【感想・ネタバレ】最後の将軍 徳川慶喜のレビュー

あらすじ

ペリー来航以来、開国か攘夷か、佐幕か倒幕かをめぐって、朝野は最悪の政治的混乱に陥ってゆく。
文久二年、将軍後見職として華々しく政界に登場した、のちの十五代将軍徳川慶喜は、優れた行動力と明晰な頭脳をもって、敵味方から恐れと期待を一身に受けながら、抗しがたい時勢にみずから幕府を葬り去った。
さまざまなエピソードを連ねて描かれる、“最後の将軍”の生涯。

解説・向井敏

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Posted by ブクログ

ネタバレ

p.219
「百策をほどこし百論を論じても、時勢という魔物には勝てぬ」

大政奉還前後からが面白くなるところなのかなーって思ったら、そのあたりからはあっさり、サクッと描かれ、すーっと終わってしまいました。
司馬遼太郎らしいといえばらしいですが、おそらく、その時の文献や見聞があまり無いので書けなかったのかなーとも思いました。
慶喜はなおのこと表舞台から消え去った人(将軍)ですもんね。資料はそんなに残ってはいないでしょう。
あの激烈な時代にあって、生き続けた慶喜の心情、想いをもっと知りたいと思いました。
単に趣味が多い、多才だけでは納得できなかったです。

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2022年05月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2018今やってる大河ドラマ「西郷どん」での松田翔太演じる徳川慶喜、いや徳川慶喜演じる松田翔太がすごくいいので、徳川慶喜に興味を持ち、一体どんな人物だったのだろう、とこの本を読んでみた。・・今回はせごどんにあまり魅力を感じないので慶喜に目が行っている。

徳川慶喜といえば、中学か小学の歴史の教科書で、章の扉絵に「徳川慶喜は主だった大名を集めて大政奉還をしました。家康が全ての大名を集めたのと違いますね」というような事が載っていたのが一番の印象。・・読んでみれば集めたのは大名ではなく在京の陪臣だった。

司馬遼太郎のこの小説は、将軍になるまでの記述は特に慶喜の人となりを浮かび上がらせるために、史資料を基に司馬氏が俯瞰者となって語る、という印象が強い。しかし、二条城での大政奉還以後は、特に慶喜の心の動きが強く伝わってきた。非常に聡明な慶喜だが、大政奉還はしても、それ以後の歴史の動きは予想外だったのではないか。

明治になってから謹慎を解かれ静岡に移ると数え33歳。以後は趣味に生き、多くを語らず、大正2年11月、77歳で死んだ。葬儀には旧大名の当主たち3百余人がことごとく参列し、特に諸外国の使臣が多く参列した、とあり、「慶喜の死は、江戸を一挙に遠い過去のものにした。この日以来、慶喜は江戸を懐かしむひとびとの感傷のなかに生きはじめた。」という最後ではなにか胸がいっぱいになってしまった。

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2023年08月03日

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