【感想・ネタバレ】タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源のレビュー

あらすじ

■心は何から、いかにして生じるのだろう。進化は「まったく違う経路で心を少なくとも二度、つくった」。一つはヒトや鳥類を含む脊索動物、もう一つがタコやイカを含む頭足類だ。哲学者であり練達のダイバーでもある著者によれば、「頭足類と出会うことはおそらく私たちにとって、地球外の知的生命体に出会うのに最も近い体験だろう」。人間とはまったく異なる心/内面/知性と呼ぶべきものを、彼らはもっている。本書は頭足類の心と私たちの心の本性を合わせ鏡で覗き込む本である。■海で生まれた単細胞生物から、現生の頭足類への進化を一歩ずつたどれば、そこには神経系の発達や、感覚と行動のループの起源、「主観的経験」の起源があり、それは主体的に感じる能力や意識の出現につながっている。「タコになったらどんな気分か」という問題の中には、心とは何か、それは物理的な身体とどう関係するのかを解き明かす手がかりが詰まっている。■知能の高さゆえの茶目っ気たっぷりの行動や、急速な老化と死の謎など、知れば知るほど頭足類の生態はファンタスティック。おまけに著者が観察している「オクトポリス」(タコが集住する場所)では、タコたちが社会性の片鱗を示しはじめているという。味わい深く、驚きに満ちた一冊。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

オクトポリスの話がとても興味深かった。生命の死や進化についてもタコという一種の視点から覗き込むような構図も勉強になる。
意識の、哲学部分については読者自身が知識不足のため、関連する知識分野の概要を理解してから再読したい。

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2021年08月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

異文化体験というか、異生物を推測しないことの大切さというか。つい擬人化したくなるよね。それをしないということ。

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2020年03月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

全般的に面白かったと思う……が、これほど神経系の在り方やその別などを解説してくれながら、これほど頭足類に親しみを持ってくれながら、どうして後半においては人間を賢さの特異点に置いてしまったのだろうとなんだか悲しくなってしまう。私の読み方が至らないせいだろうか。
しかしわからないことはわからないという態度には好感が持てた。また、老化と突然変異の関連の項、自分の行動の「打ち消し」関連の項は非常に興味深かった。さらに進んだものも読んでみたい。

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2020年01月02日

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