた方はぜひ読んでみてください。
一緒にこの不思議なシャドーハウスに迷い込みましょう。
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Posted by ブクログ
お披露目終了。
お披露目中、転がってきた岩を砕いたジョン様も、エミリコのために頭を下げるパトリック様も良かった。
ケイト様とジョン様の掛け合いが好き。
まだまだ館の謎がたくさん。
―――
10巻を読んでから再読。
ジョンパンチも、翼で飛ぶケイト様もかっこよかった。
お披露目後、珈琲を飲んで洗脳されたエミリコに対してケイト様が(必ず元に戻すわ わたしの大好きなエミリコに…！)と心の中でおっしゃっていて、今見るとただ単に洗脳を解くのではなく、シャドーハウスに来る前のエミリコに戻す、という意味にも捉えられた。
偉大なるおじい様に対して、(あいつが…全ての元凶…！)と言っていたことも理解できた。
エミリコの明るさ
エミリコの持ち前の明るさや素直さがストーリーでとても目立っていたが、煤入りコーヒーで洗脳されてしまったエミリコを見て、読者である私もゾッとしてしまった。
エミリコが今まで通りの明るさがないだけでこんなに物語が恐ろしくなるのかと感じると同時に、読者自身も彼女の明るさに救われてきたのだと思った。
ケイト様の聡明さ
お披露目に合格するかどうかの決着のエピソード、すす能力の訓練が収録されています。すす能力の訓練で発揮されるケイト様の賢さったらもう、スゴイの一言です。年上で星つきのスザンナの一枚上を行くケイト様。聡明です。
ススやら生き人形やら
お披露目回の選抜試験、制限時間一杯のところでケイト&エミリコがゴールイン。
ただ、シャドー側からちゃんと名前をつけてもらっていなかった生き人形の女の子が失格に。
幕間に作画秘話的なコラムも入っていて、デジタル作画の利点も感じます。
生き人形はシャドーにとっては自分たちが取り込む側で、おじいさま、と呼ばれる存在のススが入った飲み物(コーヒーっぽいらしく苦いようです)で制御されてしまっているようです。
問題点を把握しているらしいケイトさん、どう出るんでしょうか？
せつない
すごく切なくて残酷な内容でした。すごくショックが大きい。エミリコから心が無くなるなんて！生き人形とシャドーの正体も分かりましたが、本当に怖いお話です。不安と混乱で煤が出そうです。
モヤモヤを解消したいので次巻を読みたいです！
