【感想・ネタバレ】熊と踊れ 上のレビュー

あらすじ

【ハヤカワ・ミステリ文庫創刊40周年記念作品】凶暴な父によって崩壊した家庭で育ったレオ、フェリックス、ヴィンセントの三人兄弟。独立した彼らは、軍の倉庫からひそかに大量の銃器を入手する。その目的とは史上例のない銀行強盗計画を決行することだった――。連続する容赦無い襲撃。市警のブロンクス警部は、事件解決に執念を燃やすが……。はたして勝つのは兄弟か、警察か。スウェーデンを震撼させた実際の事件をモデルにした迫真の傑作。最高熱度の北欧ミステリ。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

過去と現在から語られる家族の物語
本筋は現代編の犯罪計画よりも過去編の親子の確執?葛藤?にぐいぐい。圧倒的に迷惑でしかない親父と三兄弟。しかしどうしようもなく親子なわけで。主人公は息子なのにどうしても迷惑な親父にシンパシー。セリフがかっちょいーから抜き出してPOPに。圧倒的な厚さのゲラの上に「頭の打ちどころが悪かった熊の話」の熊が。主人公レオも父親もそれぞれの「レディベア」を探していたのかもしれません。
犯罪計画を追う刑事が捜査の過程で父親の下へ行った際の描写「拳の関節のうち、人差し指と中指の付け根が陥没して平らになっている。頻繁に人を殴る人間の手だ。」に震えた
圧倒的ボリューム
抑圧的父権支配
父親は剥き出しの暴力で、妻を、息子を、家族を支配し、不器用に愛した。
少年は大人になり兄弟を護る為に銀行強盗を計画し暴力で夢を叶えようとする。
快調なクライムアクションの現在編と交差する息詰まる過去編がページの分厚さを感じさせない!

「これはな...熊のダンスだ。ちゃんとステップを踏んで、ちゃんとパンチを命中させれば、お前は熊にだって勝てる!」

弟たちにはわからない父親との愛憎渦巻く濃厚な関係。どうしても父親側の視点に寄りガチなのがもどかしい。父親に手を出したあの時のショックを受けた顔と今の寝たきりになった父親の顔も重ね合わせて古傷がグジグジする。

付箋の数だけ名シーンとセリフが押し寄せて鼻の奥をぶち抜かれて鉄の味がする!
圧倒的オススメです!
(※本編には熊は出てきませんw)

0
2019年03月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

書架で見かけて。

冒頭からすごく引き込まれた。
暴力をふるう父親、殴られ血を流す母親と
なんとか止めようとする長男とおびえる弟たち二人。
何がはじまるのかと思いきや、
次の瞬間には、その長男が銀行強盗になっていた。
弟たちと一緒に。

(下巻へ続く)

0
2019年02月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白い。翻訳とは思えないくらいスラスラ読めた。
ただ、時代背景が今ひとつわからないが、こんな簡単に強盗は成立しないのでは?と思う。

0
2024年05月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

実際の事件をモデルにした、父親の暴力で育てられた兄弟が起こした、などの事前情報をついうっかり読んでしまって、読み始めるのがちょっと億劫だったけど、ページを開いたら一気呵成に読み終えてしまった。

確かに父親の暴力シーンは読んでいて辛かった。
まだたったの10歳のレオ、7歳のフェリックス、3歳のヴィンセント。
父の暴力は子どもたちに向かうわけではない。
けれど、少なくともレオとフェリックスは、父の暴力の気配を怖れながら育ったように見える。

特にレオは、暴力を抑えられない父を、暴力に支配された男とみる。
だから自分は決して暴力に支配されることがないよう、自分を律して生きてきた。

で、何でそれが銀行強盗になるのかわからないよ。
結局自分を律することのできる自分ってのに酔ってるの?
警察に銃を向けられた時のために備えはするが、自らは暴力を振るわない銀行強盗。
権力にたてつき、強かに裏をかいて、勝利を得る。
レオの心理としてはそういうことなのだろうか。

しかし、頑固なフェリックス、臆病なヴィンセント、そして短絡的で自制心のない幼馴染みのヤスペル。
彼らをうまくまとめて、何があっても決して彼らを危険な目から守ってやる男として、レオは存在する。

だけどレオのしていることは、肉体的な暴力ではないけれども、精神的な暴力ではないのか?
弟たちは、特にヴィンセントは積極的に銀行強盗をしたいなんて思っていない。
そして、現在17歳のヴィンセントは、普通に生活していさえすれば、それほど兄の庇護を必要としないはずだ。
「守ってやる」そう思った時点で、レオは兄弟たちを精神的に縛ってしまったのではないか。

そして彼らを追うストックホルム市警のヨン。
彼もまた暴力に支配された家庭で育って来たらしい。
だから彼はレオたちのしていることは単なる『強盗』ではなく『安全の強奪』だ、と思っている。
過剰な暴力にさらされた人は、身体の瑕が癒えても心の傷が癒えないことが多いからだ。

レオたちの中で一番やらかしそうな人が、計画に反することをやらかして、単純な銀行強盗が大事になってしまったところで次巻に続く。

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2022年01月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

実際の事件をもとにした連続銀行強盗の話。 とにかくヤスペルが癌。あと親父。それと刑事が殆ど事件解決の役に立ってない気がするんだけど… (一般人も含め)誰が死んでも嫌だなあと思いながら読んでたけど、誰も死なずに済んでよかった。実際の事件でもそうだったんだろうか。だったら凄い。 あと、儲けを考えると銀行強盗はやっぱり割に合わなそうだ。

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2018年01月26日

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