あらすじ
コンピュータの能力が人間の脳を超える時、シンギュラリティ。
「人間らしさ」という思考停止はやめて、“これから”を読み解く。
ギャンブル性のあること、コレクション的なこと、単純に心地いいこと…人間にとってエモいこと以外はすべてコンピュータにやらせればいい――。
“現代の魔法使い”と称され、世界でもっとも注目されている日本の気鋭の若手学者が丁寧に描き出す「未来のキーワード」を紹介!
IT技術の発展が目覚ましい昨今、「AI」「人工知能」「ディープランニング」などの言葉を聞くことが増えてきた。これに対して、「人工知能の発展で人間の仕事がロボットに奪われるのでは…?」と不安に思うのであれば、是非この本を読んでみてほしい。「ロボットにはできないクリエイティブなことをしよう!」といった、抽象的な結論で終わらず、それぞれの個人がこれからの未来を生き抜くための生存戦略を詳しく説明している。
著者の落合陽一先生は”現代の魔法使い”と称される注目の学者で、ツイッター上でも「エモい」「人間性を捧げろ」などなかなかキャラが濃い発言が多い。気になった人はフォローしてみてもよいかも。
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Posted by ブクログ
少し前に描かれた本であるが、時代の変化を、ITのトップランナーが自ら語っている。個人レベルへ落とし込んだこれからの生き方や働き方、生活習慣に触れいる。そして、内容はよりディープで抽象的やものとなっていった。自分は、20代であるが、この時代の変化をとても感じている。親は60代であり、ネットの話があまり得意ではない。しかし、より下の世代に意識を向けると、自分達より更にデジタルネイティブであることを感じる。この感覚は、年々大きくなるのだろう。この大きな時代の奔流を乗りこなし、ストレスフリーなライフを目指していきたい。
Posted by ブクログ
超AI時代の、生き方、働き方、生活習慣…
でも生き方も働き方も分けられない、ということが話されています。
それが、著者の言う「ワークアズライフ」。
超AI時代ー著者の時代観が論じられています。
スマホ
スマートフォンの浸透がとても多きなパラダイム変化になったことについて。
映像の世紀は、大衆発信の時代を終え、「人はインターネット上に第二の言論・視聴覚空間を作り、住所を持ち、SNSを生み、社会を形作った。…デジタル空間にもう一度生まれた。」
「集団への体験共有」から「個人の能力拡張」への変化でもあるとのことです。
私は著者の前著をまだ読んでいないのですが、
このダナミックな変化を「魔法」と呼んでいます。
本書全体としても、テクノロジーと人間の関係について、人間がAIなどの技術の奴隷になる、という考え方があることを鑑みつつも、より肯定的に人間にとっての魔法として新技術をとらえることを強調していました。
新技術と人間
また、人間vs.機械、ではなく、
人間vs.機械親和性の高い人間、あるいは、
古典的人間vs.デジタル人間、
という話も興味深かったです。
例えば、本書は2017年に出版されたので、約7年ほどたちまたアメリカ大統領選挙の年になっているのであらためて考えさせられたのが、
赤いアメリカ(トランプ支持)と、青いアメリカ(当時のヒラリー支持)の対立。
持たざるローカルに所属する人々と、今の時代の主導権を握る機械親和性の高いグローバルで活躍するTech業界の人々。
8年近くたった今、その構図はさらに先鋭化しているのかもしれません。技術が複雑になるにつれて、理解への差もどんどん広がることは否めず、私自身も自分の中のかなり限られた情報と知識の中で生きていることを実感します。
**ワークアズライフ**
一日中ワークでありライフである、それを切り分けられない生活とそれを許容しなければならない環境に移ってきた、と論じられています。
それは個人的にも、コロナでさらに加速され、具体的に普遍的になったように思います。
雇用され、労働し、対価をもらうというスタイルより、好きなことで価値を生み出すスタイルに転換することが重要、と。
「人生価値を仕事と仕事以外の両方で生み出し続ける方法を見つけられたものが生き残る時代」。
多様化した社会、つまり、全員違う方向に行っても生産性を保つことができる社会、といいます。
「これからやらないといけないことは、全員が全員、違う方向に向かってやっていくことを当たり前に思うということ」
「共通のプラットフォームが生まれ、コミュニティが多様化していくため、機械化以降にもった自己実現や自由意志はあまり今の時代に即しているとは言えない」
今の時代は、より空の思想ー主体性のない人間観がありだと。
具体的には、
仕事になる趣味を3つ持つこと。
自分の信仰心自分にとっての絶対的なものー価値基準を、近代の自由意志などに代わる信仰として持つこと。
報酬とストレスで考える、という視点は新しく、納得しました。
