あらすじ
2008年12月に社長兼任を発表し、注目を集めたスズキ会長による初の書き下ろし。数々の苦境を乗り越え、世界自動車不況に敢然と立ち向かう。徹底して現場にこだわる強いリーダーシップで、社長就任時に売上高3232億円だったスズキを3兆円企業にまで育て上げた。
小さなクルマづくり、インドやハンガリーでの現地生産、GMとの提携など、同社の躍進を支えてきたユニークなエピソードが満載。巻末には“オサム語録”を収録。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
さすが鈴木修!って思わせる一冊。
彼のことを全然知らなかったけど,スズキという小さな会社を30代以上の規模にしただけのことはある!
本田宗一郎とはまったく異なる経営方針で対比してみても面白いな。
活躍した年代が鈴木氏の方が僕の世代に近いので親近感があるな。
官僚に対して前向きなコメントが多いのが印象的。
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・外注先にコスト削減を強いるのはもってのほか、そんなことをしてはいかんのです。
それは生産が増えているときにすることです。いまみたいなときは、内なるコスト削減、
すなわち、おのれのマイナスをいかに減らすかに努力する。材料の質を落とすのではなく
材料そのものを変えたり、不良率を減らすといった工夫をしたりする。
・「会計の基本は2つのポケットだ」それは、「売り上げと儲け(利益)は違う」ということ
が分かっているからです。
・「1位と2位が本気で戦いはじめると、3位以下のメーカなんて木端微塵に吹きとばされる。
・「会社というのは、いろいろ手間がかかっても一からつくりあげたほうが、いい結果がでる。
・カネと時間がかかるものは大嫌い。会議はその最たるものだ。
・『率』は実態を覆い隠す。『個数』と『金額』で判断せよ。
・ものごとの延長線上で考えるのはダメだとは思っていました。しかし、与えられた環境のなか
で最善を尽くすことだけがすべてでした。
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自動車メーカのスズキの社長の鈴木さん。
言っていることも、書いていることも、それなりに納得できます。
大企業病にならないための工夫が必要であることがわかります。
親族で社長を引き継ぐことの問題と、ずっと社長をやり続けることの2つの問題の間で揺れているかもしれません。
これから10年のスズキをどうしたらいいか、うまくいくといいですね。
Posted by ブクログ
自動車会社のスズキの社長兼会長さんの著書です。経営方針から工場の生産ラインまで自ら足を運び一切の無駄を省かせる効率主義な考え方。出来ない言い訳を考えるなどうやったら出来るか考えろ等名言もいくつかあり私にとっては目から鱗でした。要は悩んでいる暇があったら手を動かせということでしょうか。実戦出来るかはともかく大変身に染みる内容でした。
Posted by ブクログ
80歳になったスズキ会長兼社長著。
後継者として期待していた娘婿の小野氏がガンで亡くなり、社長も健康不安で退き、
社長に返り咲く。
多くの語録が記されているが、
「重大事件が起こったら経営者が自ら現場に行って、自分で判断することが重要。」
プリウスのリコールの一年前のこの本にすでに書いてありました。
NAVIの最終号の一つ前の号で、
鈴木会長が取り上げられていたが、
塩見編集長の文章はこの書籍の中身がほとんど。読書感想文ですあれは。
「中小企業」
だというのは、
「取扱高」が5億であって、
それはそっくり部品メーカー(例:タイヤメーカー)に払う金額も含まれている。
自社で生み出している実質の「売上高」は中小企業並み(例:タイヤの取付費)だということから。
「トップダウンはコストダウン」
ボトムアップでは、調整に時間がかかり、金もかかってしまう。
この一言でGMワグナー会長も動かした。
さて、フォルクスワーゲンとの提携はどう発展するのか?
