あらすじ
アパレル業界がかつてない不振にあえいでいる。オンワードホールディングス、ワールド、TSIホールディングス、三陽商会という業界を代表する大手アパレル4社の売上高は激減。
店舗の閉鎖やブランドの撤退も相次いでいる。またアパレル業界と歩みをともにしてきた百貨店業界も、地方や郊外を中心に店舗閉鎖が続き、「洋服が売れない」事態は深刻さを増している。
なぜ突如、業界は不振に見舞われたのか。経済誌「日経ビジネス」の記者が、アパレル産業を構成するサプライチェーンのすべてをくまなく取材した。
ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は、「もう、"散弾銃商法"は通用しない」と業界不振に警鐘を鳴らす。
大手百貨店首脳は「我々はゆでガエルだった」と自戒。業界を代表する企業の経営者から、アパレル各社の不良在庫を買い取る在庫処分業者や売り場に立つ販売員まで、幅広い関係者への取材を通して、不振の原因を探った。
また本書では、業界の将来を担うであろう新興企業の取り組みについても取材した。ITなどを武器に、業界の「外」から勢力図を変えようとするオンラインSPA(製造小売業)や、業界の「中」から既存のルールを変えようと挑戦するセレクトショップなど、国内外の新興プレーヤーの取り組みを紹介する。この1冊を読めば、アパレル産業の「今」と「未来」が鮮明に見えるはずだ。
【登場する企業】
オンワードホールディングス/ワールド/TSIホールディングス/三陽商会/ファーストリテイリング/ストライプインターナショナル/GAP/H&M/三越伊勢丹ホールディングス/大丸松坂屋百貨店/高島屋/そごう・西武 など
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
大手百貨店の閉店のニュースを見ても、ああ不景気もあって高い服は売れなくなってきてるんだなあ、と思うくらいだったけど、この本で、アパレル業界の根深い構造上の問題があるのだと、その歴史も含めて知ることができ、面白かった。
最近買い物に行っても同じようなオーバーサイズやロング丈の服ばかりで、ブランドの違いも感じにくく、結局スタンダードに少し流行も意識した服の買えるユニクロなどのファーストリテイリング系のショップに行くことが多いのも、この本を読んで納得。
各ブランドが限られたOEMメーカーにデザインを依頼して中国などで安い人件費で大量生産、大量の在庫を抱える依存状態は、下請けに丸投げが常態化している多業界にも共通しそう。自社で一気通貫のSPA(製造小売業)の形態がファーストリテイリングなどの生き残ってる会社の戦略のようだけど、ZOZOTOWNのスタートトゥデイは自社ブランドは不調でその部分はうまく行っていないから、いろんな可能性がありそう。デザインなど洋服のプロではないテクノロジーの企業が洋服を売るのには限界があるのかも。
カスタマイズがこれからの時代に価値が出てきそうだが、ファッションにおけるそうしたオーダメードサービスやハンドメイド売買のプラットフォームの話にも触れてておもしろかった。個人的にはパーソナルスタイリストのサービスの可能性にも触れて欲しかった。
タイトルの重さの割に、問題点のみ指摘するのではなく、既存のアパレル企業の未来への展望や可能性を示す構成になっているのも良かった。
ひとつひとつの事例は知っていることもあったのに、一冊の本でその事例が生まれた背景や、今後の展望などをしっかりと深く関連づけており、著者の考えも交えながら、体系的に知り、自分も時には批判的に考えを深める時間が作れるが、他のメディアと違う読書の醍醐味だなあ、と改めて感じた。
趣味であるファッションを、もっと多角的、俯瞰的な視点から捉えて楽しめる一冊だった。
Posted by ブクログ
めっちゃおもしろかった。百貨店や実店舗からZOZO愛用者になっていて、なんとなく感じていたアパレル、百貨店の洋服販売の窮地。そうなるまでの社会の変換、製造・企画・販売の工程をふまえて知ることができた。
