【感想・ネタバレ】なぜ、わかっていても実行できないのか 知識を行動に変えるマネジメントのレビュー

あらすじ

スタンフォード大学の人気教授が、すべての社会人に贈る不朽の名著。
「実行できない組織」の原因と処方箋を明らかにする!

知識があっても、実行しなければ意味がない
ビジネス書は世の中にあふれ、MBAホルダーも増えた。必要な知識を身につけ、何をすべきか社内のだれもが理解しているのに、まったく行動に現れない。この「知識と行動のギャップ」 (The Knowing-Doing Gap) を埋めなければ、どれほど立派な経営理念を掲げても、会社は変われない。やるべきことを知っているだけでは不十分なのだ。

全米ロングセラー、待望の復刊
組織行動論の世界的権威である2人の著者が、4年間にわたる調査から、このギャップが生まれる5つの原因を探る。そして、あらゆる組織が直面する「どうすれば行動を起こせるか」という課題に明快なガイドラインを示す。

あなたの会社は大丈夫?
もし、あなたの職場が次のような状態なら要注意!

□ 会議をしただけで仕事をした気になっている
□ 過去のやり方にばかり、こだわっている
□ 上司を恐がり、失敗を恐れている
□ 社内での足の引っ張り合いが多い
□ 評価が細かすぎて重要なことを見失いがち

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Posted by ブクログ

フェファー氏の著書にハズレなし!
原題は“THE KNOWING-DOING GAP”。
ビジネスに必要な知識は理解していても、それが行動に現れない「知識と行動のギャップ」に鋭く切り込む一冊です。

本書の初刊は2000年で、今回読んだのは2014年の復刊版ですが、初刊から四半世紀を経た今でもなるほどと思わされることばかり。
知識を行動に変えるマネジメントは、今もなかなか実践されていないということなのでしょう。

そこで、「行動を起こすためのガイドライン」(第8章)から印象に残った点を、自分なりにまとめてみます。
◯大事なのは哲学〜「どうやって?」より「なぜ?」と問うことで、行動の裏にある哲学にまで踏み込む
◯行動することや教えることで知識は身につく〜試行錯誤から学ぶ。
◯行動すれば間違いは起こる〜その時にどう寛容に対処するか。
◯恐怖心を追放する〜恐怖心は思いがけない過ちや無分別な行動を呼び込む。また、失敗するという恐怖は行動を妨げる。
◯社内競争・内部競争は有害〜内部で競争するのではなく外部と競争する。協力して仕事をする。仲間が成功することで初めて自分も成功する。
◯問題はリーダーの行動〜環境を整え、行動を通して仕事の効率を上げる手助けをする。

小さなことからでもまず行動に移しながら、組織的課題の解決に向かって進んでいきたいと思います。

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2025年03月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

とても大事な哲学がこの本にはあったと感じた。
知識をどのように行動に繋げるかのプロセスを妨げる個人の感情や価値観だけでなくそれに影響している企業文化や評価システムなど、なるほど…っと考えさせられるものが多い。
最も大事な点と私が感じたのは知識には失敗の経験も含まれている点だ。
失敗に関する本でもここで書いてあることと同様にどう学び活かすかを重要視している…
が、この本ではそれを組織としてどう言う態度でその失敗と向き合い赦す文化を構築するかが大事だと私は読み取った。

この能力を伸ばすと言う考えよりも、組織として全体での生産性に繋げる考え方を学べる良書と私は感じました。

私個人としては
恐怖政治を引いて行動を促す傾向があるが、それらもこの本の考えが正しいなら、間違った組織行動になりそうなので、改善が必要そうだ。

だが、
言い訳になってしまうかもしれないが、
現場で人手不足で顧客や上司から叱咤される組織にいる身としては、この本の組織的活用は経営者や管理職の価値観や学びがない状態だと机上の空論にも感じてならない。
その点だけがこの本を読んで腑に落ちなかった点だが、組織行動論としての考え方として知識にし、個人的な行動の変化を与える薬となるよう努力していこうと思った。

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2024年03月27日

Posted by ブクログ

本書のテーマは、こうです。
何をすべきかわかっているのに、だれもそれを実行していない。それを、「知識と行動のギャップ」と呼ぶことにする。
「知識をむやみに詰め込むだけではだめだ。いますぐ実行せよ」
「なぜ、実行できない」のかではなく、「どうすればできるのか」

