あらすじ
三風です。
ついに私たち四つ子の、本当のお母さんがだれかわかったの。
だけど、同時にすごく悲しい真実もつきつけられたんだ――。
不安がつのる中、私たちはお母さんの過去がねむる「四ツ橋家」のお屋敷を訪れることになったんだけど…!?【小学中級から ★★】
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
今回も関係が分かってきて、とてもおもしろかった。やっと麗さんが雅さんのことについて教えてくれてとても驚いた。四人が、励まし合い、前向きになったのを、見て、とてもかっこよかった。明るくていい人たちだなと、思った。勇気を、もらった。
Posted by ブクログ
四ツ橋家のお屋敷の間取りが細かく説明され始めたときは、これから殺人事件が起きて館モノの本格ミステリが始まるのかと思った。
というのは冗談としても、いやはや、なかなかに重い話ですねぇほんとうに……
麗さんの事情が明らかになった上で、三風たちにしてきた所業を許せるのか、という点は当然に気になってしまうけれど、それよりも個人的には、麗の父(=三風たちの祖父)であるところの元社長があまりにも形骸的なイヤ〜な〈父〉、父権制の暴力性を象徴するかのような人物として(娘・麗の口から)語られていたことに引っかかる。
そういう諸悪の根源のような〈父〉を設定してしまうと、このシリーズの物語全体のトーンがなにかリアリティを欠いた薄いものになってしまいやしないか、という心配がある。あと単純に、大企業の社長とかそういう社会的にデカいスケールに拡大していくのが、あんまり好みではない、というのがある。
とはいえ、四ツ橋の豪邸で一夜お泊まりしてみての違和感・疎外感から、自分たち子どもだけで生活している〈四つ子ぐらし〉の意義を見出して、さらにはそれを、自分たちのまだ見ぬ母の生の確信へと繋いでいく手つきには感動してしまった。
要するに、良家で甘やかされて育った麗は今でもある意味で親=生家から自立できていない「子ども」であり、そんな麗を自立させるための姉・雅の出奔であり、その娘たちの四つ子ぐらしである……という関係。そうかぁ、本質的には、自立計画の対象は麗さんだったってことかぁ。
今回の下巻は、ほぼ四ツ橋家に行って帰るだけの、極めて動きの少ないプロットになっており、そのどっしりとした佇まいからも、ちゃんと親子や家族、きょうだいの物語をやるんだという覚悟と風格を感じた。
母・雅が生きているとして、なぜ出産直後に娘4人をバラバラに施設に預けたのか、そしてなぜ誰とも連絡をとっていないのか、の2点はしっかりと(ヘイトを生まないように)回収しなければならない。難しそう。
それから、麗にしろ雅にしろ、「母」だけが取り沙汰されていて、「父」の責任の話がほとんど出てこない点はずっと気になっているが、今回三風がひとりで父のことにも想いを馳せ始めていたのと、雅・麗の父のヤバさが言及されたのとで、ようやくそちらも描かれ始めたか、と安心はした。李央くんの「乳母」である雪村さんの存在には注目したい。
てか李央・トウキの双子兄弟関係も良さげですね。アイドルトウキの魅力について語り合う李央と二鳥のシーンよかった。
ラストの引きもいいですね。
そうそう、李央くんかトウキくんのどちらかが三風に好意を寄せてくれたら恋愛図式がまた一段と面白くなるよなぁと思っていたところだったので、2人ともがとは! それでこそ主人公や!!