あらすじ
数学はもっと人間のためにあることはできないのか。最先端の数学に、身体の、心の居場所はあるのか――。身体能力を拡張するものとして出発し、記号と計算の発達とともに抽象化の極北へ向かってきたその歴史を清新な目で見直す著者は、アラン・チューリングと岡潔という二人の巨人へと辿り着く。数学の営みの新たな風景を切りひらく俊英、その煌めくような思考の軌跡。小林秀雄賞受賞作。(解説・鈴木健)
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Posted by ブクログ
アラン・チューニングと岡潔の数学、心、身体、自然とのつながりなど。
いずれも、映画化やドラマ化された人物だ。
アラン・チューニングについては、映画「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」(2014年)
岡潔については、ドラマ「天才を育てた女房~世界が認めた数学者と妻の愛~」(2018年)
映画やドラマは、脚本家や監督によって見せ方のアプローチが違うだろうから、映画やドラマがすべてではないだろう。
この本は、特に岡潔さんの魅力が伝わってくる。
小川の流れについては、ドラマでも描かれていて、私はそのシーンに衝撃を受けたけど、この本を読むと、そのシーンは実際何を伝えたかったのか、今ようやくわかった。
この本は、自分の心が動かされる。
詳しくここでは書かないけど、感動が伝わる。
Posted by ブクログ
遺伝的アルゴリズムのような人工進化では、磁束などのノイズをリソースとして活用した効率的な回路ができる話は面白い。科学的な思考をもとにしたエンジニアリングではノイズとリソースを明確に分けるが、自然的で即興的なブリコラージュではノイズもリソースもありものの材料として組み合わせて世界を創る。
人類にはまだ理で理解できないこの世界の全体感を、全身とこころで分かろうとする岡潔のアプローチの素晴らしさを改めて感じられる一冊。これが本来の日本のこころなのかも。
Posted by ブクログ
数の歴史から数学史の話を通して、「数学する」とは何か、「数学する身体」とは何かについて語り、ヒルベルトやチューリングにたどり着く。そして数学を数学する者としての岡潔の解説を行うと同時に文学的な物語を語っている。
数学に関する本ではあるものの数学の本ではない。何の本かと聞かれるとこれという表現が見つからない。
改めて数学というものを考えるきっかけになる本
Posted by ブクログ
#ヨンデルホン
#数学する身体 / #森田真生
#新潮社 #ドクリョウ #ヨミオワリ
もっと集中して読むべきであったか。まぁ、本は逃げない。次は、じっくり。俄然、岡潔を読んでみたくなった。
Posted by ブクログ
著者の数学に〈情緒〉動かされてる体験がひしひしと伝わってくる。学問の探究へと道を進む稀有な人たちって何かしらこういう信念と、出会いがあるんだろうなと胸踊る内容です(本書の本筋ではないので、悪しからず)。
チューリングと岡潔を軸に、数学と身体というテーマを深ぼっていく構成。恥ずかしながら岡潔の存在を知らず、こんなに観念的な数学との付き合い方があるんだと目から鱗状態になりました。
チューリングの数学を道具として利用して人間と心と数学の境界を暴きにいくアプローチ対して、岡潔は心の奥深くは分け入る行為そのものこそが数学であるという立場をとる。どちらも魅力的で勝つ痺れる対比で捉える筆者の洞察力に傑物感が窺い知れます。同世代ということで、すごい人っているんだなーと単純に感動しちゃう。
丁寧に論を進める筆致と、そのテーマの深淵さかつ引き込まれるその面白さを十二分に堪能できます。数学に興味があってもなくても、必読となっておりますよ。