あらすじ
鬱屈した大学生活を送る雅也は、連続殺人犯の大和から冤罪の証明を頼まれる。戸惑いつつ調査する雅也が辿りついた驚愕の真実とは。『チェインドッグ』改題文庫化。
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Posted by ブクログ
すごく面白かった。久しぶりに一気に一冊読んでしまった。
連続殺人鬼・榛村から手紙をもらったパッとしない大学生・雅也。警戒しながらも関係者に聞き回ったり、事件について調べたりしていくうちに、周りから「話しやすくなったね」と評される。本を読んだり、出かけて色んな人と話したからかな、と思っていたら、急に雅也の母親の話になっていってびっくり。幼い子に対して変な目で見たり、榛村への共感が危険なくらい高まって行った時に、金村や灯里からの連絡でストップがかかったのは、よ、よかったね〜、と読んでた。
でもエピローグを読んだら、榛村が操ってたの、あの人もこの人もみーんなじゃない!って最後にびっくり。
主人公の栄光の神童時代に周りのウケが良かったのも、榛村と共感してたから、ってのもうわーーってなった。
こりゃ冤罪じゃなさそうだなぁ?!
あと印象的だったのは、榛村が十代のころにやった小学生への拷問と虐待。指とかより、特に女の子の性器への異様な執着が見られた。榛村自身、性的虐待を受けたことのショックが大きかったことの証左だし、本当に小さな子は守ってあげなくちゃいけないと思ったよ。
Posted by ブクログ
何十人もの子供を拷問し殺害した男に、1件の無罪を証明してほしいと頼まれる主人公。
最初の方でこの男がサイコパスだと明かされた時点で、結末は大体予想できていました。
というのも、私は過去にサイコパスと思われる方とお付き合いをしていたことがあるからです。
主人公がこの男に惹きつけられていく様に、昔の自分を重ね、少し苦しかったです。
自分の目的のために、優しさや誠意と受け取ってもらえる行動をとり、時にはわざと涙を流して見せたりして、相手の感情を支配し、簡単に他人の人生を弄んで壊す。
その目的すら、その時の気分や娯楽等というくだらない事柄であることが多く、そんなもんで人生を壊されるこっちはたまったものではありません。
主人公はラスト、男のために使ってきた労力、金銭、感情、時間、全てが意味のないものだったことを知りますが、その過程で自分の殻を破り、新たな人生をスタートさせます。
そして私もまた、主人公と似た経験をしており不思議な気持ちになりました。
特異な存在だと思われがちなサイコパスですが、20人に1人の割合で存在するらしいのも衝撃です。
Posted by ブクログ
死刑にいたる病
映画化され、公開当時に観て、衝撃と満足感から「絶対に原作を読むぞ!」と意気込んでから、はや3年。
やっと読んだが、個人的には正に傑作。
まず、今作の連続殺人鬼:榛村大和のキャラクターが映画版と違い、美青年という設定で驚いた。映画版で榛村大和を演じる阿部サダオは「近所に住む、接しやすいおじさん」という印象があったが、作中での書かれ方的には「40代とは思えないゴリゴリのイケメン」という感じ。
この差分が決してマイナス評価という訳ではなく、この采配をした、白石和彌監督の思い切りが良いなと感じた。
しかし、原作と映画版の榛村大和の一番の共通点はやはり「眼」。
この「眼」は、時に相手に充足感を与え、時に相手を縛る監視の「眼」となる。この「眼」が作中の随所に描写され、読者が榛村大和が作り上げた物語に惹き込まれる要因の一つと考える。
この「眼」を映画版ではライトや編集に阿部サダオの神がかった演技が合わさり、完全に再現されている。
また、この作品で秀逸なのは主人公:筧井雅也が調査を続け、真実に近づくにつれ、行動や雰囲気が榛村大和に近づいていく描写。
残酷な描写が多い今作だが、序盤から捻くれているところはあるものの、基本的には理論的な考えをする筧井が、徐々に衝動的な行動を見せ、それを第三者視点で見るのが、本能的な恐怖を引き出してくる。
Posted by ブクログ
映画を見てから小説読んだ
映画はただただ怖くて見るの後悔したけど
小説読んで怖いのと不気味さはあったが
小説の方が詳しく書いてあり読みやすく
面白かった
結構グロテスクで心が痛かったが
それ以外は読んでよかったと思えた
伏線回収がいっぱいあった
人が一番恐ろしい
ホラー
話に引き込まれる
最後のどんでん返しが圧倒的
序盤から中盤は主人公がまともだったのにどんどんと犯人に洗脳されていく過程が怖かった
腑に落ちない終わり方も非常にはがゆい
一気読みしました。
雅也が大和に飲まれて行き過ぎて犯罪を犯すのではないか・・と、ヒヤヒヤ。
雅也と大和・・パン屋の客よりも親密な関係性があるのでは?と予想はしていましたが・・・
最後の面会で、やはり殺人犯は殺人犯なんだな・・・と。自分をしっかり持つ事って大事ですね。
引きずられる
一気読み。変な吸引力と言うか、読まずにいられなくなってしまいました。雅也がボーダーラインを超えるか否かがとにかく気になって、ぞわっとした怖さと共に私も支配されてしまったのかも......
