あらすじ
世界トップ10に入る両校の入試問題はなぜ特別なのか。さあ、あなたならどう答える?どうしたら合格できる?難問奇問を選りすぐり、ユーモアあふれる解答例をつけたユニークな一冊!
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Posted by ブクログ
英国の世界トップ大学に入る秀才がどのように選別されているのか、知ってますか?
日本の大学の様な常識や記憶力メインの学力診断テスト以外に、面接試験では奇抜な質問がされています。
その目的は、受験生の類推力や演繹力、場合によってはユーモア力や人間力を見極めるため。
本書では、こんな風に表現をしています。
「ここに載せた質問に答えるには利口でなければならない。それも、驚くほどに、面白いほどに、刺激的なほどに、苛つくほどに、ずる賢いほどに、有害なほどに、底しれないほどに、素晴らしく利口でなければならない。知識ではない。教養でもない。自分の思考をあらゆる方向に面白くひねり回せるかどうかである。利口になるための最大の障害は、利口ぶることである。」
本書は、オックスフォード大学とケンブリッジ大学(オックスブリッジ)の過去に出た面接問題に、著者が模範解答するという形ですが、問題が問題だけにちゃんとした正解はありません。
例えば、「あなたは自分を利口だと思いますか?」(ケンブリッジ法学部)という問い。
正攻法で昔の哲学者の金言等を引用してペダンティックに答えるのもいいが、ユーモア重視なら「オスカー・ワイルドの様に、私はあまりに利口だから、時として自分が何を言っているのかわからなくなる」だとか、「はい、私は大学側の望む程度には利口です」とスカしてもいい。
続いて、ケンブリッジのコンピューターサイエンス部の問題「棒高跳びの世界記録はなぜ6.5m程度なのですか?」
この問題は、ちゃんとした物理学的知識が必要です。ポールの材質等も若干影響するが、基本的には上に跳ぶ運動エネルギーの大小は跳躍者の助走の速度で決まる。
ちなみに、本書が書かれた2009年時点では、セルゲイ・ブブカの6.14m(1994年7月31日)、現在では、2024年デュプランティスの6.26mが世界記録。理論上では、後20cm位は更新可能だが…
ケンブリッジの獣医学部「牛1頭には世界中の水の何%が含まれているか?」
計算式は、牛1頭の水分量(例えば人間と同じ体重の70%と仮定)を地球上の海水量(地球表面の4分の3が水だと仮定し、海の深さの平均4,000mを使って計算)で割れば良い。そして、この質問は食物連鎖の頂点にいる哺乳類がいかに水を消費しているのかという視点にもつながる。
ケンブリッジの言語学学科「チェーホフは偉大でしょうか?」
この模範回答が素晴らしい。ここだけでも一読をおすすめします。
結果的に、ケンブリッジ大学の問題のみの引用となりましたが、もちろんオックスフォード大学の問題もありますよ。
Posted by ブクログ
<目次>
省略
<内容>
確かに考えさせられる問が並ぶ。たとえば、「自分の腎臓を売ってもいいでしょうか?」「自分を履行だと思いますか?」「幸せだ、とはどういうことですか?」「木を描くとします。その木は現実のものですか?」答えられそうなものから倫理的・哲学的なもの、科学的なものなど様々…。考えなら読んでいくことをお勧めする。
Posted by ブクログ
こんな入試問題あり? 一筋縄ではいきません!
話題だったので。どうしてこんな入試問題が、と思いつつ、最後の解説を読んで腑に落ちるところも。論理的に討論することが、人生や仕事の上で必要だと考えられているからだ。オックスブリッジ出身の人は、政治家だったり社会に大きな影響力を持つ人になる。そういう人は、自分の意見をきちんと述べられないとダメだから。ちなみに、昔はもっと変な質問があったらしいが、今は専攻分野に関するものが多いらしい。それは、公立校にあまりに不利だったから。確かに私でもオックスブリッジに行くのは、パブリック・スクール出身が多いかな、という印象をもっている。教育の機会均等はひとまず置いておいて、このようなオックスブリッジの入試問題を突破して、そこで学べば、豊かな人生、社会に羽ばたく人材ができるということ。こういう論理的に討論できる人材をイギリスが求めているということ、それがわかった。
問題のところを読んだら、なるほど、と思うことも、へ理屈じゃないか、と思うところもあるんだけど、とてもイギリスっぽい。大事なことは、その質問の意図はどこにあるか考えること。これはオックスブリッジの入試問題じゃなくても、当たり前かも。
ケンブリッジ大学〈英語英文学〉「あなたにとって悪い本とは何ですか?」すごくわかる。悪い本って数え出したらきりがないんだ。だって、色んな本に影響されてきたから。勉強できなくなったり、性格が変わったり、新しい世界の魅力に気付いたり……。