あらすじ
教師、弁護士、会計士、医者、科学者、記者――。これまで人間にしかできないと思われていた知識労働者の仕事でも、もはや機械のほうが有能になっている。
あなたの仕事は機械に置き換えられてしまうのか?
そんなAI時代に、人間は、企業は、どう対応すべきか?
アナリティクス界の第一人者が教える
スマートマシンの最前線、人間の強み、そして生き延びる道
AI時代に生き残れる仕事はこれだ!
ステップ・アップ――自動システムの上を行く仕事
ステップ・アサイド――機械にできない仕事
ステップ・イン――ビジネスと技術をつなぐ仕事
ステップ・ナロウリー――自動化されない仕事
ステップ・フォワード――新システムを生み出す仕事
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
専門知識を必要とする仕事がまるっと機会に置き換わるわけではない。
ただし専門知識をもとに案を出すという最も価値のあった部分がAIに置き換わる。
あとはそれを人に説明したり、関係者の調整を行うという極めて人間的な部分が人の仕事として残る。
ヒューマンスキルがあればあとは誰でもできる、機械と人の仲介役の仕事に成り下がる。
■拡張
自動化でなく人のできることを拡張する。
宇宙観察や新薬開発など膨大な終わりのない作業。
※ただし拡張を進めると結局自動化にいくのでは?
・高度な能力
人間の判断のサポート、人間には測定できないことを可能にして人に判断させる
・便利ツール
面倒な作業を代行
・ステップ・アップ
全体を構想、管理する
・ステップ・アサイド
人とAIの間をつなぐ
・ステップ・イン
AIの現場装着
・ステップ・ナロウリー
AI化しないマイナー領域
・ステップ・フォワード
AIを導入する
Posted by ブクログ
本書はAI時代に人間に求められているスキルを場合分けして説明している。著者の本はどれも非常に説得的で、本書も例に漏れず面白かった。AIの進出とともに人間が駆逐されるのではないか、という話は昨今よく聞くが、著者はそのような意見に対してはどちらかというと懐疑的で、どうしてもAIにできない部分は必ずあるため、そこを人間が行い、人間の仕事とうまくコラボし共存していくことが望ましく、またそれが可能であると主張している。
やや脱線するが、AIの進出によって人々の所得配分比率は現状のままだとよりジニ係数が高くなるように作用する気がしてならないが、今一度どのような社会にしていきたいのかをよく見据えながら、それに向けて新しい社会の制度を構築していく必要があるように思える。
Posted by ブクログ
AI時代の勝者と敗者というタイトルは少々おおげさだが、AIによって置き換わる仕事?人間でなくてはできない仕事?などを体系的に整理した一冊。
内容はとてもわかりやすく、著者自身も少々強引である…という前置きのもと5つのステップで整理している。最初は分からなかったが例もわかりやすく、本の最後の方には理解できていた。
賛否両論あるとは思うが、コンセプトとして読んでおいた方が良いと思う良書。
Posted by ブクログ
これから広義での人工知能の普及は避けられないだろう。IT の能力の拡大が衰えているということはないので、いろんな仕事が自動化・無人化されていくのも避けられない。
そうなった世界でどんな仕事が残るのか、について理論的に整理し、実例をきちんと集めて裏付けたうえで解説した本。これからの時代、特に IT 関係者は読んでおくべき本だと思う。
自分の仕事がどうなるか、というのもあるが、仕事の自動化・無人化を考えるうえでも一読しておくといいだろう。自動化できないようなものを「できる」と判断するととんでもない悲劇が待っているので。
Posted by ブクログ
オックスフォード大学の研究によれば、コンピュータ化によって近い将来、米国の47%の仕事がなくなるおそれがあるという。(中略)
自動化で影響を受けるのは、医師や弁護士、会計士、教授など、これまで機械では置き換えられないと考えられてきた「知的労働者」である。
そして、先進諸国の労働者の4分の1〜半分が、知的労働者に相当する。
Posted by ブクログ
長い。が、5つの視点から自分の将来の仕事を考える点は有意義であると考える。ただし定義が明確でないためか、一つ一つの違いを理解するのは一読しただけでは難しい。
Posted by ブクログ
第一の自動化では機械が肉体的に辛い危険な仕事から開放した。
第二の自動化では退屈な仕事から開放した。
第三の自由化は機械が知能を向上させ、人間の判断を奪う。
高失業率が続くか、新しい仕事が増えるか。
スキルが身につかない。新人の教育現場がない。
キャリアアップの最初の数段がない。
AIに判断を任せると、バーナンキ元議長もローンが通らない。
高い次元での判断力で競おうとしても、1年後には追いつかれてしまう。
どうすればいいか、拡張する。
レジのスキャナは拡張に当たる。
ケインズは週15時間労働になると予言した。
そうならない理由は、消費が増えた、忙しさが満足感につながる、仕事は満足感を与える。
人間は拡張という方向で器械を使うから仕事が広がるだけで代替にはならない。
拡張の方向性
1,ステップアップ=自動システムの上を行く。より大局的な意思決定。管理職。
組織内の自動システムを監視する。
2,ステップアサイド=脇による。非決定作業をする
3,ステップイン=自動意思決定システムを作り使う側に回る。プログラマーではない。新しいシステムを使いこなす人。
4,ステップナロウリー。狭い専門領域を見つける。好きでやること。通常は一緒に勉強しないふたつの領域の交点にある。
5,ステップフォワード=新しい意思決定システムやテクノロジーを開発する、メンテナンスする。プログラムする。JAVAが圧倒的な人気を誇る。データサイエンティスト。
AIはひとつの道具に過ぎない、という考え方。
人類を根底から脅かす、地球規模と同じ脅威、という考え方=制御不可能問題。
プログラム、アルコリズムの教育が必要。
チーム作業の重要性。孤高の発明家ではできない。
賢明な意思決定のための教育。
仕事はそれ自体、生活の意義を見出す手段になる。
働いているほうが幸せになる。
Posted by ブクログ
人口知能を用いて自動化して人員削減すると、そこから進化できなくなると(疑問の余地はあるが)指摘し、人間を排除する自動化ではなく人間の能力を拡張する方向性を打ち出す。これからの人工知能と人間との関わり方については、人工知能に処理できない大局観をもった意思決定などを行うステップアップ、人工知能が得意ではない日決定作業である人を説得するなどステップアサイド、人工知能に携わり、それを理解し改善するステップイン、人工知能が関わって来ない分野を見つけるステップナロウリー、特定の分野で新たな人工知能などを開発するステップフォワードを提唱している。IBMのワトソンやGoogleのDeepMindと並んでファナックとプリファードネットワークスの提携も挙げられているなど、興味深い点もあるものの、全般的にはいささか新鮮さに欠けるきらいがある読後感でした。