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スズキも色々と面白い。
しかし、人材を育ててワンマン脱却?と書いてあるが今もって会長社長兼務らしい。
修さんがいなくなってからがどうなるのか楽しみ。
Posted by ブクログ
スズキの社長による自伝的な一冊。日経の「私の履歴書」のような感じであっという間に読み終えました。軽自動車では圧倒的なシェアを誇り、現在もインドではトップシェアたる秘訣はなにかあるのか…と思ったのですが、書いてあることは、書いてあることは愚直なまでにまっすぐな経営の中身でした。もちろん、本人が書いているので多少割り引いて読む必要はあるでしょうし、年代的には細かい指示出しをするタイプではなさそうですが、いざというときの決断力、行動力、そして現場ベースというのが常にあったのでしょう。自動車業界のことは良くわかりませんが、現場に根ざすというスタイルはきっとどの業界でも共通するのだと思います
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[読んだ理由]==================
この超個性的な人の半生には、やはり興味がある。
[読んだ後の感想]==============
妥協しない、躊躇しない、奢らない、と言った著者の性格がわかるエピソードが、本人目線で紹介されていく。冷静に見ると古くて昭和な感じの考え方のはずなんだけど、読んでてもあまり古臭さを感じさせない。成功する原理原則はやっぱ時代によってコロコロ変わるもんじゃないんだな、と思った。本田宗一郎とかとは違って、著者は文系なので、技術的な読みが鋭いとかは無い。ニーズの見抜き方、人の心の動かし方、トップダウンの迅速な行動力の大切さ、とかの話が主。難しい話は殆ど無いのですぐ読める。
[読書録]======================
あるときはレジャーに、あるときは通勤に、またあるときは買い物に使える、あると便利な車。それがアルトです。
バランスシートを読めなくても、商業簿記を勉強しなくても、2つのポケットがあれば用は足りる。例えば今日仕入れてきたものが10万円なら、売上が10万円になるまでは「右のポケット」だけにお金を入れてしまっておく。売上が10万円を超えたら始めて、超えた文のお金を「左のポケット」に入れるようにする。
ウチのような企業は「ゆっくりと10年単位で元が取れればいい」といった悠長な事は言っていられません。工場も機械も、あるいは新車を作るとkの金型も全て3年くらいで投資を回収できるという判断がなければ、そもそも投資しません。逆に「3年償却の原則」があるから、見通しの曖昧な投資はしないという規律も働いているのでしょう。
自動車の部品点数は2万点。1部品辺り1円50銭のコストダウンが出来れば利益は倍増する。一つ一つのコストダウンの幅は小さくても、それが積み上がれば大きな収益力の格差が生まれる。これが自動車産業の現実。
「ボトムアップはコストアップ。トップダウンはコストダウン」
インドは意外にナショナリズムが強くない。どこの国の車でも、お買い得なら、こだわりなく購入する傾向がある。
日本人がインド人にかなわないことの筆頭は、語学の習得能力。インド人は英語やヒンドゥー語などの多言語が入り乱れる環境で育っているので、外国語の習得を苦にしない。
「スズキにもセダンがある。セダンもあるけどワゴンもある。だからワゴンあーる」
スズキの売上高3兆円は実は「取扱高」であって、実際に生み出した付加価値は、ガラスやタイヤ、バッテリーなどの完全部品を除いた3000億~5000億円程度なのです。であれば、決して大企業とはいえないのではないでしょうか。
たとえ小さな規模でも、強い個性や特色を備えた商品で、極めて高い市場シェアを持つ企業こそが大企業であるといえると思います。
「私の年齢は7掛けで見て頂きたい」今の平均寿命は70歳超。ならば年齢も7掛けで考えるべきではないか。70歳といっても7掛けすれば49歳。
「できない理由を聞く暇はない。どうすればできるかを言ってくれ」まずは自分で、どうしたら良いのか、どうすればできるのかを考えて欲しい。ヤル気が重要だ。
「小・少・軽・短・美」製品や部品はもちろん設備まですべてを含め、如何に小さく、少なく、軽く、短く、美しくするかが、コスト削減と、出来上がったクルマの燃費向上となる。
「率」は実態を覆い隠す。「個数」と「金額」で判断せよ。
Posted by ブクログ
売上で3兆円を超える企業になっても中小企業と言い続け、決しておごらず粉骨砕身し続ける。
そこには「人間には動物の血が流れている。自分を戒める必要がある」と会長になっても電車通勤を続けた伊藤忠の丹羽元会長の姿が重なります。
とにかくどんな国でも良いから1番になりたかった。従業員に誇りを持たせるために。
インドで車の製造など無理だと言われながらもそれを貫いた信念。
フェイスホールディングスの小倉社長の言葉を借りれば「信念はどんな理論よりも強い」
