【感想・ネタバレ】生物から見た世界のレビュー

あらすじ

甲虫の羽音とチョウの舞う、花咲く野原へ出かけよう。生物たちが独自の知覚と行動でつくりだす〈環世界〉の多様さ。この本は動物の感覚から知覚へ、行動への作用を探り、生き物の世界像を知る旅にいざなう。行動は刺激への物理反応ではなく、環世界あってのものだと唱えた最初の人ユクスキュルの、今なお新鮮な科学の古典。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ありがとう。良いものを読みました。
私の語彙と読解力でざっくり内容を書き記すと、こうです。

「動物は全て反射と本能で行動しており、機械と同じ」という思想に対する、反証。
動物のみならず、単細胞生物も含んだ、生物は主体であり、物事を知覚し行動していることの解説。

動物は機械じゃないんですよ

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2025年12月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

現代において思想的に新しいところはないんだけど、どちらかというとこの本によって僕らの常識が変えられた、という言い方の方が正しいんだろうな。

本書が厳しく批判する「動物機械論」はデカルトに端を発していると思うけど、今からすれば人間原理がすぎるよなぁ。動物をひとつの機構としてしまうなら、人間だって機械として見なせてしまうわけで(だから"魂"という発明が必要だったんだけど)。

ユクスキュルの引いた高等生物のラインは、刺激などに対して中枢部からの指図(フィードバック)があるかどうかなのかな。「犬が歩くときは、この動物が足を動かすが、ウニが歩くときは、その足がこの動物を動かす」とは分かりやすい比喩だ。
しかし現代において、中枢管理されたAIなんかはこの括りなんかだと高等生物になってしまうんじゃないだろうか?

あとサラッと「いまや生きた主体なしに時間はありえないと言わねばならないだろう」とか言えちゃうの先見の明がありすぎだな…。徹頭徹尾、あるがままの世界など私達には分からないという態度。ここらへんは僕もカントの勉強をしなきゃと思った一冊でした。

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2024年05月12日

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