あらすじ
ゴルゴ13の秘密に迫る、シリーズ第3弾!
直木賞作家・船戸与一が、劇画最高峰「ゴルゴ13」を描いた最強のエンターテインメント、第3弾!
作家デビュー前、脚本を手がけていた「ゴルゴ13」シリーズの中から、選りすぐりの3話をみずからが小説化。その完結編をお届けする。
新宿区市谷。防衛省統合幕僚監部会議室のモニターに、ひとりの東洋人が映し出された――通称ゴルゴ13。
この伝説的なスナイパーを、日本政府の専属にしたい、と一等陸佐は切り出した。
「わが国の自衛隊は憲法上、攻撃的なことは何も出来ません。それをゴルゴにやらせる」
狙いは、極東情勢の緊張を創り出す者、反日家で知られる米国国防省の重鎮、この二人の暗殺だった。
ゴルゴ13との専属契約はどの国の情報機関もなし得ていない難題だが、その出生の秘密を握ることで契約を結ぼうとする。
ゴルゴ13はワシリー・スメルジャコフの息子である可能性が高い――これを立証するため、調査員はロシアへ飛ぶ。
だが、ここから、血なまぐさい惨劇が始まった!
ゴルゴ13の出生の秘密ははたして暴かれるのか?
真相に迫る者を次々に狙撃したのは誰なのか?
スリリングな展開から目が離せない第3話。
※この作品は過去に配信済みの単行本版の文庫版です。
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Posted by ブクログ
船戸与一『おろしや間諜伝説 ゴルゴ13ノベルズ3』小学館文庫 。
船戸与一が作家デビュー前に外浦吾朗の筆名で脚本に携わった作品群から3作をセレクトし、小説に仕立て上げた全3巻のシリーズの最終巻。船戸与一の作品も、これが読み納めとなるのは何とも寂しい限りだ。
ゴルゴ13の出生の秘密に迫る作品の一つ。ストーリーの巧みさには驚かされた。同様の作品に『日本人・東研作』『芹沢家殺人事件』『蒼狼漂う果て』『毛沢東の遺言』『河豚の季節』『すべて人民のもの』『禿鷲伝説』『亜細亜の遺産』があるが、その中でも一番面白いストーリーになっていると思う。
ストーリーの面白さの要因は日本政府がゴルゴ13と専属契約を結ぶという無謀とも言えるオペレーションを計画することと、最後までゴルゴ13が姿を見せないことだろう。つまりは、ゴルゴ13を巡り、日本政府が一人相撲を取ることになるのだ。無論、国際諜報劇画だけに、各国を舞台に二転三転の展開が待ち受けるのだが…