あらすじ
西暦2030年。殺戮生物兵器・Sは英国製ではなかった。闘うたびに進化を遂げるSは、日本を支配するゲノム党がオアシス農場壊滅のため作っていたのだ。壊滅した農場には農耕用ヒューマンが送られた。Sとの死闘は3度目、狂四郎は肉を切らせて骨を断つ作戦に…。
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これほど人に勧めにくい名作があるだろうか。なぜなら、とにかく品がないのだ。セックスシーンが終わったと思ったら下ネタ、下ネタが終わったらセックスシーン、セックスシーン中に下ネタ…という具合に。だが、本作はそんなおふざけもかき消されるほどディストピアな世界観だ。第三次世界大戦が終わり、優生思想に支配された日本では、特権階級以外は男女が隔絶され、奴隷のように働かされていた。そんな世界では、バーチャル上でしかセックスができなかった! 主人公の狂四郎はバーチャルの相手・志乃に本気で惚れてしまう。なんと志乃はバーチャルキャラクターではなく、実在した。それを知った狂四郎は彼女に会おうとするが……。
一見、お下劣SFマンガだと思われてしまうが、優生思想の脆さや権威主義の過ちなど、人間の愚かさに切り込んだ作品だ。特に、12~15巻のアルカディア編は人間集団の残虐さがありありと描かれている。ここまで骨太なストーリーと下ネタを一つにまとめあげるのは、さすが徳弘正也先生としか言いようがない。余談だが、『ONE PIECE』の尾田栄一郎先生は徳弘先生のもとでアシスタントをしていた。尾田先生のどんな場面でもギャグを繰り出すところは、徳弘先生の影響を感じる。
感情タグBEST3
Sとの決着
Sとの決着にあたり格闘モノとしても面白かったが、八角ファミリーの寂しい最後が切なくほろ苦い。お下品ギャグとこんな良い話をブレンドして成立させると作者はすごいよ。
徳弘さんギャグおもろ
徳弘さんギャグがもうたまらんわ あいだあいだに ショーもない下ネタショーもない昭和ギャグが入ってくる そうでもなきゃこんなシリアスなデストピア読んでらんない