Posted by ブクログ
これは面白かったな〜
サイコパス的な?
人を操るとか洗脳の恐ろしさね
イメージとしては知的な男性?
そのあたりサイコパスの本にも興味がある。
なるほど
まだ人格が出来上がってない子供か…
己が理想とする容姿とその気質を持つ子に狙いを定める冷静さ
じっくり餌を撒き時期を伺う執拗さ
焦る必要はない…
必ず上手くいくのだからという自信
気持ち悪さを感じながら進むストーリーは、連続殺人鬼・榛村と操られる雅也の調査で進んでいく。
次第に魅せられて危うくなる雅也がどうなるのか?
中盤までくると雅也が第二の榛村になる先も考えられるし…洗脳から解ける何かがあるのか…
どうなる?そこを考えるとまたまた面白かった。
ただエピローグはなくてもいいかな?
わたしとしてはラストの彼女のセリフでゾワッと終わりたかった。
演技が上手いから阿部サダヲなのか〜
でもイケメンって何回も出てくるし笑
顔だけなら安藤政信じゃない?
Posted by ブクログ
読みやすかった。今まで読んだ本の中で1番感想を書くのが難しいが、なんとも言えない読後感。ゾッとする感じがあった。途中までは真相がどうなのか?が気になり、話が進んでいく中で、知らなかった事実が出て来て驚き、終盤で真相が全てわかり解決…ですっきり終われない、どうにもならない気持ちになった。
Posted by ブクログ
連続殺人鬼からの1件の冤罪証明の依頼から始まる物語。
映画化されていたので俳優さんを思い浮かべながら呼んだけど、連続殺人鬼は阿部サダヲさんはあっていない気がする。
『あんぱん』のイメージでパン屋はハマっても美男でひっかかかるというか…。
金山一輝も岩田剛典さんでは無い気がするし、本の記述のビジュアルと違いすぎて想像しずらかった。
唯一岡田健史さんは雅也とイメージが合う。
本の表紙に雅也の母親もいるので何らかの関わりがあるんだろうなと想像はついていた。
冤罪の1件は雅也の母親の仕業で大和が庇っているとか雅也の父親は実は大和と考えていたが、人生に少し関わっていただけでそこまで重要ではなく、説明が難しいが単に大和が支配したいがための動きだったのが怖かった。
結局は金山兄弟を喧嘩させ傷つけたり、少年少女を殺し、冤罪と言っていた事件まで行っていて、昔から現在までで狙っていた人たちに手紙を送り言葉巧みに操るという知能の高いサイコパス殺人鬼だったという。
後半の雅也がややマインドコントロールされ、一人称が俺から僕に変わったり、人を殺したい欲や幼い子に対して欲が湧いてきているところがめちゃくちゃ怖かった。
捻りすぎずシンプルに大和がヤバいやつだったのが面白かった。
いつか映画も見て見たい。
怖いくらい惹き込まれた
シリアルキラーには何故か人を惹きつける魅力がある
その魅力を主人公が探求してゆく物語
善悪を問う物語出ないのが心地良かった
良い後味の悪さ
バッドエンドやホラー系が好きな私ですが、この本の終わり方には震えました。殺人犯と関わるうちに性格や行動が変わっていく主人公、最終的には素の生活に戻り、平凡ながら幸せな暮らしをしていくのかと思いきや、、
映画を先に観ていたのですが細かな違いがあり、どちらも楽しむことができました。
共鳴してしまう怖さ
映画が公開されていたので、気になって読んでみました。
共感できない主人公だったはずなのに、いつしか彼と同じ心情に陥っていたみたいです。
読み進めるスピードが上がり、辿り着いた事実に「えっ?!そうだったの…」大丈夫か自分と思わされました。
この物語は続いてしまうのか?とフィクションなのに心配になりました。
ホント、櫛木理宇さんにやられました。
Posted by ブクログ
連続殺人犯からインキャ大学生に手紙が届く。20人以上の10代後半男女を拷問して殺害してるが、9件の殺人で立件。だが9人目のOLは自分の犯行ではないから解明してほしいとのこと。
インキャが小学生の頃の近所のパン屋のお兄さん。調べていくと、殺人犯幼少期は虐待され、人権者の養子になっていて、その同じ養子に自分の母もいた。自分は実は彼の子供だと信じ調査する。
