あらすじ
ハルの卒園式が終わり、ほっとしたのも束の間、希夏帆たちは小学校入学への準備で忙しい日々を送っていた。そんな中、愁人の会社で行われる親子のイベントにハルは希夏帆とともに出かけるが…。(※本電子書籍は『の、ような。【単話版】』32~37を収録しております。重複購入にご注意ください。)
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自宅マンションで物書きをして暮らす希夏帆のもとへ、ある日突然、長く付き合っている恋人の愁人が2人の男の子たちを連れてやってくる。その2人の男の子たち、14歳の冬真と5歳の春陽は、愁人が参列すると言っていた、交通事故で突然亡くなった従姉夫婦の葬儀で身の振り方を決めかね、親族に持て余されていた遺児たちだった。
子供たちのことを思うとどうしても断れない希夏帆、両親を亡くしたばかりの冬真と春陽、そして元々その部屋にほぼ居ついているような状態だった愁人の4人で暮らし始めた彼らの生活を粛々とつづっていく本作は、「おまえ、いくら長い付き合いの恋人だからって子連れ(しかも自分の子ですらない男の子2人!おまけに片方は思春期!)で彼女のマンションに転がり込むのに相談なしってあり得ます?」と恐らく読んだ全員が思うだろう愁人はともかく、希夏帆も冬真も春陽もいい人過ぎるくらいのいい人で、でもやっぱり愁人も冬真と春陽の扱いを見ていられずに「2人ともうちで一緒に暮らさないか?」と言いだしちゃうくらいのいい人で、そんな彼らが遠慮したり、言いにくいことも言ったり、でもやっぱり優しくしたり、気が利かなかったりしながら、少しずつお互いに慣れていく(そして気が利くようになっていく!)様子が描かれています。また、春陽が通う保育園の園児やそのママたち、冬真が通う中学校の友達や先生など、登場人物もどんどん増えて世界が広がっていく感じも緩やかで、読んでいて非常になごむのですが、それと同時に、親を亡くした子供の心の揺れも繊細に描かれていて、泣かされるシーンも少なくありません。
家族の在り様も多様化していく昨今、こういった”家族”も増えていくのかもしれないなと自然に思わせてくれる作品です。そしてとにかく春陽がカワイイ!!
感情タグBEST3
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星をもっともっと押したい位のステキな作品です。冬真は今巻で随分と緊張、キィ使いがほぐれた様子。ハルも一年生になるに当たって、少しずつの成長!何よりおじさんの成長が1番ですよね。キナちゃんは変わらず飄々としており、素敵な形の家族です。次巻は1年後かぁ…待てるかなぁ。
よきーーー
冬真が余りにも良い子すぎて今後が心配になる程ですが…ハルくんも『天真爛漫』を、時で行くような子供なのに、時折見せる切ない顔がまたキュンキュンしてしまう。『家族』って何だろう。と考えさせてくれる本当に素敵な作品です。
どんどん家族になってますね!
すごく自然で良いです〜。
本当はこういう家庭だってないわけじゃなかったのに、
多様性とか言うようになったのは近年で、
でも言葉が浸透するのと人の意識改革が進むのは別の話。
ていうのをよく表してくれてますねー。
なんか『ん?』みたいなことや人が出てきても、
うまいこと嫌な印象だけに終わらないのがまた良き!
ハルくんの天真爛漫さが、ずっと喪われませんように…!
二人が大人になるまで続いてほしいです!
当人たちは全く問題と思ってないのに、やたら外野からうるさく言ってくる人っているよね。
普通ってなんだ?常識ってなんだ?
色んな家族の形があって、子どもが楽しそう、健康、幸せであること以上に大切なことはなくて。
素敵な家族になってきたね、とじんわりします。