あらすじ
あなたへの、好きがあふれる。
髪で作られた制服が伝統の星宮女学園から、ある日ひとりの少女が消えた。
その恋をなかったものとして、変わらずにすごそうとする“学園の王子”佐伯華。
一方、彼女への「好き」を認めた洋子は、その瞳を輝かせ変化をしていくが……。
髪が指が唇があなたに恋する、ガールズ・ラブ。
誇り高い女学園で繰り広げられる、淑やかで甘美な群像劇。
明確な主人公が存在しない本作の最大の魅力は、女生徒たちが影響しあうことで交錯する心、揺れる気持ちです。
例えば「王子様」と呼ばれる少女・佐伯。昔から同性にも「かっこいい」と言われてきた彼女ですが、学園に入ってからは向けられる視線が少し変わったと感じています。その違和感は次第に増し、周囲の視線や言動によって王子様に「変えられていく」という苦しさに変わっていきました。
そんな佐伯の前に突如現れるのは、滅多に学園に姿を現さない深窓の令嬢・星宮です。窓から飛び降り「ずっと遠くに逃げられるような気がしたのだけど」と言う彼女に、佐伯は一緒に逃げないかと提案。ふたりの少女による、ささやかな逃避行が始まります。
このエピソードはほんの一例で、他にも魅力あるキャラクターが次々にフィーチャーされます。
表紙で本作に惹かれた方も多いと思いますが、作中ではストーリーの深みと相まって、魅了させられるシーンが多いです。
ピンときた方は、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
主人公ちゃんが前を進む中、親友である少女は何かを諦めたような感じが、読んでいて応援したくなるほど素敵なお話でした。前回の巻に比べて少しだけ暗いお話でしたが、不安定な少女が好きなので読んでいた時の幸福感が凄かったです。完結してほしくないけど、このお話もう3年生の冬なので近いうちに完結すると思うと寂しいです。是非一度でもいいから、読んでほしいです。
美しすぎる百合
表紙のダークさそのまま、中身も暗め。姉妹百合はしっかり百合している。歪んでいるけれど。一番歪んでいるのは華かもしれないが。洋子の真っ直ぐさが眩しすぎる。そして玲奈さん良いキャラ過ぎる。
Posted by ブクログ
雑誌「月刊コミックビーム」で連載されていた原百合子の「繭、纏う」の第4巻です。特別な制服を纏う星宮女学園に通う生徒たちを描く百合作品です。唯一無二の世界観を構築しており、耽美系な作品としてはかなり上位に位置する作品です。繊細なタッチで描かれる女の園が素晴らしい。群像劇で視点がちょくちょく切り替わったり、時系列が行ったり来たりしているので、読んでいる時に迷子になってしまうことがよくあります。サラッと読み流すことを拒絶するかのごとく、じっくりと腰を落ち着けて読まないといけないです。