【感想・ネタバレ】ノース・ガンソン・ストリートの虐殺のレビュー

あらすじ

小さな事件が原因でアリゾナ警察を追われ、酷寒のミズーリ州の片田舎ヴィクトリーへと飛ばされたベテラン刑事ベティンガー。町は荒廃し犯罪が横行、同僚刑事たちの行動も怪しげで、よそ者の彼に冷たい。当初は彼らにも疑惑を抱くが、徐々にその誤解も解消してきた頃、残虐な連続警官殺しが発生した。仲間を殺された刑事たちの怒りの捜査は、やがて壮絶な闘いへ……レオナルド・ディカプリオ映画化のヴァイオレンス巨篇!

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

負の連鎖どころではない、地獄の復讐(犯罪)劇。
ザラーの映画を見ていると読みながら情景(シーン)が浮かぶので、ザラーの新作と出会えたような気にもなり、俺はかなり楽しんだ。
善悪は揺れ続け、殺されないだろうと思っていたキャラクターもあっさりと死ぬ「容赦の無さ」がザラーの表現。
殺し屋が家族を人質に取るくだりがとても良くて、ザラーの世界は間抜けが出てこないから最高。プロとプロの戦いを描く作家が俺は大好き。

0
2024年06月04日

Posted by ブクログ

アメリカの雪国の片田舎に左遷させられた黒人刑事が、警官対マフィアの抗争に巻き込まれていくハードボイルド。
暴力、ハードボイルド読み応えあるが、それとは別に、
人種の表現が気になった。日本にいると気付かないのだが、アメリカの雪国の田舎にも、白人黒人がいて、黒人に対しても色の濃い黒人などの表現があったり、アジア人、アジア系、当たり前のようにアジア料理が出てきたり、この本がどの程度世の真実を表しているのか知らないが、世界はどんどん人種や宗教関係なく広がってきているなと感じた。

1
2020年02月04日

Posted by ブクログ

ミステイクが元で豪雪吹き荒れる打ち捨てられた街、ヴィクトリーへと飛ばされた黒人刑事。そこで警官たちの暴虐に追い詰められた麻薬密売人が牙を剥いた。警官狩りの殺し屋たちに追い詰められる刑事たちの、剥き出しの暴力、そして殺し合い。家族を犠牲にされた主人公もまた、狂気の殺戮劇の渦中へと巻き込まれて行く。
力が凄まじい勢いで吹き荒れる怪作。途中途中に2度ほど全体の構図のおさらいが入るのは有難い。

1
2017年01月26日

Posted by ブクログ

 黒人刑事が治安の悪い町に赴任した。
 そこで起きる刑事殺し事件。
 なんというか、もう、これでもか、と言わんばかりの陰惨な暴力。硬質で力強い文体から、それが興味半分では無くて、人が何故生きるのかという根源的な問に見えてくる。
 いやー、面白い、でも重い。
 これを映画化ってどうなるんだろう。

1
2016年12月29日

Posted by ブクログ

何と残虐な小説か。怒りと悲しみが全てを支配する。勢いはある。物語は破綻している。何で鳩があれほど死んでいたのかわからない。爆走している。

1
2016年11月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なるほどタイトル通りの”虐殺”が繰り広げられる。
ストーリーは単純ながら、ブラックユーモアを通り越してエッジのたったセリフの応酬、皮肉でペシミスト的な比喩や暗喩が散りばめられ、まるで近未来のディストピアのような破滅的な街を背景に、刑事達と殺し屋?の執念の捜査と闘いが繰り広げられる。
ここまで残酷な描写が必要だとは思われず、その分、物語のカタルシスが下がったのは間違いないが、緊迫感、疾走感は並大抵のものではなく、昔ミッキー・スピレーンを最初に読んだ時のような衝撃がある。そういう意味ではこれだけ暴力描写があふれた中でも際立ったピカレスク調のハードボイルトと言える。
しかし、その中で本書が救われるのが、この狂気の中にあって主人公はどこまでも家族のことを考えて行動している点。たとえ常軌を逸してきてもそこに家族への愛情がある故、この小説はドラマとしても成り立っていて、夫と妻、父と娘、そして描写が少ない分、父と息子の交流が胸を打つ。
作者のストーリーテラーとしての力量は間違いなく、今後の作品を期待。

しかし、これを映画化、というのはどうだろう?
比喩も暗喩も使えないし、映像化できないシーンも多いだろうし。しっかりとした脚本とデビッド・エアーのような監督がみつかればいいかもしれないが…。

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2016年11月07日

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