リーダーシップとか帝王学とかMBAそんな事も必要なのだとは思いますが、結局最後に必要なのは信念がどれだけ強いかではないでしょうか。
80歳を超えてトップを続ける事には賛否両論があるでしょうが「有給休暇は死んでから嫌というほどとれる」という社長の目にかなうの人材ではなかなか現れないかもしれません。
それにしても、
「あると便利なクルマ、それが『アルト』です」
「セダンもあるけど、ワゴンもあーるの『ワゴンR』」
というセンスはウチの会社の親父ギャグ並みです。
そのギャップがまた面白い。
Posted by ブクログ
○豊川工場の目標は、1961年に800台つくることでした。この年の除夜の鐘はこの工場で聞きました。計画を10%上回るように880台をなんとか作り終えて、工場の連中と酒盛りをしたのです。(83p)
○メッジェシさんが大臣をしていたハンガリーの大蔵省に勝手に運び込み、マフラーから、鉄板を打ち抜いたボディー部品までをずらりと赤じゅうたんに並べました。並んだ部品のうち、日本から持ち込んでいる部品には赤い丸をつけ、残りは「すべてハンガリー製ですよ」とアピールしたのです。(167p)
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筆者は、スズキ自動車の会長(兼)社長。1930年生まれというから、今年80歳になる高齢の現役経営者だ。スズキは筆者が経営者になってから飛躍した会社であり、本書は、筆者の自伝であると同時に、スズキという会社の歴史を示したものでもある。スズキは売上高が3兆円を超えている企業であり、規模を見れば、とても「中小企業」とは言えないが、筆者から見れば、まだまだ内実の伴わない中小企業的な会社ということなのだろう。筆者の経営者としての力量は結果が示している通り、申し分のないものだろう。ただ、良きにつけ、悪しきにつけ、突出した経営者がワンマンで引っ張ってきた会社で80歳になっても、ご本人が会長と社長を兼ねて経営しているところに、会社としての若干の危うさは感じる。題名から考えられる、説教風・自慢話風な本ではなく、面白い内容の本だった。
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ものすごいパワーを持った人です。パワーを使っているから運も回ってきているような人です。読んでいるだけで、パワーを貰える本ではないかと思います。
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鈴木修氏は、現在もスズキ自動車会長兼社長です。
年間売上3兆円の大企業で社長職を務める人が「中小企業のおやじ」はないだろう。
そう思って読みはじめたのに、読みながら「あ、なるほどね、だから中小企業のおやじなんだ」
妙に納得させられてしまいます。
スズキ自動車が得意とするのは、小回りの利く軽自動車や小型車。
主力商品は、トヨタ日産が手を出さないスキマ商品的な低価格低利益のクルマです。
鈴木社長は、扱う商品と同じように、小回りが利き、決断がスピーディーです。
持論は、「ボトムアップはコストアップ。トップダウンはコストダウン」。
下からの積み上げで物事を決めようとすると、時間とコストがかかるばかり。
トップが決断することが、コスト削減の決め手になる。
大企業のシステムの効率化にはマニュアル遵守が欠かせません。
鈴木氏は、マニュアル化によってむしろ効率が悪くなると考えます。
確かに、「マニュアル化」は、「考えながら」働くことを不要にします。
自分で考えて行動できない最低レベルのスタッフのスキルに合わせて作られたのが「マニュアル化」の発想なのかもしれません。
こんなエピソードがあります。
鈴木社長は、年に一回、自ら国内外の工場を視察する「工場監査」を行っています。
そこで、スペースの無駄、必要ない照明や設備の無駄、作業効率などをチェックし、改善指示を出します。
工場には水や空調、電気の配管が張り巡らされているのですが、ある工場で、それぞれの配管にペンキで色を塗り分けているのを発見しました。
「誰がこんなことをやれと言ったのだ」と聞くと、「SОSに書いてあります」
SОSとは、「スズキ・オペレーション・スタンダード」という社内規定で、そこには、パイプを色分けするように指示してあるそうです。
パイプの色分けなら所々にカラーテープを巻いておけばよい。
SОSは、国が決めた規則でもなんでもない。
自分たちが決めた規定に不都合があるなら、自分たちで直せばよい。
「なにやってんだ、おまえらは!」
怒り方も、中小企業のおやじっぽい。
でも、社員にとっては、怒られることによってトップの顔が見えます。
トップの発想を、身をもって体験することができます。
マニュアルではそうはいきません。
トラブルの原因がマニュアルではなく、自分に責任があることを、ともすれば忘れさせ、一人一人の判断を鈍らせるという弊害を持つものでもあるでしょう。
マニュアル化ではなく、トップの意志を浸透させることで、会社全体を動かしていく。