①問題を話しただけで仕事をした気になる
・問題点を反し合っただけなのに、仕事をこなした気になることがある
・コンサルが実行まで提示してくることはまれである
・単純なアイデアはだれでも簡単にまねできる

②過去のやり方にこだわりつづける
・あらゆる決定を一からやり直すことはできないとはいえ、すべてを過去に頼ることも賢明ではない
・問題にぶつかると、人も組織もよく知っているやり方にかたくなにしがみつこうとする
・新しい組織を作るには時間がかかるが、その効率は大きい。歴史も前例もないので、行動の指針はすべて新たにつくらなければならない。
・初めにむだなルールや、形式的なやり方をつくらなければさらに賢明だ

③部下を動かすために恐怖をあおる
・恐怖心を追放すること
・恐怖心は職場の士気を高めるどころか、まったく逆効果になっていた。
・職場から恐怖心を追放するキーワードは、予測、理解、自制、思いやりの4つである

④重要でないことばかり評価している
・評価に関して会社は常識をもってほしいものだ
・アウトソーシングを増やすと、別の意味で失うものがある。雇用機会の確保より、コストや収益、効率などを優先するというメッセージが社内伝わることだ。

⑤業績を上げされるために競争させる
・競争があれば、怠惰で無能な連中は消えていく
・きちんと仕事をこなすことと、勝つこととは違う

なぜ、わかっていても実行できないのか
知識を行動に変えるマネジメント

著:ジェフリー・フェファー
著:ロバート・I・サットン
監:長谷川 喜一郎
ISBN:9784532319236
。出版社:日本経済新聞出版社
。判型:4-6
。ページ数:320ページ
。定価:1800円(本体)
。発行年月日:2014年01月
。発売日:2014年01月20日1版1刷

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2023年10月23日

Posted by ブクログ

●監訳者のあとがきより(プラウドフットジャパン)
個人としての日本人は、知識も行動も一流なのに、組織に入ると実行力不全になる人が沢山いる。「当たり前のことを、当たり前に、確実にできるようにせよ」という指示が非常に難しい。これまでの成功体験が邪魔して、「分かっているのに、実行できない」という状況となってしまう。

●本当に実行できる知識は、本を読んだり人に聞いたり、考えたりして学ぶことよりも、行動から得られることが分かってきた。

企業が不足しているのは「行動力」。知識と行動の間に大きなギャップがある。
問題が起こっても組織はすぐに行動を起こさず、机上で討議したり、理屈で説明しようとする。ビジネススクールや経営コンサルティングは、スマートな発言をすることで、会話市場で勝者になることこと勢力を握る鍵だと考えている。企業活動を変えることとは思っていない。

●WHY?
初月の量と「質」は即座に評価できるため。リーダーシップやマネジメント能力、仕事をやり遂げる力などを評価するには時間がかかり、具体的な結果が出るまで評価を先送りすることになる。そのため、すぐに評価をしたい場合は「発言」が優先される。昨今の結果主義がよりその傾向を加速させている。

●逆に「実行」にフォーカスすると?
単純なアイディアは、誰でも簡単に真似できる。複雑で誰にも真似ができないからこそ、価値がある。こうして「常識」呼ばわりされるのは侮辱だという考え方が生まれる。しかし、常識と呼ばれるものは賛辞
である。マネジメントの世界では、常識ほど希少価値のあるものはない。
複雑さは、知識を行動に移すときに「邪魔」になる。知識を実行するには、あちこちに散らばっている多くの人々が理解していなければならない。複雑なコンセプトを広く伝えるのは難しい。確実に実行されるには、その知識が永続性のあるしっかりしたものでなければならない。
ライバルは、逆に「そういった単純なことでは他社と差がつかない」と思い込んで、実行よりも知識を優先する傾向になり、単純なことをコツコツ実行する会社といつの間にか大きな差をつけられることになる。

言葉を言葉で終わらせずに、行動に変えている組織では、言葉もフォローアップも、計画や決定も、あくまでも行動中心である。自分が行動を変えれば、どんなことを語り、計画しようとも、そこに知識と行動のギャップはない。人は行動から学ぶのである。行動を変えれば、信念も新しくなる。
→「なぜできないのか?」ではなく「どうすれば実行できるか?」の考え。

