あらすじ
無実の男を暗殺した“影なきスナイパー”を追う捜査班。だが証拠が少なすぎる。ライムたちの前に立ちはだかったのは、敵の暗殺者による巧妙な隠蔽工作だった。現場は汚染され、証人は次々と消されていく─。痺れを切らしたライムは、自ら現場のバハマに乗り込むことを決意する! 大人気シリーズ第10作。 解説・青井邦夫
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Posted by ブクログ
バハマのホテルの一室で、反米主義を掲げる活動家が暗殺される。犯人は2000m離れた場所からターゲットを狙撃したと見られ、ライフルから発射された銃弾により窓ガラスが吹き飛んだことで、同席していたジャーナリストとボディガードも死亡した。ライムとサックス、NY市警のロン・セリットーは、この暗殺に、アメリカに危険を及ぼす人物を暗殺する国家機関が関わっていると睨み、捜査を進めていく。
さらに、この事件を立件すべくライムたちのもとに検事補のローレルが送り込まれるが、何かと杓子定規なローレルにサックスは敵対心を抱く。捜査を進めるうちに、件の国家機関の下で狙撃を成功させたスナイパーとは別に、証人になり得る人間を次々と殺害していく殺し屋が暗躍していることもわかる。サックスはその殺し屋を追うが、常に先手を取られ翻弄させられる。一方のライムも、メル・クーパーの協力のもといつものように微細な証拠物件から解決の糸口を探ろうとするも、暗殺が行われたのがバハマということもあって一切の証拠物件がないという状況に置かれてしまう。そこでライムは、介護士のトムと、ルーキーことロナルド・プラツキーを伴いバハマへと乗り込む。そこで非協力的なバハマ警察を説き伏せ捜査を始めるが、殺し屋の魔の手がライムたちに迫る。
ライムとサックスは、ライフルを駆使するスナイパーが実は無人機の操縦士であるという事実を突き止め、殺し屋を追うとともに殺しの国家機関の長官をも操る者の正体に迫っていく。
本作は特に、関係者に拷問を加えた上で殺していく殺し屋の冷酷さが際立っている。さらに、初めてライムがアメリカを出てバハマへと乗り込むということもあって、それだけでスケールが大きい。カリブ海の島国の、南国特有の旅情も感じられるところが今までの作品と少し違うところ。そのような事情もあり、サックスはいつものように一心同体となってグリッド捜索を行うライムの不在に孤独感を覚える。また、かねてより彼女を苦しめる関節炎が彼女のキャリアに危機をもたらすので、最後の病院でのシーンはライムの決断も含めて胸にくるものがある。
このシリーズもついにスマートフォンが登場し、戦争や暗殺もハイテクの時代に突入。
なぜか登場人物一覧に名前がないが、ロナルド・プラツキーが大活躍するところも見どころ。
Posted by ブクログ
(上巻より)
でも、私が気になったのは、
ライムの手術より、殺人ドローンより
お気に入りのブラスキー巡査の活躍。
だいぶ、捜査の役に立つようになってきて嬉しい。
ライムにほめられてたし。
それと、女性地方検事補とアメリアが、
最終的に仲良くなったのが良かった。
Posted by ブクログ
久々のリンカーン・ライムシリーズ上下巻完読。あえて感想を述べるのであれば上巻のレビューと同じ。特にハラハラドキドキすることもなく淡々と読み進めていき、結末を迎える。最後の結末はたしかに一捻りしているのだろうけど、これまでのシリーズの事を考えれば、あぁそうなのねと思う程度のことで、大きな驚きとか、騙されたぁ!と思うほどのことではない。
ライムの手術とアメリアの膝のことが最後気になったが、それも特別感動的なわけではなく、まぁそうねというところ。
ただし、最後ライムがトムに、自分は証拠から物事を読み解くだけでいいと語る場面はシリーズを読んで来てものからしてら安心できる話だった。なぜなら、上巻もでもライムが銃をもって自身を持ってている下りはたしかに違和感があった。その上手術成功(きっと成功するだろうから)によりもっと手が使えるようになる、これまでのような歯痒さの中での緊張感はなくなってしますのかなという心配があった。下巻の最後にその心配を払拭させてくれたあたりは、シリーズの中の一冊をきちんと読んでおいてよかったと思った点。
それであってももう少し楽しみたかったなというのが本音のところ。