あらすじ
私の名前は紙越空魚。埼玉に住むごく普通の大学生。だけどある日知らない金髪美人が現れて、今の自分は記憶喪失だと告げられる。戸惑う暇もなくヤクザの運転する車で謎の施設へ連れ去られて……私、いったいどうなっちゃうの!?──この現実と隣合わせの裏世界、それに関する記憶すべてを封じるネットロア〈寺生まれのTさん〉が空魚たちの敵として襲来する! 女子ふたり怪異探検サバイバル、シリーズ初の長篇となる第6巻!!
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Posted by ブクログ
開幕から空魚の記憶喪失から始まり、瀬戸茜理を巻き込みつつTさんへ対峙していくという、普段とは違った長編となってました。
今巻は怖さが薄めで裏世界へもあまり行かず、瀬戸茜理や小桜さんも出てきてと、此方側の世界に寄った話の様に感じました。また、空魚が鳥子との事や、後輩の瀬戸茜理の事などへ意識を向けている巻でもあったのだと思います。
前巻で拾った?女の子もチラチラと出て来たり、潤巳るな様と交流したりと、段々と空魚が関わる人間が増えてきて、鳥子と2人だけではいられなくなってきている感じが見られ、空魚が今後、どう他の人間と関わっていくのか楽しみにしています。
Posted by ブクログ
一巻まるまま、寺生まれのTさんが大暴れする6巻である。
この巻は章立てがシンプルであり、ファイル一つで物語が構成されている。
ファイル20 Tは寺生まれのT
あとがきでは劇場版だった旨が述べられていて(P.312)、著名でかつ大規模なネタである「寺生まれのTさん」を扱う上で特上待遇を用意した印象もあった感であった。
快復した潤巳るなまで参戦するオールキャストで展開された物語は、やはり派手ではあった。
Tさんが強すぎて倒せない状態で、やっぱり理不尽な存在だよなと改めて思う。
「破ぁ‼」で全部潰されちゃうんだから、酷い話である。
ところで今巻はおそらく、次巻以降で
「裏世界のターゲティングが切り替わった」
ことが焦点になってくる、その発端なのだろう。
結末でそのことが引きに使われているが、これまでほとんど怪異に関与してこなかった彼女が今回はガッツリ参加しているのは特徴的である。
空魚、鳥子が裏世界への関わり方を少しずつ変えてきている中で、あちら側が考えを変え始めたとしても、そこはおかしなことではない。
特に鳥子は、すでにターゲットとしては不適切なので、物語の流れが変わってくるのは理解できるところである。
分析はさておき、今巻は星四つ半程度で評価している。
どうしても舞台が表世界中心になっていたし、そこは「裏世界ピクニック」としてはやや弱くなっていた面はある。
とはいえ、それも含めて「劇場版」の味わいな気もするので、それも含めて楽しませてもらった旨は加筆させていただきたい。
なるほど劇場版
今までのシリーズとは異なり、1ファイルのみで構成された劇場版「裏世界ピクニック」
空魚が記憶喪失の状態から物語が始まるというやや意表を突かれたものの、その点も劇場版っぽいのかもしれない。
安定に怪異と遭遇しつつも、空魚の心境に変化が見えるのが必見。
今までと違ったアプローチ…
作者さんも裏世界も、今回は今までと違ったアプローチで攻めて来ました。
一冊まるごと『寺生まれのTさん』のお話。
本来は怪談ブレイカーな彼を使って、こんな形で物語を展開するとは…
次巻も早く出ないかな…