あらすじ
私たちはたくさんの愛を贈られて生きている。この世に生まれて初めてもらう「名前」。放課後の「初キス」。女友達からの「ウェディングヴェール」。子供が描いた「家族の絵」――。人生で巡りあうかけがえのないプレゼントシーンを、小説と絵で鮮やかに切り取った12編。贈られた記憶がせつなくよみがえり、大切な人とのつながりが胸に染みわたる。待望の文庫化!
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Posted by ブクログ
『女性が一生のうちにもらう贈りもの』がテーマの短編集。
どの話も号泣レベルに感動して堪えきれんくて、
外で読むのはすぐやめた(笑)
気持ち揺さぶられる感動系あんまり読まないけど、
この本は読んでよかった!!
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初めに送られてくるプレゼントは「名前」。
名前の由来とか意味ももちろんだけど、
我が子の見る世界が素晴らしいように、、と願いを込めて、願いをプレゼントされているんだと気づいて、両親に感謝の気持ちでいっぱいになった。
親から初めて一人暮らしをする娘へ、結婚式を挙げる娘から親へ、友だちから、夫から、、、全部感動した!
かたちとして残らなくても、送られた記憶やその人との関係性を忘れることはない。
生まれてから死ぬまでたくさんのプレゼントを受け取っていると、気づかせてくれた小説だった(;;)
Posted by ブクログ
びっくりした。もはや思い出せるはずがないと思っていた感情が急によみがえってボロボロ泣いた。
もらったもの、してもらったことの短編集。時々、いい話だなーとは思うけどまぁそこまで心に残る感じではないかな、、と思いながら読み進めた。
だけど最後の話になった時、年老いた女性が、夫の昔の浮気相手を思い浮かべて、やっぱり話ぐらいしておけばよかったかな、と、もう恨むことも無くふと考え、夫にしてもらったことで一番うれしかったことは何だった?と会話を空想するシーン。何故かそこで私も、うーーーん、何だったかなーー・・、と自分の夫との昔から今までの様々な出来事を思い返してしまった。
そして思い当たって、そうだったそうだった、本当に好きだった、うわぁ懐かしいな、もう一生そんな気持ちに出会う事は無いだろうと思っていたけど、消し去ってなかったのかと驚いた。
短編集の2つ目あたりで、途中をとばして最後の話を読んだ時は何も思わなかったのに、全部読んだ後だったからか「もらったもの」の定義が一瞬広がっていたのかもしれない。
記憶の彼方にやってしまっていた、自分にとって大切なものを思い出すことができてよかった。
Posted by ブクログ
教科書に採用された「ランドセル」が収録された短編集ということで、古書店で購入。初版は17年前。
夫や恋人に裏切られる女性の葛藤、女性から見た男性の狡さ、その描き方が上手いと感じた。大切な誰かに裏切られることは、つらい。それは自分でなくてもよいのだということを突きつけられ、自尊心を損なうことだから。
そう思うと、自分のことだけを大事にし続けてくれることは、何よりのプレゼントなのだと改めて気づく。夫に感謝。
最初のプレゼントは名前、最後は涙。
ライフステージによって感動するポイントがかわる短編だと思った。
男女関係がテーマの短編より、親子関係の短編が個人的には好みだった。
子供がプレゼントしてくれる公園で拾ったドングリや葉っぱ。それは形の残らないものだが、紛れもなく最高のプレゼントだ。
プレゼントは価格ではなく、有形無形問わず、相手との関係性に付随する価値の一側面でしかない。その事象に自分がどのような意味を持たせるかということに尽きる。