業界は違えども自分の会社はどうか?と考えてしまう。過去の慣習にとらわれて、「無自覚の自殺」をしていないか。既存の大企業の悪習と不合理、それに対峙する新規企業の考え方、やり方は違う業界でも参考になりそう。
Posted by ブクログ
アパレル業界で働いたことはないけど、面白く読めた。団塊ジュニア世代には、80年代のDCブランドブームの話が懐かしかった。90年代には、バッタ屋で服買ってたなぁ。バブルがはじけてから成人してるし、底辺フリーター時代が長いから、高いブランド物とかには縁がない。百貨店では化粧品かデパ地下グルメしか買わんなぁ。ローリーズファームが好きなので、アダストリアが好調なのは嬉しい。読み進めたら、STUDIOUS と UNITED TOKYO の服が欲しくなって、ZOZOTOWN で検索した。
Posted by ブクログ
日経ビジネスの記事「買いたい服がない」を読んだ。当時、私自身がそう思っていたので、タイトルだけでツボにはまった。それに大幅な加筆・修正をしたというこの本は興味ありありで手に取った。
大きく分けて内容は老舗アパレルの衰退、SPA、通販が主力の新興勢力、そして海外を見ている企業とそれ以外の企業の動向といったところでしょうか。
アパレル不振が叫ばれて長いけれども、読後は、業界自体が不振なわけではないと思うようになった。著者も、最初は誰がアパレルを殺すのか?という視点で見ていたのが、取材をしていくうちに死にそうなのは旧態を脱することができない会社だけという結論になったのではないだろうか。業界が不振と言われるのは、それらの会社の声が大きいからでしょう。
個人的には、ミナペルホネンについて取材されていたのも良かった。注目ブランドだったのと、そういう背景があるとは知らなかったので。
1つだけ難を言うと、製造現場への取材が少なすぎる。ただ、そこに足を突っ込むと1冊では終わらなくなってしまうので、この本はこれで良しかな。
Posted by ブクログ
戦略立案のヒントを他業界から、学ぶたいという人に是非読んでほしい。
いま、アパレル業界で起きている変化は、全ての業界で起こりうることが濃縮されている。
グローバルのメガプレイヤーの存在。テクノロジーを活用した新しい購入、利用体験の提供。スタートアップによる、これまでの業界慣行を壊すビジネスモデルの浸透。それに対して、後手後手の既存勢力。
アパレル業界のそれぞれの立場で、戦略を考えてみることで、自分自身のヒントをたくさんのヒントをもらえると思う。
業界の問題点を鋭く突いてます。
著書にも名前が出てくる老舗アパレル企業で働く者です。
非常に読み応えがある内容で即決で購入しました。
顧客のニーズを無視し自分達の都合を優先し原価を抑えた商品を過剰生産し過剰供給をするアパレル業界の伝統的な悪習、
社員を平気で使い捨てにしたり、パワハラ等が蔓延し、経営自体もトレンドに流れやすい等多くのアパレル企業の問題点、
これらのアパレル業界が抱える問題点とその凋落を鋭く突いています。
また後半では、徹底的に無駄を省き低価格でクオリティの高い製品を提供するアメリカ企業のエバーレーンの紹介や、ユナイテッドトウキョウのような現状の仕組みの逆を行き勢いに乗っている企業、衣服のレンタル等の新興勢力についても紹介されています。
個人的にはエバーレーンを紹介するなら日本で同じようなことをやっているファクトリエのことも取り上げて欲しかったです。
アパレル業界を志す人(特に学歴があり、出世を目指す人)は必読の書だと思います。
目先の企業規模の大きさや創業年数等で企業を選ぶと後で後悔する可能性があります。
Posted by ブクログ
最近自分の着る服を作るようになりお店で売ってる服に魅力をあまり感じなくなったところにパッと目に止まった本。
仕事していた頃セオリーやプラステが好きでよく買っていたけどユニクロ傘下だったこと知らず驚き。日本アパレルの歴史の話はわかりやすく良かった。あと、ユナイテッドトウキョウをチェックしてみたい。2023.11月
Posted by ブクログ
タイトルが衝撃的だが、内容も衝撃的だった。
そもそも私生活でもアパレルには特に興味がなく、興味本位で手に取ったが思った以上に勉強になった。