●結果主義、恐怖政治の弊害
多くの企業には、個人が知識を溜め込んで、自分を強化できたと考える傾向にある。罰せられることを恐れ、会社の利益よりも自分の生き残りを意識するような組織体制だと、新しいアイディアを受け入れ、自分の知識を人に伝えるような行動を周りが取ることはない。今まで通りにやっている方が楽だと考えてしまう。

「たくさん試してみる。効果のあるものとないものが分かる。そこから得た知識を検討する。もう一度試してみる」という姿勢。知識を上手に行動に変えている企業では、恐怖心を追放している。

●知識を行動に変えるのを助けるのは何か?
組織はプロセスより結果を評価しがちである。結果を評価するばかりでは、なぜそうなったのか、その理由は分からない。
知識の実践を評価している組織はさらに少ない。
会社のリーダーは、たとえ小さくとも知識と行動にギャップを見つけたら、それを埋める方法を考えなければならない。何よりもまず、知識を行動に変えるシステムを作ることである。

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2017年06月25日

Posted by ブクログ

201506/
実践から学べば知識と行動のギャップは生まれない/
人はリーダーとして任務を果たしながら、しだいにリーダーになっていく/
世界的な成功を収めた電力会社AESのCEOであるデニス・バッケはいう。「まず、いくつかの案を試してみる。どれが効果的かわかったら、それをわが社の戦略と呼ぶことにする」。こんなふうに戦略を語れる経営者は少ないだろう。/
言葉なしに組織は成り立たない。意思決定や実行にも言葉は欠かせない。知識をきちんと行動に変えている組織では、用語も組織もコンセプトも至って単純で、常識的なものだった。こういった事例は驚くほどまれである。/
リーダーも率先して自分の失敗を語る。特に失敗から学んだことを話す。/
①大事なのは哲学である:「どうやって?」よりまず「なぜ?」/
②行動することや教えることで知識は身につく/
③すばらしい計画やコンセプトより、行動がまさる/
④行動すれば間違いも起こる:企業はこれにどう対応するか/
前途有望な若い役員が、リスクの大きなベンチャーにかかわって1000万ドルの損失を出した。これは大事件だ。ワトソンから電話がきた。不安におびえるこの役員はいった。「辞職は覚悟しています」。ワトソンはいった。「冗談いっちゃいけない。1000万ドルかけて、君を教育したんだぞ!」/
⑤恐怖心はギャップを広げる:まず、恐怖心を追放しよう/
知識を実行している企業には、恐怖心ではなく、尊敬の念や愛情を大事にするリーダーがいる。/
⑥似ている言葉に気をつけよう:互いに張り合うのではなく、「競争」を相手に戦おう/
⑦何が大切なのか?知識を行動に変えるのを助けるのは何か?/
⑧問題はリーダーの行動だ:リーダーは時間をどう使い、資源をどう配分すればよいか?/

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2015年06月15日

Posted by ブクログ

本書の趣旨は、「人間原理」を正当化する物理法則の確立と、その正当性の主張である。
宗教家ならともかく、宇宙を作ったのが神であるという考え方には違和感を覚える人が大半だろう。だが、一流の物理学者ですら、宇宙やその構成物をつぶさに調べれば調べるほど、あまりにも精緻に作られたそれらが、人間を作り出すために存在するように思えるらしい。そう考えると、「なぜ宇宙は存在するのか?」や、「なぜ宇宙はこのようなのか?」といった物理学の目的的質問に対して、「人間が存在するから、そのような質問が発生する」といった回答がありえてしまう。これを人間原理と呼ぶ。それでは物理学が目的を失うためこれを忌み嫌う物理学者は多い。
 一方で、下記に述べるように本書物理学者は、物理学者らしい「人間原理」の解釈を行い、非常に優れた論理展開を行う。
 本書で考える宇宙とは、超ひも理論から結論される宇宙である。そのモデルに、宇宙定数やプランク定数といった宇宙を定める定数を物理法則が成り立つように適応ことにより様々な宇宙が存在しうる。それらすべての宇宙が本書のいうところのランドスケープを埋め尽くす。つまり、われわれが認知している宇宙は、物理法則がなりたつ宇宙のバリエーションの一つに過ぎない。そして、そのバリエーションでは、宇宙の変化が生命にいい塩梅に作用する。それにより我々のような知的生命体が存在できたのである。
 こう考えることにより、人間原理の胡散臭さは、物理学に昇華するように思えるのだが、果たして、このランドスケープの存在を人類は探知できるのか? 著者はできると思っている。この結果が出るのを楽しみに待ちたい。