最終的に子供ではなく、人をコントロールするのが超絶上手い。与える情報をコントロールすると母親は性格上こういう情報を与えるから勘違いするなと。
またどんどん彼に似てくる。最後は付き合ってる女も彼からコントロールされていることも知らずに…というかんじ。
9人目も、昔のエサに選ばせて自分で殺した。
Posted by ブクログ
筧井雅也
Fラン大学にいやちや通う、ただのぼっち大学生。榛村からの封書が届く。
加納灯里
雅也とは、義務教育時代、三年間を同じクラスで過ごした女子。同じ大学に通っている。
榛村大和
四十二歳。一審で死刑を宣告され、現在服役中の未決囚。戦後最大級の連続殺人者。五年前に二十四件の殺人容疑により逮捕された。九件の立件で下は十六歳から二十三歳。地元では名の知れたベーカリー『ロシェル』の店主だった。九件目の二十三歳の女性が絞殺されたのは自分ではないと雅也に告げる。旧姓新井。榛村織子の養子になる。
根津かおる
二十三歳。九件目の被害者とされる。短大卒業後、自宅から電車でわずか一駅の『丸正商事』に就職。医療品や介護用品のリースを主とした会社でら経理事務を担当していた。
江崎
元教師。大和の小学校時代の担任。
死にぞこない誠一
大和の義父。女に寄生して、働きもせず、一日をパチスロの酒に費やす男。
新井実葉子
大和の実母。中学時代の渾名は『おさせ』、もしくは『ヤリマン』。薬の過剰摂取で死亡。
奈良岡
大和の元保護司。
榛村織子
大和を養子といて受け入れた。福祉と少年犯罪の専門家として、本を四冊上梓している。
佐村
弁護士。
筧井衿子
雅也の母。織子の養子の一人だった。
滝内
根津かおるが殺された夜、榛村の携帯電話にメールを送った男。
金山一輝
吉川一輝。被害者の一人。
木田
中年の教師。金山の小学時代のクラスメイト。
金山の父
木田が通っていた小学校で体育教師をしていた。
吉川大地
金山の二歳年下の弟。
相馬
金山と同じ会社に就職した。
Posted by ブクログ
彼そのものになりたい、という思考に共感しきれなかったのがいまいちハマらなかった原因かも
最後のオチもエピローグの返しを入れるための唐突さがあって驚きが少なくなった感はある
Posted by ブクログ
迷った。
★2はないか〜。
ギリ★3の下で。
鬱々とした暗い大学生活を送る主人公のもとに届いた一通の手紙。それは子供の頃に通っていたパン屋の青年からであり、と同時に彼は、何人もの十代少年少女を拉致監禁して拷問の末に惨殺した死刑囚でもあった。
設定は良いんだよな〜。
でも、おもしろがれなかった。
(・・?
文章かな〜?
そんなに変でもないし読みづらくもないんだけど魅力を感じない。
非常にグロい事件のオンパレードであるにもかかわらず、妙に平静な気持ちで読める。
過去の設定だからだろうか?
終盤に全ての種が明かされ、衝撃を受けるはずなんだが、そこも特に感情が動かずじまいだった。
凄い話ではあるのにな〜。
なんでだろう?
いっそのこと主人公が罠にハマって取り返しのつかないことを犯し慟哭する、みたいなラストでも。
いや、それでも……どうかな?
せっかくの好設定。
もっと狂気に触れてもいい。足首と言わず腰まで胸まで首まで浸かっても良い。
刑務所のアクリル板に隔てられて安全だと思っていたら既に、過去に、生まれる前から侵食されていたという事実。掌の上で踊らされるおぞましさ。
秀逸であるはずなのにその熱量を微塵も感じられなかったのが残念。
「チェインドッグ」というのを改題したらしい。
それは正解。
しかし「病」と名付けるなら、完全にブラックなエンディングにして、まるで感染して行くさまを、絶望を思わせる終わりでも良かった。
ま、不穏な終わり方ではあったけどそれでも妙に軽い。
大人になれない病
読み進むにつれ、榛村の語り口に魅了されます。
たった5分の面会なのに、ハートを鷲掴みにするその感じを、心地よさと判断するのか、違和感と判断するのか。難しい選択を強いられます。
根底にある児童虐待は、どう解決し、どうフォローすればいいのか。
どうか、子どもたちが愛情に包まれて成長できる世の中になりますようにと、祈らずにはいられません。