とにかくIT化はどの業界にも多大な影響を与えたのだなと。一番肌に触れる服ですら、肌に触れずに買う時代。まあ口にする食品もそうなのだから、リアル店舗の優位性が活かせなければ当然縮小していく。
アパレル業界は、タイトルでは既に殺されたように感じられるが、実際にはそうではなく、IT化により不必要な商習慣が排除され、顧客が本当に必要な物が作られ、新しい局面を迎えている。
Posted by ブクログ
2021年17冊目。満足度★★★★☆ 2017年出版で話題になった本。アパレル業界の内外のたくさんの企業が登場。これを読むと、業界にかかわらず「人真似」ではなく「独自性」「こだわり」「差別化」などの重要性を改めて感じた。
Posted by ブクログ
とても分かりやすく書いてあり、理解しやすかった。
顧客に寄り添った接客力やトレンドのデザインの追求も大切だけど、洋服やファッションに対する価値観が変わってきている時代の流れに合わせて、商品の質、価格の設定、ビジネスモデルは顧客に支持されてるか、そこを改めて考えなければいけない。
他業界の常識も、アパレル業界で根付いてないことが多いなら、いますぐ他から学んで行動に移していけば、生き残りにつなげられるチャンス。それを逃せば先はない。
2017年の本でその後アパレル企業のZOZO離れも進んでおり、コロナウイルスの影響もあり、業界の状況は変化しているので、読後に情報のアップデートは必要。
引き続き勉強。
Posted by ブクログ
アパレル業界の不振の原因を探った取材をまとめた本です。
名著「イノベーションのジレンマ」や「失敗の本質」とよく似ています。
過去の成功体験に縛られている、目先の売り上げだけみて業界全体の長期的成長を誰も考えていない、ゲームチェンジに気づかない、などを実際の取材やインタビューから明らかにしてます。
本書の最後は、今はこれまでの悪しき習慣を一掃する絶好のチャンスとまとめています。
本書から得られた3つの教訓は、自分自信にもよく当てはめて考えるべきだと思いました。
Posted by ブクログ
馴染みのブランド事例を多用し、分かりやすい切り口で伝えてくれている。
取材力が素晴らしい
今度のライフスタイルを読む上で、大切な一冊
Posted by ブクログ
面白いと思います。
服が好きな方やアパレル業界に興味がある方はぜひ読んでいただきたいと思います。
ただ衝撃的なことが書かれているわけではなく既にみんなが感じていることを整理して描かれている感じです。
アパレル業界の構造問題について書かれています。
ただこれは、全くユーザの方を向いていないと言う点でアパレル業界だけに限ったことではなくすでに完敗した家電業界などにも同じようなことが言えると思います。他の業界でも。
Posted by ブクログ
アパレル業界の不振、消費者はもうだまされない。
すごい割引率の服は誰が定価で買うのだろうか。
真夏に秋物が並んで、売れるのだろうか・・・
ファストファッションはどういう需要にこたえて人気が出たのか。
いくつか思っていた疑問も出てきて、いち消費者として勉強になった。
インタビューを実施した相手の面々もすごい。
今後日本製の回帰に期待する。
既製品や洋服の種類が減っていく傾向になるとしたら、少し難しく、つまらなくなる方向になる気もするが、きっとそれにも素晴らしい答えのビジネスが出てくるだろう。
Posted by ブクログ
古い日本の企業体質が未だに永らえていると思うとゾゾっとする。でも新しい風に期待。武者震いにゾゾっとした。
ロスについて重要な知見を得た。やはりロスは無駄だし高くつく。そうやってロスの部分のコストも値段に計上しているから服の値段は高い。ロスを減らす努力をしない企業は消費者に誠意を見せていない。これ大事だなー。これを解決するのがITなんだなぁ。
ロスカット、これが先進国の投資フロンティアになるかな。
ただリストラするじゃない。本当に不要なものをテクノロジーで合理的に削減していく世の中に。
ロスが多いと言えば食品だよなぁ。まぁそうするにはホクトのキノコみたいな工場野菜とかになるが、食品製造はロス管理できるよなぁ。でも食品は単価が安いからだめか…なんだろ?