つまり、中小企業のおやじのやり方なんですね。
Posted by ブクログ
経営者たるもの、その判断力、スピード感、フットワークの軽さが重要であることを改めて認識。このおっさんまだまだ元気です。
トップダウンは、スピードがあり、コストもかからない。ボトムアップはその対極。しかしこのままで組織(スズキ)が永続出来るのか?。
その他
経営者と社員の認識あわせ、目標設定がシンプルで上手。
・1部品あたりの原価削減目標設定
・「売上高」でなく「取扱高」
参考になりました。
Posted by ブクログ
見てくれは確かに中小企業の技術屋オヤジだが、経歴は大卒のバンカー。でてくる話も技術的ではなく、経営理念的な部分が多い。ジムニー開発秘話なんかは読み応えがあるが、それ以外は可もなく不可もなく。ただ鈴木修の人となりを知りたいなら読むべき本。
Posted by ブクログ
日本では軽自動車が運転しやすいと、特に最近はそう思います。私自身は、これまでは結構大きめの車でしたが。鈴木修「俺は、中小企業のおやじ」、2009.2発行。「アルト」、息が長いですね! あるときはレジャーに、あるときは通勤に、またある時は買い物に。あると便利なクルマ、それがアルトです」(^-^)。 1979年5月、47万円の価格で登場。でも、小型車もいいけど、歩くのが一番ですね(^-^)
Posted by ブクログ
[全体]
・鈴木修氏とスズキ自動車の成り立ちや成功話
・アルトの成功話
・インドでの成功話
・北米への進出とGEとの関わり
・大企業といえなくないスズキがまだまだ中小企業であると本人は感じている
[感想]
単なる氏の成功秘話等的な側面もあるが、ビジネス生活に通じる言葉や話題なども多く面白かった。
自分が一番印象に残った言葉は
「出来ない理由を探している時間があったら。できる理由を探せ」
です。
若いころから現場主義で現場を見て回り社長や会長となってもその姿勢を貫き通しスズキを牽引した功績は大きいと思いました。
現場主義からくる試してみるという精神も自分は好きです。
Posted by ブクログ
修社長の徹底した現場主義に、企画部門で働く自分としては、目からウロコの思いだった。
やはり、企画部門や経営者は、現場を自分の目で見ないといけない。
あとは、奇をてらったことをしたり、考えたりする方ではないが、愚直さ、熱心さ、フットワークの良さが成功の秘訣なのだと感じた。
Posted by ブクログ
昨年サブプライムショック後の大変な時期に社長へ復帰したというニュースがありましたが、スズキ自動車の社長、会長を長らくされていた鈴木氏の記された本です。
後継者と思っていた人に先立たれる等、偉大な経営者を他の人に託すのに苦労しているようです。創業者の家に婿入りして苦労してスズキ自動車を大企業にした苦労がこの本に凝縮されています。
この本は2009年2月出版であり、原稿執筆は2008年後半であることを考えると、世界経済の大激変の状況を考えると大変な時期にこの本の準備をされていたのだろうと予想されました。
売上高3兆円といっても付加価値は3000~5000億円に過ぎない(p231)という考え方も一理あると思いました。
以下は気になったポイントです。
・1975年の排ガス規制時に新型エンジンの開発に失敗したときに助けてくれたのがトヨタ自動車であった(p6)
・減産時に外注先にコスト削減を強いるのはもってのほか、それは生産が増えているときにやるべき(p10)
・消費税導入前にあった物品税は15~30%で乗用車の部品はそれに該当していたが、業務用必要とされる商用車の物品税はゼロであったので、アルトは50万円を切る値段設定が可能であった(p26)
・スズキは生産設備を平均3年で償却している、法定償却期間が10年であっても3年、国が定めた償却期間は8時間労働が前提、2交代1日16時間、残業休日での稼動を考えると妥当(p46)
・OEM供給として日本ではマツダ、日産へ、海外ハンガリー工場からは、フィアット、オペルへ供給している(p62)
・業界の1位と2位が本気で戦い始めると、3位以下のメーカは吹き飛ばされる、二輪車でホンダとヤマハが1981年から始めた競争で得た教訓である(p66)
・売上高3兆円、利益900億円のビジネスであっても、生産台数300万台、部品点数2万点を考えると、1部品当たりの利益はわずか1.5円(3万円÷2万点)である(p99)
・1963年当時アメリカでタイピストを雇ったところ、月給400ドル(1ドル=360円として14万円)、当時の大卒の初任給(2.5万円)であった(p124)
・GMとの提携において、1998年5月に転機を迎え、9月にはGM出資比率が10%、2000年には20%となった、2006年にGMが経営が厳しくなったので17%買取、2008年に残りも買い取ることで資本関係は解消したが、業務提携は続けている(p161)
・インド人は経済観念が発達していて、お金ができたからといってブランド車にのりたいという人が中国、ロシアと比較して少ない(p179)
