あらすじ
ヒーロー制作のお手伝いをする会社で働く、ごく普通の青年・修司。進路に悩む高校生の従弟の相談や頑固な和菓子職人の息子からの依頼に、悪戦苦闘しつつ解決に導く毎日を送っている。充実した日々の中で、仲間や依頼人たちの勇気や夢、出会いと別れ、さまざまな人生に関わり、見つめてきた。
本当にわくわくすること、好きなこととは一体何なのか。自分に問いかけた修司が、決意を胸に訪れた場所は?
思わず胸が熱くなる、人生応援ストーリー完結編!!
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Posted by ブクログ
ついに最終巻。凄く寂しいです。ヒーローズの中でもフツメンな修司だけど、一番依頼人に寄り添っているってのが本人が自覚がないのが勿体ない。そんな修司を誰よりも買ってるミヤビとのコンビが見れなくなるのが残念です…修司が又ヒーローズに戻って来てからの話も、スピンオフとかで読みたいです。
Posted by ブクログ
ヒーローズ(株)に勤務する人たちと、そこに依頼に来る人たちの物語。完結編。
進路に悩む高校生の従兄弟の相談に乗り、和菓子職人の息子の依頼を悩みながらも解決に導き、端から見たら素晴らしい仕事ぶり。
それでも修司は、何もないこんな自分が他人の人生に関わっていいのかと、相変わらず悩んでいる。
そんな彼にヤキモキしているミヤビも良い。いい仲間だなぁ。
修司は、自分のモヤモヤ感を自分に自信がないからだと結論付け、自信を付けるために新たなステージに一歩踏み出す。
シリーズは完結してしまったけれど、いつか、この続きが読めたらいいな、と思う。
Posted by ブクログ
田中修司
影が薄い。好きなものは不明。
修司の母
朝倉千紘
修司の従兄弟。高校生。
朝倉朝子
修司の母の妹。千紘の母。
ミヤビ
修司の先輩。チャラい。元カリスマ美容師。好きなものは納豆。
佐和野祥子
本社受付。社長の娘にしてミヤビの妻。好きなものは本。
道野辺
社のエース。修司いわく老紳士。好きなものは美味しい珈琲。
野宮社長
ヒーローズ(株)を設立した社長。謎が多い。好きなものはドラえもん。
ミヤビの母
美容室のオーナー。
西園寺
四葉物産の営業。実家の月花堂は神楽坂にある老舗の和菓子屋。
源ちゃん
西園寺の父。和菓子職人。
佐々木拓
コンビニ店長と掛け持ちしているアンダーグラウンドな社員。修司をヒーローズに紹介した張本人。アメリカへ渡ったはずだったが・・・。好きなものは炭酸飲料。
奥村あかり
カメラマン
野宮聡一郎
あかりの弟。
おじさん
野宮欣二郎。浩一郎の弟。
浩一郎
あかりの父。
吉田葵
楓の双子の妹。ヒーローズの社員。
吉田楓
葵の双子の兄。
多咲真生
女優業を休んで演劇の勉強のために留学している。
Posted by ブクログ
「オレは、人と比べてどうかってことは、考えたことなかったッスね。だってそんなの、比べる人が変われば意味なんてないっしょ。例えばオレが二番だったとして、一番と比べれば『それより下』になる。三番と比べれば『それより上』になる。で、結局オレの位置は変わるんスか?下になって落ち込んで、上になって喜んで、オレの位置は変わんねーッスよね。だったら、昨日と比べて今日のができるようになってたいッスよ。昨日の自分より上手くなって喜んだり、昨日の自分より下手になって反省したり、そのほうがよっぽど意味があるような気がするんスよ」
「才能って、結局ね、それを好きかどうかだと思うんスよ。オレは美容師の仕事が好きだったから、くそほど練習したッス。でもそれを辛いなんてこれっぽっちも思わなかった。だって、好きなことやってると楽しいっしょ?だからきっと、オレには才能があったんスよ」
「でも助け合いって、何も金だけじゃないと思うんスよね。さっきも言ったけど、自分で朝飯作ってみたり。そしたら母ちゃんは自分の起きるタイミングギリギリまで寝ていられるし、家に帰ってたたまに飯の用意がしてあったら、どんなに嬉しいだろうって。それがたとえ何の変哲もないただのカレーだったとしても」
「母ちゃんは今現在、ちっひーがバイトするよりもずっと稼げる。なら母ちゃんに頑張って稼いでもらって、そのかわりにちっひーは将来稼げるように今から計画を練ったほうがいいッス。マラソンで食っていける可能性だってあるんなら、マラソンも頑張る。学費抑えたいなら国立も狙う。めちゃくちゃ大変かもしれないけど、ちっひーが今頑張れば、将来の自分に対する財産になるッス。マラソンも勉強もやめて、焦って就職を決めるより、大卒のほうが選択肢も広がるし、実際初任給からして違う可能性が高いッス。毎日コツコツ経験値積み上げて、自分おしたいこと、将来のこと、真剣に考えていけばいいッスよ。現在食っていくに困ってないなら、オレみてーにバイトで稼ぎまくることに多くの時間をさくより、勉強とマラソンを頑張ったほうが、ちっひーにとっては絶対にいい!」
「いいッスか?今の千円より、将来の百万ッスよ!学や特技なんていくらあっても荷物にはならないッスからね」
「大丈夫だよ。僕、ちゃんと幸せになるから」
母さんは答えなかった。代わりに、涙が滲んだ目元を人さし指で拭った。
「当たり前じゃない。お父さんもお母さんも、そのために働いてきたのよ」