そういうところに投資したいなー。
Posted by ブクログ
日本のアパレル業界がなぜこんなにも衰退してしまったのか、その真因に切り込んでいます。
本書の題材こそアパレルですが、内包する問題の多くは多かれ少なかれ他の産業にも共通していると言えます。
何より一番の問題は、「衰退に向かっているのにそれに気付かない」あるいは「気付いているけど見て見ぬふりをしている」ことではないでしょうか。
ただ、後半部分でIT等の活用により活路を見出しているアパレル企業の事例紹介があるように、新しい風が吹きつつあることもまた事実です。現状を正しく認識し、その上で将来に向けてやるべきことを考えることの重要さに気付かせてくれます。
Posted by ブクログ
物が安く買えるのは消費者にとって有り難いことだが、何にでも適正な価格、適正な量というものはあるはずである。
企業の努力も必要であろうけれど、消費者も安いから買うどんどん買ってどんどん捨てるというのではなく、考えて選択していかないと、先々自らの首を締めることになるのを避けられない。
Posted by ブクログ
アパレル業界の栄枯盛衰が分かります。
外部環境の変化に対応できた企業、できなかった企業がわかります。
どのように外部環境が変化したか、対応できた企業はどのように対応したのか、できなかった企業はなぜできなかったのか、分析されています。
おもしろかったです。
Posted by ブクログ
自らの利益と論理を優先し、消費者や事業パートーナーをその下に置く企業が、いかに衰退していくことになるかを知ることができるドキュメント。ちきりんさんの言っていた「変わらないと替えられる」を示した好例。
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・素材の価格が下がれば商品価格を下げるのも当然です。にもかかわらず、既存のアパレル企業は、素材の価格が下がってもそれを商品価格に反映せず、利益としていたのが常でした。私たちは、そのやり方は消費者に対して、誠実ではないと感じています。(p.134)
Posted by ブクログ
2019.10.20 アパレルの行けてない現状がよくわかる。ビジネスモデルやサプライチェーンからのアプローチで、顧客からのアプローチがあると持って深みが出るのではないか?現状が良く理解できた。
Posted by ブクログ
2017年の本なのでいろいろ変わっている部分もあるが、TOKYO BASE、スタートトゥデイあたりがヒーロー扱い。エバーレーン、メルカリ、桃太郎ジーンズ、hotel koe tokyo、ミナペルホネンあたりも成功例として。
Posted by ブクログ
●アパレル企業がいかなる原因で衰退したかを探り、アパレル企業のこれからをまとめた本。消費者のニーズを考えない大量生産方式により衰退をたどり、インターネットを駆使した後発企業が業界全体の盛り返しを図る。
Posted by ブクログ
全体としてまとまりがない印象。
凄い人に数多くインタビューしているので個々としては満足したけど、アパレルのどこが悪いかは変われない企業が悪いと一般論に終始していた気が。
ミナペルホネンとかジャパンブルーとか、頑張っている企業について知れたのは嬉しい。今度お店に行ってみよっと。
Posted by ブクログ
世の中に溢れている服、服、服、、、
こんなにたくさんの洋服が街に並んでいるというのに
いざ買おうと思うと、
欲しいと思う服が一つも見つからないのはなぜなのか。。。
その理由がこの本を読んで少しわかった気がしました。
『こんな服がなぜそんなに高いの?』
『こんな安い価格で売って、どうして利益が出るの?』
と、いつも感じていたことの答えもあります。
ふだん身近に目にするブランドの話がたくさん出てくるので
洋服好きには興味深くて勉強になる一冊だと思います。
Posted by ブクログ
「この3点、違うブランド名のタグが付いているけど、それ以外はどれも全く同じじゃないか」大手アパレルメーカーの取締役会での一幕。
ここ何年か、洋服を買いに行って思うことだ。アパレル企業がいつしか、商品企画やコンセプトまで外部に丸投げするようになったからではないかと、著者は言う。
