【感想・ネタバレ】賞味期限のウソ 食品ロスはなぜ生まれるのかのレビュー

あらすじ

卵の賞味期限は通常、産卵日から3週間だが、実は冬場なら57日間は生食可。
卵に限らず、ほとんどの食品の賞味期限は実際より2割以上短く設定されている。だが消費者の多くは期限を1日でも過ぎた食品は捨て、店では棚の奥の日付が先の商品を選ぶ。小売店も期限よりかなり前に商品を撤去。
その結果、日本は、まだ食べられる食品を大量に廃棄する「食品ロス」大国となっている。しかも消費者は知らずに廃棄のコストを負担させられている。食品をめぐる、この「もったいない」構造に初めてメスを入れた衝撃の書!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

『サステナブル・フード革命』(アマンダ・リトル)がキッカケで読む事になった『賞味期限のウソ』(井出留美)。

まだ食べれる食品が廃棄されるアメリカのスーパー事例を読んだ時に「日本ではどうなってるんだろう」と気になりました。

2016年に書かれた本なので、2023年である今では変化があるかもしれませんが、

とりあえず2013年における日本の食品ロス量は632万トン。

そのうち約半数は消費者由来、残りが飲食店や食品メーカー、販売店など事業者由来のものだったそうです。

世界の食糧援助量が比較として出され、約320万トンと見た時には口が開いてた。

このデータが弾き出された背景には、スーパー・百貨店・コンビニの食におけるルール(3分の1ルール、日付後退品、廃棄前提の品出し計画など)や

各家庭における無駄な買い物があり、

私自身「うっ!」と思うようなご指摘がポツポツ。

「安いから…」「いつかこのレシピやるから」で買った食品の慣れ果てが冷蔵庫や冷凍庫から発見された経験が頭をよぎる。(白くブニュブニュになったキュウリとかね…)

この光景を見てからというものの、「冷蔵庫の中の物で何か作る」「野菜を買う時は作るレシピを決めておく」「賞味期限が長めのモノはストックOK」という自分ルールは出来上がりました……笑

こういった各問題に対して行われてきた解決策の紹介もあり、

《各企業における賞味期限延長》や【フードバンク】【フードドライブ】などの《食べ物のシェア》の話は面白かったです。

正直こんな取り組みがあったなんて全然知らなかったし、無知って恐ろしいと思った次第。

《興味関心のアンテナ》を広く張る事の重要さを知って、

好きな分野だけ掘り下げてる場合じゃないなって思えてきた。

いろいろ読んだ上でいろいろ決めてこう。

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2023年08月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本書に書いてある事で驚いたのはほとんどの商品に記入してある賞味期限の長さは、実際の賞味期限のだいたい八割だという事だ。さらに店で商品を売るときには「3分の1ルール」が適応され賞味期限の3分の2を過ぎたら廃棄するということになっているらしい。だからスーパーやコンビニなどでは単純計算で本来の賞味期限の約半分しか経っていないものを廃棄しているということになる。またコンビニで売られている物の値段が高い理由の一つとして廃棄のための費用が値段に組み込まれている事が挙げられる。コンビニの商品は廃棄されることが前提で売られているのだ。
筆者は日本の消費者が食品はゼロリスクではなくてはならないと信じている事を批判している。多くの消費者が臭いや色など五感を使えば安全かどうか分かることを、脳死状態で賞味期限だけを見てまだ食べられる物を捨てている。それと農家がキャベツや白菜などを地産廃棄することに関して消費者がクレームを言うことはお門違いだと主張している。僕もニュースなどで耳にしたことがあり勿体ないとは思ったことがある。しかし筆者曰く「捨てざるえなくなってしまったのは元はと言えば消費者のせいである。需要と供給の関係で消費者がそれらを買わないせい値段がそれらが安くなり、出荷すると手間と輸送費のほうが高く付くので農家は渋々廃棄したのだ。たくさん買って農家に貢献したわけでも無いのに文句を言うな。」ということらしい。そう言われると反論できない。
この本を読んで自分も他人ごととしてではなく自分ごととして食品ロスのことを考えなくてはいけないと思ったら。

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2020年04月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2022.08.27
若干タイトルと内容に齟齬があるような気がするけれど、読んで良かった。
具体的に読者が行動できることを明記していることから、著者の「この問題をどうにかしたい」という必死な思いが伝わってくる。

家庭でできることはもちろんたくさんある。
買うことは投票すること。信頼できる企業から買うことで消費者も社会を変える一員になれる。

大きく変えるには大企業や政府の力が必要だけれども、だからと言って個人が何もしなくていいわけではない。できることから少しずつ。エシカルな消費を目指していこう。

フードバンクという取り組みがある。
まだ食べられるのに外装の破損などで出荷できなくなった食品を企業から引き取り、福祉施設などへ配給する組織のことだ。
それと似たような活動でフードドライブというものがある。
家庭で余っている食材を集め、困窮している人たちへ配る活動のことで、フィットネスクラブのカーブスや一部地方自治体などで実施されている。

ただフードドライブには難点もいくつかある。
まずは賞味期限の問題。外国では賞味期限が切れていても回収OKなところもあるが、日本では2ヶ月以上賞味期限までゆとりがあること、等厳しい。
「賞味期限が切れてもまだ食べられる」ことが広く知られるべきなのである。
そもそも厳しすぎる賞味期限設定が悪いのか、「ルールをきっちり守り、守らなかった場合は個人の責任」という国民性が良くないのか・・・
あとは「余った食品を与えられる困窮者への差別や栄養の問題」もある。
余ったものを何でもかんでも与えてもまた廃棄されることだってある。
まだまだ問題が山積みだと感じた。

国民性なのか、杓子定規に判断したがるところが日本では多い。それが高度な衛生管理にもつながっているし、食の安心安全のためには必要なのかもしれないが、そのせいで多くの食品廃棄を産んでいるように思う。
例えば賞味期限が3ヶ月以上ある食品は日付表示を省略しても良いとされているにも関わらず、日付表示をしているものがまだまだ多い。
日付表示をしない方が期限にゆとりを持たせられるのにしないのは、ロット管理の観点からだという。

また、日本人は「何をどれだけ食べると体に悪い(良い)」と考えるとき、「何を食べるか」に重点を置きすぎ、どれくらいの量を食べるか、が抜け落ちている場合が多いように感じる。
どんな良い食べ物も、また悪い食べ物や添加物なども、どれくらいの量を食べると体に影響があるのかを考えて摂取する必要がある。

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2022年08月27日

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