【感想・ネタバレ】クォンタムデビルサーガ アバタールチューナーIIIのレビュー

あらすじ

神に問う――太陽光を浴びると身体が結晶化し、やがて死に至る奇病・キュヴィエ症候群が猛威を振るう近未来の地球。共感能力を持つ精神技術者の穂村一幾は、亡き恋人・蛍の双子の兄である水無瀬眞に〈EGG〉なる研究施設へ呼び寄せられた。そこで彼を待っていたのは、〈神〉と交信するという黒髪の少女セラだった。一幾はその能力を使ってセラと〈神〉との対話を分析するよう依頼されるが……すべての発端を描く第3巻。

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壊れ行く世界の中で

一部ご紹介します。
・「おれはあの子に何かしてやりたいんだ。
連れて逃げ出すとかはたぶん無理だけど、ちょっと楽しい気分にさせてやるくらいならできるかな、って思って」
「あの子の気晴らしになってるってんなら、いくらだっておれ、踊ってやるよ。あの子の好きなだけ」
・「いま世界情勢はね、国家とか企業とか、政治的宗教的集団とかが、もう区別も何もつかないくらい入り組んでるの。
あなたたち市民が、ドームの下で太陽の光におびえてすくんでいるうちに、国家も企業も、信念も信仰もどんどん意味をなくしていってる。
もうそんなものを信じているのは、羊みたいな市民と、ガチガチの軍人くらいよ。
口ではどんなことを言おうとも、誰もがみんな、自分自身のことしか信じられなくなり始めている」
・「僕は僕に与えられた情況の中で必死に泳ごうとしているだけだ。
しがみつかれて溺れる奴は、単なる間抜けか、くだらないお人よしだけだ。
僕は間抜けでもお人よしでもない。必ず岸に這い上がって、溺れている奴らを笑ってやる。
望んでもいないのに、僕をこの汚い人生に突き落とした奴らを踏みにじってやる」
「僕を操ることは誰にも許さない。僕は僕だ。誰の思い通りにもならない。
僕を弄ぼうとする奴、僕をいいように扱おうとする奴、どいつもこいつも思い知らせてやる。
僕が誰かに操られるんじゃない。僕が、みんなを操ってやるんだ」
「僕には君が必要なんだ。〈テクノシャーマン〉さえいれば、僕たちは、奴らを見返してやれる。僕たちは新しい、もっといい世界を作れる。
〈テクノシャーマン〉とキュヴィエ症候群は、そのために〈神〉が下した運命だ」
・「なぜ、何も言わない。全てはお前から起こったことだ。すべては〈神〉とキュヴィエ症候群から起こったことだ。
答えろ、〈神〉よ、俺たちが、いったい何をした。こんなあつかいに値するような、何をしたというんだ」
「俺たちが蟻ならば、蟻にも生命があることを教えてやる。苦痛が、恐怖が、悲しみが、愛があることを教えてやる」


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2022年09月30日

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