「自分で信じた道を淡々とやって、自己実現もしくはストレスフリーな環境をいかに実現していくか」
自分にとっての報酬を知って、それを活用して取り組むためのヒントとして、
遊びをデザインするーギャンブル的、コレクション的、五感の快感
フレームワーク ゲーム的:問題、解決、報酬
まず自分がやっていることで何が残っていくのかを意識すること。
自分らしさへの対処法として、
「世界を狭める考え方」を知る。コミュニティを決めるほうが個性を探すより大事かもしれないといっています。
コミュニティを、探すだけではなく、作る発想についても話されています。
責任を持てるサイズは30人。
何かで一番になろうとしたら、今はグローバルレベルで戦わないといけない時代。
ローカルなコミュニティは自分の存在意義を感じるためにも大事みたいですね。
どういう文脈でやっているかを意識する、というのも興味深い視点。
グローバルとローカルのどっちをもとにしているのか。
また、誰もがトップにもなれる、と。
逆に、資格を取っても業界でトップレベルでないと意味がないといいます。
つまり、ニッチで1位を取る。自分の戦略的なローカルを持つことなのかもしれないですね。
100人いたら1位は1人ではなく100人が可能、というのは重要な視点だと思いました。
どう時代に取り残されずに生きていくかという点で皆が気になるのが、機械との付き合い方について。
- ツールを使う
- 中間の工程をあまり気にしないこと
- 機械にできることを極力やらないこと
始めと終わり、大事。
そして、自分の優位性を他者に伝えることも欠かせない。
「どんな人が何を必要としているのか、自分は何とつながっていくべきなのか、というメディアのお客さんと発信源の関係をしっかり作っていかないと、うまく仕事にならない世の中になっていくと思う」
人間と機械の役割分担についても意識する視点が参考になります。
「人間を動かす(プログラミングする)ための言語というのは人間のほうがうまく話せるから、これはやはり人間が伝えるべきで、その抽象的なレイヤーは人間が使って、すごく具体的で数理的なレイヤーはインターネット上で共有可能にしておくことがベストだ。そのトレードオフは絶対起こる。」
人間中心主義から脱人間。
計算機発展以降、ヒトは世界を観察し解釈を与えうる唯一知性ではないこと。
そして、一人一人が低コストで別の世界を目指すことができるようになり、
やがては、現実に記憶する時間と、各々の現実に帰属する時間をすみ分けながらうまくやっていくのでは、と論じられています。
貧者のバーチャルリアリティは少しディストピアな気もしましたが。
人類の適応とは、この、もはや人類が共同幻想を持たない、という変化を受け入れることらしいです。
個人的に考えさせられたことの一つは、過去はなかったことにできない、過去の上に成り立つ世界、文脈を知って、今を知る思考力を、私も身につけていきたいということです。
たとえば西洋の近代思想が生まれる前の自己統一性や自由意志が確立していなかった時代に戻るのではなく、
それを経て、また今、無為自然のような人間観をあらためて打ち出す、ような。
頭が追い付いていないところもありましたが、
変化を歓迎できるように、新しい技術や支店に引き続き好奇心をもって関わり、新時代を楽しみたいです。
Posted by ブクログ
AIをはじめとしたテクノロジーを軸に書かれている本だけど、内容は落合陽一的人生哲学みたいな感じだった。
他の本でもよく書かれているけど、テクノロジーの発展により、趣味とか日常的に行っていることが仕事になる時代になっていくらしい。(インフルエンサーとかまさにそれ。)
そのことから仕事を仕事として捉えるのではなく、趣味の延長(というか快感の得られるもの)として捉えるワークアズライフを落合陽一は提案している。
仕事を楽しむコツとしては適度なストレスと報酬(コレクション的報酬・ギャンブル的報酬・心地よさの報酬)が重要らしい。わかるかも。
趣味を3つ持つこと、自分から発信すること、趣味がどのようなコンテクストでうけるのかを意識して取り組むこと、何かで1番になることも大切らしい。
AIに奪われない仕事はクリエイティブな仕事だと言われているけれど、AIは1を10にする仕事がむしろ得意だから、人間は趣味や知識のフックを組み合わせてターゲットを絞った価値を生み出していくべきとのこと。
初めて読んだ2020年の当時はよくわからなかったけど、0から1を作る複合的なものの見方は人間にしかできないと思うので納得できた。
以下、当時読んだ時のメモ。
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落合陽一が好きという割には情熱大陸をみたりツイッターでフォローしているくらいしか彼の情報を得ていないので読んでみた。
