あらすじ
『9月1日、俺は目覚めると、檻の中に囚われていた──』ある日突然、勤務先の青年社長・石田(いしだ)に監禁されてしまった、デザイナーの英司(えいじ)。「今日から君をAと呼ぶ。これは三十日間の実験なんだ」石田は1冊のノートと鉛筆を渡し、日記を書けと命じてきた!! 名前と自由を剥奪され、身体も精神も支配される──官能と狂気に晒されて、人はどこまで理性を保てるのか、衝撃の問題作!! ※電子版には、紙版に収録されている挿絵は収録されていません。
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Posted by ブクログ
確実に好き嫌いが分かれる作品だと思います。
私も一番最初に読んだ時はラストに引っ掛かりを感じました。
受けの選んだ選択に本当にそれで良いの?と。
良いんだけど良くない…そんなモヤモヤした感情が残ったんですが、時を経てから改めて読み返してみるとこれはこれで有りなのかもしれないと素直に思うようになりました。
とりあえず監禁モノでお勧めしたい小説は?と聞かれたら私はこの作品を推します。
ただ、この作品はそんじょそこらの監禁ものとはレベルが違います。この作品で取り扱っている監禁は“ガチ”です。臨場感があり過ぎて繊細な人は読めないかも…というレベルです。
そして攻めがゾッとするほど狂気じみてます。
上品で立ち振る舞いも言動も穏やかなんだけど何かが壊れているというか、静かに狂ってるというか。とにかく読んでいて底知れぬ恐怖を感じました。
まぁ、成人男性を監禁しちゃうぐらいだから壊れていて当たり前だと言われればそうなのかもしれませんが…(笑)
ていうか石田って飴と鞭の使い分けが絶妙なんですよ…。甘やかしたと思ったら急に手のひらを返してきて、読んでいるこちらまで翻弄されるんです。鬼畜だと思うのに、途中から憎めなくなっていくんです…。
乳首へのピアッシング(合意無し)など思わず顔を顰めるような痛いシーンもありますが、この世界観、嵌る人はどっぷり嵌ると思います。
とにかく全体を通して非常に閉塞的な作品なので、読んでいて息苦しさを感じる作品でしたが、一度読んだら絶対に忘れないし、後からじわじわ余韻がやって来る、そんな作品だと思います。
甘いだけの作品に飽きたなら、是非こちらの作品を手に取ってみてください。もしかしたら新しい扉が開くかもしれません…。
どう評価したらいいのかな
結局のところ、よくわからなかったというのが感想。
攻めは、澱を抱えていて、その責苦を誰かに味わせて、乗り越えられるか見たかった。
しかし、攻めは狂ってるというより、一生懸命生きようとしてるように思えた。
だって、乗り越えられる人を探してたんじゃないかと思うから。そうして、その人と一緒にその責苦を踏みしめて歩んでいくことを望んだのね。
選ばれた受けは、攻めを受け止め、さらに闘うことを選んだ。愛に溺れて選んだわけじゃないと感じたから、受けは自分のやりたいことに命をかけることができる人だったってことだよね。自傷行為をしてまで描きたい芸術家タイプ。
BLだけど、boysがラブしてる描写は一切なし。お互いが生きるという仕事のための大切なピースみたいになったなと思った。いや、これはラブか?