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2018年10月23日

Posted by ブクログ

権力を握る人の法則 の筆者が、知識と行動のギャップを分析。
原因①問題を話し合ってくぁけで仕事をした気になる
原因②過去のやり方にこだわりつづける
原因③部下を動かすために恐怖をあおる
原因④重要でないことばかり評価している
原因⑤業績を上げるために競争させる
それぞれ企業の例(欧米だが)を取り上げて具体的に分析。

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2016年08月31日

Posted by ブクログ

結局はコミュニケーション力、というか対人、なんだよね
ただ、“会社のため”にしたことに対する見返り(保証だとか、安心・信頼感)がないとやってられないと思う
不安をなくすの、大事

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2014年10月12日

Posted by ブクログ

◆読むきっかけ
自分自身、クライアント、社内での実行力を上げるヒントを得る

◆気づき
他の店でできていることを学ぶべき 4.9→4.0
そうすべきとわかっているが実行できていない

うまくいっている会社は誰もが知っている当たり前のことを徹底的にやっている

ホンダのモットー 現場で現物をみる
医学実習生 聞いてみてやってみよ
米軍 訓練の中心は実践的な戦闘訓練
米軍幹部育成 人はリーダーの任務を果たしながらしだいにリーダーになっていく

原因① 話し合っただけでやった気になる
・実行力よりスマートな発言が評価される
・決定しただけではなにも変わらないことを忘れている
・発言が多いことが仕事ができると誤解されている

シンプルな言葉の方が動ける

原因② 部下を動かすために恐怖をあおる
・恐怖と不信感は実行力を下げる
・生産性を下げ報告を繕うなど無駄な業務が発生する
自分で考えて動かなくなる

悪い知らせを伝えたい人を褒める
リーダーも率先して間違い、学んだことを語る

原因③ 過去のやり方にこだわり続ける
・前例に習えでは、より良いことが実行されない

解決策
・リーダーの役割は知識と行動のギャップを見つけたらそれを埋める方法を考えねばならない

◆やること
マンダラートを週に一回共有して今週はどこを実行に移すかを宣言する

間違いエラーを率先して共有する

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2018年10月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

以下、おぼえがき。

前例に固執するな
前例を立ちきる
前例に戻れない工夫
分かりやすく実行しやすいやり方
オフィスにこもるな
現場の仕事を理解しろ
恐怖心をうえつけては提案できない
意思決定を分散させ、自分で知識を身につけ行動する
なぜか地位が高いと誤りが少ないという思い込み
行動した結果まちがっても罰しない

ミスをしないイコール意思決定してない
同じ過ちをくりかえさないために、失敗を共有すべき、でないと改善するチャンスを逃す

評価方法が邪魔をして知識を実行できない
一つの成功を奪いあう、誰かの成功のために、誰かの失敗が必要

教えることは知ること
間違いが起きたとき企業はどう対応すべきか

企業が成功するためには、だれでも理解できる戦略と日常の仕事ぶりを判断する、二・三の重点的な評価項目があればよい

以下、まとめ。
なぜ行動できないか原因がわかる本。

問題を話すだけではNG。現場の人に意見を聞く。
誰でも分かる言葉で、行動を促す。

過去のやり方にとらわれず、改善を行う。

恐怖心を与えない。罰を与えず、自由に提案できる組織づくりを。

結果だけではなくプロセスを評価する。

社内競争で仲間を蹴落とすのではなく、協力して競合と戦う。

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2017年03月09日

Posted by ブクログ

旧版の訳本を読んだときにも感じたことだが、わかることと実行することの間にはかなりのギャップがあり、それを克服して実行することが個人でも組織でも成功へのポイントとなることは何となくわかるが、具体事例になじみのあるものが少なく、すっきりしない。

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2016年04月08日

Posted by ブクログ

なぜ行動に移せないかの要因は明らかになったが、どうすれば行動に移すことが出来るのかは、結局自分次第ということで…

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2015年06月21日

「ビジネス・経済」ランキング