一応AIをはじめとしたテクノロジーを軸に書かれている内容だけど、落合陽一的人生哲学みたいな内容だった。他の本でもよく書かれているけど、テクノロジーの発展により、趣味とか日常的に行っていることが仕事になる時代になっていくらしい。(インスタのインフルエンサーとか見てるともうそういう時代がきていると思う。)だから仕事を仕事として捉えるのではなく、趣味の延長(というか快感の得られるもの)として捉えるワークアズライフを落合陽一は提案している。仕事を楽しむコツとしては適度なストレスと報酬(コレクション的報酬・ギャンブル的報酬・心地よさの報酬)らしい。わかるかも。趣味を3つ持つこと、自分から発信すること、趣味がどのようなコンテクストでうけるのかを意識して取り組むこと、何かで1番になることも大切らしい。
あとはAIに奪われない仕事はクリエイティブな仕事だと言われているけれど、AIは1を10にする仕事がむしろ得意だから、人間は趣味や知識のフックを組み合わせてターゲットを絞った価値を生み出していくべきとのこと。正直ここはあまりよく分からんかった。
Posted by ブクログ
テクノロジーが大きく発展する現代を生きるために必要なスキルやマインドについて書かれた本。
時代の流れは突然変わります。流れが変わればそれに合わせて社会のルールも変わります。大きく変化するルールに適応して生きるには現在の状況を把握し、現状に合わせた人生戦略を立てることが必要になります。
本書は今後も大きく発展するであろうテクノロジーの現状を理解した上で、私たちはどう生きればいいのかのヒントを提示しています。
Posted by ブクログ
以下、読書メモ
・超AI時代、それは機械対人間の戦いではなく
「人間」と「機械親和性の高い人間」との戦い
(機械を使う側になるか、機械に組み込まれる側になるのか)クリエイティブという表現はあいまいすぎる
・多様化の時代、全員が全員、違う方向に向かってやっていることに広い視点で意味がある。相対的な順位争いではなく絶対的な価値。これからは競争ではなくそれぞれが淡々とやる時代。
・自己実現という宗教はもはや全時代的
・能力的に取り替え不可能な人類が存在しなくなったら、趣味ぐらいしか差が見えなくなる
(趣味で差別化が必要 → ワークアズライフ)
・自分の報酬を理解する
→ギャンブル、コレクション、心地よさ
(野球選手:ヒットが打てるかドキドキ、コツコツと体を鍛えて数字を重ねていく、カキーンと打てる快感)
→コレクションとして可視化できれば社会的に必要とされる
・技術的なもののコモデティ化スピードはより加速している(学習コスト、習得コストが劇的に削減されている)
→特殊性を保てない職種が増える、既得権益では生きていけなくなる
・出口につなぐ能力が必要
(入口時点で出口戦略が必要。そうすることでマーケティングは不要になる。)
・不要な作業にかける時間を削減する
→ツールを駆使する、中間の工程を意識しない、機械にできることは極力やらない
・機械に任せて余った時間は、非合理なことに使う(意識的に機械との差別化を図る)
→ランニング、釣り
・プレゼンには「エンタメ」と「効率の良い情報伝達」の2種類がある
→エンタメにはワクワク感が必要、効率の良い情報伝達にはスライドは不要だがアジェンダが重要
・プレゼンベースの仕事は効率が良い
・多様化が進むと政治に対して興味を持たないと不利益を被る可能性が高い。自分の身は自分的守るために政治への参画が必要。(アメリカは多民族国家でステークホルダーのジャンルが多く、政治への関心が高い)
・情報取得の方法
→フィルタリングし、気づくようにしておく
→複数のソースから(自分のコミュニティの情報、自分が専門的に知っている情報、SNSの情報、マスメディアの情報)
・フックの付いた知識が重要
→一度完全に理解する必要はあるが、忘れてしまっても良い。ググれば分かる、くらいの状態。
→おぼろげなものが重なることによって、人間にしかできない想像力が出てくる
・特徴を見出す力が重要
→抽象化して特徴量のさを捉える
・スペシャリストであることが大前提だが、ジェネラルな知識も必要。その意味でもフックをかけておくことが重要。
・ニッチな世界でトップを取るのが生存戦略。
(芥川賞とミステリー大賞の違い、上位互換ではない)
・体を動かさないと脳の働きは悪くなる
→体をどうやって鍛えるかが大切
→自分の報酬を理解すると継続しやすい
・お酒や薬物で一時的に普段と違う壊れた状態にすることで違うアウトプットが得られることもある(機械にはできないこと)
・食欲のコントロールには「遺伝子レベル」を意識する
→脳が欲している、と割り切ってたまに報酬として使う
→他の報酬に置き換えられると尚良い
・コンプレックスとの付き合い方
「強い憧れがあるけど、それが達成できない」
「他人から見て劣っている」
どちらかを意識して付き合う
・20世紀社会は、平均値が高い個体であることがすごく重要だったが今後はピーク値が高い人のほうが重要になる