・インドの法律では出資比率が25%を超えていると、株主総会で拒否権を行使できる、日本では33%超(p189)
・マルチ800の現地価格は日本円で50万円、日本で償却が終わった金型などの生産設備を持ち込んだため、コストが抑えられて低価格でも採算がとれている(p200)
・2002年にマルチを子会社化して、2007年に「マルチ・スズキ・インディア」に改めた、インド政府が持っていた株式は売却されて完全な民間企業になった(p206)
・インド発展に貢献した外国人3名の中に、鈴木氏が選ばれた、他の二人はガンジー元首相の夫人(ソニア・ガンジー)と、マザーテレサである(p208)
・話題になった低価格車(ナノ)は、10万ルピー(27万円)、ナノの競争相手は2輪車や3輪車である(p209)
・スズキの売上は3兆円であるが、これは取り扱い高であり、実際に生み出した付加価値は完全部品を除いた3000~5000億円程度である(p231)
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決しておごらず、いつまでも中小企業がごとく、1番を取ることにこだわる。生き残りをかけ、巨大な企業に勝つための筆者の経営観が述べられている。豪腕経営者のイメージを持っていたが、記載された文章は暖かく優しい。文章中に散りばめられた、浜松(筆者の出身地は下呂)の仲間とのやり取りがそう感じさせたのでは。
Posted by ブクログ
スズキ自動車の会長である鈴木修氏の経営に関する自叙伝的内容。
軽自動車という市場でのプレゼンス、インド市場での圧倒的シェア。
現在の成功について、自身のポリシーや考え方を回顧して述べられている。
読むと分かるのが、名物経営者ではあるが、決して奇人ではないこと。
とっている方針は至ってシンプル。
しかし、強いリーダーシップを発揮して、会社を引っ張ってきた様子が窺える。
また、改めて感じる人間関係の重要さ。
困った時に助けてくれる人をどれだけ持てるかも重要となってくる。
自身初の著書とのことであるが、読みやすく、分かりやすい内容だった。
全て自身の経験に基づいているからであろう。
Posted by ブクログ
スズキに対して好印象は持つが、ひとつひとつの出来事に対してはあまり深く掘り下げて語られていない。ただ、比較的早い段階からハンガリーだとかインドだとかの海外に進出していた話は興味深い。
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「アルトが有ると」とのキャッチフレーズで爆発的に業績を上げた、鈴木社長の本です。
人生っていい時ばかりじゃないですよね。そんな不遇時代もこの著書には書かれていて、非常に面白く、勉強になった一冊です。
Posted by ブクログ
スズキといえば、自動車メーカーとしては小規模ながら、GMと組んだり、今はVWと組んだりと、したたかな経営を行ってきた。
その成長をひっぱってきた会長兼社長の自伝。
1グラム、1円単位のコスト意識、誰もが手をつけなかったハンガリーやインドでの成功、GMとの交渉、アルト、ワゴンR、ジムニーなどのヒット作の誕生秘話、後継者問題、などが書かれている。
製造業のコスト意識は、他の業界を圧倒しているし、スズキもそのトップクラスにあるのだと思う。
"小少軽短美"というポリシーは学ぶべきものがある。
Posted by ブクログ
最近話題のスズキの鈴木会長の本。
やさしい語り口でおもしろく読めました。
鈴木さんの反骨精神というか、ガッツが伝わってきて
面白かったです。
最後に収録されている「オサム語録」がかなりおもしろい!
コスト削減や効率化、金額に換算して考える視点、
また、トヨタやホンダに中小企業がどのように伍していくかといった
ポイントは個人的にツボでした。
経営者の本は好きでよく読むのですが、
経営者本としてどうか、、といわれれば、
強烈なインパクトは少し少なめでした。。。。
「私の履歴書」みたいな感じで、個人的には、
もう少し経営哲学にフォーカスした内容が読みたかったです。
(はっせー)
読みました。はっせーさんの仰るとおり、インパクトは薄いような。
最後に、すべては「ツキと、出会いと、運」と自ら言い切っていらっしゃいますが、
この方のその運を逃さないパワフルさの源泉は何なのか。
スズキという会社の成長、というにしては何か物足りない読後感です。
それから、良くも悪くもこの方、とても「おやじ」なんだなあ、というのをひしひしと感じました。
特に女性に関して。女性社員を「女の子」と呼んで憚らない感じとか、「娘には三国一の花婿を」とか。
鈴木さんの年齢を考えると、世の中価値観は変化してきているんだなーと思いました。
完全に余談ですが、「無手勝流」という日本語を理解。(ずっと「無勝手流」だと勘違いしてました。。)
(さわ)
・順風満帆のときではなく、あえて苦境の折りに執筆するあたりが著者らしい。
・ポケット2つでみる。儲けた分だけ投資。
(千)