【感想・ネタバレ】ねじの回転 FEBRUARY MOMENT(下)のレビュー

あらすじ

安藤大尉、栗原中尉、そして石原莞爾は、再生プロジェクトの指示のもと、コンピュータ『シンデレラの靴』がつくり出す時間の狭間で「再生」された過去をなぞり歴史を「確定」してゆく作業にとりかかる。だが、3人の胸の内には、異なる決意があった。錯綜する時間、空間、それぞれの思惑。「二・二六事件」という歴史の事実に材をとり、自在な筆致で想像の極限を描くSF長編。

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Posted by ブクログ

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下巻は始めからフルスロットル。fragment5はジョンが望んだ未来か…「よその国で戦争するということをアメリカはもっと思い知っておく必要がある」為に、、
「二・二六事件」で岡田総理や鈴木侍従長が亡くなり、陸軍と海軍が戦闘したり、陸軍同士で戦闘したり、石原莞爾が東条英機を射殺したり……IFが凄すぎる。。
上巻からわりとボサっとしているマツモトがかなりの重要人物でした。特別な4台目を持って外にいるときのマツモトのキャラが変わって口調がそれまでと違うところ、命のやり取りという極限状態での人の変なテンションという感じで腑に落ちます。実際にその場にいないと感じられないことはあるのでその後のマツモトの行動も納得。幼少期のマツモトのとこに行ったのはマツモトなんだろうけど、あれは再生プロジェクトが1回目ではないことの伏線だったのか。
“正しい「二・二六事件」”は確定しましたが苦い読後感です。ラストの出会いが良い方向へ繋がりますように。読み応えある作品でした。


襲撃された教育総監渡辺錠太郎って、渡辺和子さんのお父さんですよね…「置かれた場所で咲きなさい」のさ。。

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2022年10月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「正しい歴史」を作り出せ。

上巻のラストで、HIDSをこの時代に持ち込んでしまったことが発覚。調子の悪い『シンデレラの靴』やHIDSへの対応だけでなく、3人の軍人たちの思惑が絡んで、国連メンバーはとても歴史を「確定」させるどころではない。疑心暗鬼に陥りかけたところ、ジョンがマツモトに明かした秘密とはーー。

もしかして、ラストシーンの2人が出会ったことで、時間遡行の技術が生まれたのでは。それならば、マツモトの選択が時間遡行装置を生んだことになってしまう。そんなパラドックスも含めて、読み応えのある物語。誰だって、やり直せるなら、やり直したいと思ってしまう。どれだけ正義にまぶしていても、一部の利益につながる行動。もしくは、何もかもを超えた、ただの好奇心。

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2019年05月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

再読。設定も伏線も複雑で、すべて整合性があって回収しきれているのかは不明だが、面白いからそんなことはまあいっかと思った。日本に完全なる敗北をさせ、アメリカに罪の意識の抑止力を持たせようとするあたりは現代的な視点も入っていて興味深い。どこかで誰かが絶えず歴史をやり直していたとしたら・・・、なんて空想してしまった。

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2015年03月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かった。

恩田陸の著作の中でもなかなか手が伸びなかった1冊。ようやく読めてほっとしてもいる。

恥ずかしながら、私は二二六事件の顛末を知らずに生きてきた。
知らんとまずかろうと思いながらもそのままにしてきた。

こうした史実を足がかりにした小説を読むと、俄然興味が沸いてくる。
年号と文字だけの歴史が血の通った物語として感じられるから不思議だ。

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2014年03月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2回目の時間(石原の東條英機暗殺)までは面白かったのですが、マツモトが「つまむ」で介入していくところから少し理解に苦しみました。タイムパラドックスものの宿命である、設定の複雑さから入れ子構造についていけなくなりました。4つめの懐中連絡機を誰がもっているかを期待していましたが、上手く活かされず。ただ、二・二六事件と不穏な空気、表現の巧さによって終始ハラハラゾクゾクする展開で、途中まではとても面白く読めました。

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2024年09月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

安藤大尉、栗原中尉、石原莞爾。
とりあえず2・26事件の勉強になった笑

「歴史を修正する」という設定がとても面白かった。

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2019年11月01日

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