【感想・ネタバレ】円朝の女のレビュー

あらすじ

全盛を支えた名妓から、淋しい晩年を看取った娘分まで――。スーパースターと五人の女が現代に甦る。
時代の絶頂を極め、近代落語の祖といわれた大名人・三遊亭円朝と、彼を愛した五人の女。
江戸から明治に変わる歴史の転換期を乗り越えた、大名人と女たちの人生が深い感慨を呼ぶ傑作時代小説。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

江戸末期から明治まで、近代落語の祖と言われた大名人、三遊亭円朝と関わりの深かった女性たちを、身近にいた五厘の目線で噺家の語り口で綴る。

面白かった〜。

落語のことはほとんど知らないのですが、
噺家の生活、江戸時代においては身分などもなかったこと、
吉原のこと、明治になってからの戦争のこと、
鮮やかに情景が目に浮かぶほど細やかな描写で、
それでいて噺家の語り口なので飽きずに楽しく読めました。
円朝を愛した女たち、吉原の花魁、芸者、旗本の娘、など、
複雑な心情を側で見ていた語り手の優しさがいい。
円朝の本心はわからないけれど、語り手が円朝の表情を
話すだけで、その空気感が伝わってくる。

絶頂を極めた円朝も晩年は寂しい様子だったことも描かれる。
庶民の目から見た時代小説。
傑作です。

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2014年09月27日

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