【感想・ネタバレ】ビッグデータと人工知能 可能性と罠を見極めるのレビュー

あらすじ

ビッグデータ時代の到来、第三次AI(人工知能)ブームとディープラーニングの登場、さらに進化したAIが2045年に人間の知性を凌駕するというシンギュラリティ予測……。人間とAIはこれからどこへ向かっていくのか。本書は基礎情報学にもとづいて現在の動向と論点を明快に整理し分析。技術万能主義に警鐘を鳴らし、知識増幅と集合知を駆使することによって拓かれる未来の可能性を提示する。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

・ビックデータとプライバシー
ビックデータと個人情報保護の問題について。これはよく問題になりますが個人的には便利であれば人は自分の個人情報さらけ出すことに対して嫌悪感がそれほどないのではないかと思います。例えばスマートフォンをみんな所持してますよね。GPSがついているので、いつどこにいたっていうこと情報が世に流れており、それを追跡すれば誰がどの会社が働いてるなどいった情報はすぐにわかります。またfacebookやラインといったサービスなんて誰と誰がどのような繋がりがあるかということを簡単に提供しているわけですけれども便利さに魅了されてそんなこと気にしてない人のほうが多いと思います。それが何故かニュースではある企業から個人情報が漏れたと大騒ぎしていますが、少しセンシティブになりすぎなんじゃないかなと個人的には思います。といった当たり前の問題には触れられてなくて、問題なのは企業が顧客に対して行う告知が難しくなることだと言っている。企業は顧客から集められる情報をこんな風に使いますと告知を行うのですが、ビックデータを分析できるようになってからはその告知をとる時点でどのようなデータと組み合わせでどのような分析をするかってとういところまで言いきれないということが問題だと提言しています。また、ビックデータ分析によって人の行動パターンを予測しすぎて人の人権を侵害してしまうのではないかというよくある問題についても触れられています。例えば幼児を対象とした性犯罪を犯す人物はこういった身体的特徴や性格を持っているだから監視しようとなってしまっていいのか、ということです。これは、もともと人間は他者を評価するときにある一定のステレオタイプを介して判断しているのと同じだと思いますし、むしろ、ひとの偏ったステレオタイプよりもデータを分析してわかった結果のほうが完璧とはいいませんけどまだマシなんじゃないないでしょうか。という一般的な議論はやはり通り越していて、筆者としての問題提起はデータ分析をして出てきた結果のせいで誤認逮捕してしまったとなったときに責任の所在がプログラマになるのかそれともそのデータを活用した人になるのかそれが曖昧なるということです。






・機械と生物の違い
機械と人間が大きな違いは「臨機応変さ」と「優先順位の変更能力」です。例えば機械のプログラミングするときはプログラマーがプロブラムを起動させる際に起こりうることをあらかじめ想定してプログラムを書きます。その起こりうることからもれた事象が発生するとエラーとなってしまいます。例えば最近やったことでいえば、エクセルである列に入っている月の三ヶ月前のその右に表示するという簡単なプログラムを作ったのですか、単純に考えてマイナス3すればいいだけですけれども1月2月3月をただ単にマイナス3してしまうと-2月-1月0月となってしまいます。人間の場合そこは臨機応変に判断できるというのが違いです。優先順位の変更能力ですが、例えば今話題の自動運転だと、目的地を設定すれば渋滞などスルスル避けて最短の時間で目的を達成する能力をすごく高いのですが、その過程で家族が倒れていたりしても素通りしてしまいます。人間だったらすぐさまに目的地を変更して助けよう気持ちが普通は働きます。つまり、人工知能はある目標に向かって効率的に進むことは大得意なのですが、途中で別の優先すべき問題がおこった時対処するのが難しいのです。

・文系と理系の融合が必要だ。
ITの改革がそれほど進んでいない理由はやはり文系と理系がきっぱり別れすぎていることだと考えています。一昔前までは理系の人はとりわけITに関する人はコンピュータの前だけで作業していればよく文系の人もそれをマネジメントするだけでよかったのですがITの発達によって、スマートフォンやIoTのようにありとあらゆるものにITが介在するようになり、IT抜きにもう企業戦略や政治や経済を考えることができなくなりました。それにも関わらず文系と理系の融合がなかなか進まないのは文系の人にも理系の人の意識に問題があると思います。文系の人は理系の人をただの技術屋だと思っていて必要なときにただ請負として利用している、ある意味で見下しているケースがあると思います。また、理系なんて全くわからないと考えることを放棄してしまっているとい人もいるでしょう。また理系のひとで自分の趣味だけにもっとして会社の未来なんてどうでもいいや社会なんてどうでもいいやと考えて文系の分野に全く関心持たない人が多いことが文系と理系がなかなか繋がらない大きな理由です。この問題を解決する方法はコテコテの文系の人の中でもある程度理系に理解がある人一方でコテコテの理系の中でも文系にある程度興味を示している人をいかに見つけるかが大事。また、それを繋げれるような人材も大事だと思います。要するに相手の立場に立って物事を考えられる人が必要になってきます。

・スペシャリストとジャネラリストの関係
これは凄く面白い。著者的にはインターネットの発達によって情報量が増えすぎ人がスペシャリストになることさえも大変な時代になっていると感じている。より、専門家が知り得る領域がどんどんどんどん狭くなっているという問題提起をしています。そうなってしまうと他人への理解がまったくなくなってしまって、もともとかいきにくい世の中になるじゃないかとおっしゃっています。しかし、これを解決するのもインターネットで、うまく活用すればたくさんの人の意見をすぐに集約することができ、ある意味でゼネラリストの意見をスペシャリスト受け取れる状況になっており、スペシャリストは自分の分野外の新たな知見を取り入れつつ自分の専門領域をさらに込めることができ、より一層よくなるのではないかと考えている。

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2017年02月10日

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