それは大手アパレル企業がモノ作りの精神を捨てて、大量生産、大量供給を追い求めた結果だとも。
読んでいると結局、ZOZOタウンの一人勝ちか?とも思えてくる。
一方でミナペルホネンでは、売上げ目標ではなく、これ以上は伸ばすべきではなきという数字が存在する。生産キャパシティを超えてしまうから。
この様な企業が多くの人々に理解してもらえないと、アパレルは本当に死んでしまう。
Posted by ブクログ
アパレル業界の構造的問題が分かりやすく記載されている。
本文中で、「問題」と定義されているいわゆるアパレル企業的なやり方で通用していた時代もあるので、マーケットが変わったことに変化できていないことが結局一番問題なのであろう。
ただし、規模が小さい企業や新たな取り組みを始めたばかりの企業のことを賞賛するのもやや違和感を感じる。
業界自体はまだ可能性がある、というような書きぶりだが、これだけマーケットが減少している事実があるのに、なぜそのような視点になってしまうのかだけは理解できなかった。
Posted by ブクログ
個人的にファッションに目覚めた70年代の初頭から90年代終盤までがアパレルが生きてこれた時代だったのだな、というのが実感。
それを時代背景や産業構造や業界慣習などから俯瞰した本。
自分的にはユニクロのブラックさはアパレル業界では普通なんだな、と認識できたこと。
もう今更着るモノなんかどーでもイイじゃん、と言う年齢なんだけど、世の中も不景気だと着るモノどころじゃないというか、昔に比べて、「そこ」に価値は無いから、という意識が定着した。
何着たってモテる奴はモテるし、その逆も真。当落線上が一番多いとはいうモノの、だったら肉体改造やダイエットや鬘や何だったら整形の方が費用対効果も高い。
それにしても70年代から80年代にかけての様々なファッションの流行って何だったんだろうと思いながら武道館や科学技術館でのバーゲンに並んだのが懐かしい。
真面目な感想としては、成功体験のある業界、売る立場が異様に強い業界は新たな試みが出来にくく、最後はユーザーからそっぽを向かれて自滅する。
家電とかPCなんかもそうだったけど、車なんかもその傾向が見えてきている。
シェアリングエコノミーに活路を見出そうとしているけど全体の需要は減るんじゃないかと思うんだけど、どうだろう。
Posted by ブクログ
誰がアパレルを殺すのか。
それは変われない体質のままの業界による自殺行為だ。
これからもアパレルは死にっぱなしなのか。
高度経済成長期の気分のまま、バブル崩壊に至りデフレ経済の中で過去のビジネスモデルに縋り付いたまま体力を無くして弱っていく。
どこにでもある日本企業の普遍的な構造はアパレル業界にも存在する。
低成長が続く業界内でも、注目を浴びる企業がいくつも生まれてきている。
まずビジネスモデルが違う。
そしてビジョンが違う。
Posted by ブクログ
アパレル業界を長年取材する著者2人が不振に喘ぐアパレル業界の原因とこれからの展望について書いた一冊。
本書を読んで、アパレル業界の実態と戦後から現在までの道程を知ることができました。
中国での大量生産によるファストファッションのブームもひと段落し、大きな転換点迎えているアパレル業界がネットなどのITとの融合により新製品を企画し、大量生産で販売するというシステムが崩壊している現状を緻密な取材により、鮮明に知ることができました。
メーカーの内情だけではなく、百貨店や店舗のスタッフなどの現状やアパレル業界の歴史、そして新しいビジネスモデルを展開する企業の挑戦や既存企業の苦闘などアパレル業界に関するリアルな「イマ」を知ることができました。
今、業界では飛ぶ鳥を落とす勢いのZOZOTOWNやメルカリやエアークローゼットやTOKYOBASEなどの戦略を知ることも出来たことも良かったです。
顧客本位の商品開発やシーズンの概念をなくす戦略など今までになかった姿勢が業界に求められていると感じるとともにシェアリングやオンラインSPAといったものがファッションの概念を大きく変えていることを感じるとともに業界に関わる人が変革の覚悟を持って立ち向かう必要があると感じた一冊でした。