あらすじ
梨乱の手によって打ち直された殷雷刀は髪の毛や肌などすべてが白銀に輝き、その瞳には狂暴さがむきだしになっていた。殷雷の復活は完全ではなかったのか!? そして龍華に焼かれ墜落していった和穂の運命は!? 今すべての謎が明らかに!!
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Posted by ブクログ
これは面白かった!展開は一欠片も覚えていなかったが、なるほど鏡閃は確かに中ボスだった。大団円なんだろうけれど、和穂が龍華と再び暮らせない結末は大団円でも少し切ない。
そもそもちゃんと理解できなかったのだが、龍華の起こした大騒動が無かったことになり、鏡閃の復讐心も消すのなら龍華は死なないのでは?護玄は結局何をしてたの?夜主は龍華の魂の生まれ変わり?でも納得できるラストだった。大騒動で皆が忘れていただろう伏線も鮮やかに回収。終盤まで龍華と戦わないので、どう終わるのかやきもきしたが杞憂に終わった。
Posted by ブクログ
〉梅の木を見つめていた和穂の瞳に、唐突に涙が流れる。
〉とめどなく、わけも判らずただ涙が流れる。
〉和穂は梅の木を抱きしめ、泣いた。
若かりし頃、夢中になって読んだ中華ファンタジー。とあるきっかけで懐かしくなって再読中。
新米仙人が、誤って人間界に撒いてしまった726個の欠陥宝貝(ぱおぺい、仙人の作った魔法の道具)を一つずつ回収して回るお話。
仙術というものの取り扱いが、ただの魔法とは一線を画す重厚なものでそこが好きだった。
とにかく不可能事を可能にするのが封仙的仙術で、究極的にはなんでも出来る。
仙術的空間と言えば有限の瓢箪の中が無限の広さを持っていたりするし、仙界中の仙人数の何百倍の人手が必要な場所には、仙界中の仙人の何百倍の仙人が働いている。
どこか数学的な香りがする「なんでもあり」感が好きで。
宝貝が抱える欠陥や、道具としての業(誰かに使ってもらいたいとか、それぞれの道具としての特性に縛られるとか)が謎解きの鍵となっていたりストーリーの起点となっていたりしていて、大変読み応えのある知的パズルを構成している。
特に後期短編での切れ味と言ったら、こんなに知的興奮を味わえるファンタジーは前にも後にもいまだ出会えていない。
そんな唯一無二な書き手である「ろくごまるに」先生はしかしこの完結巻を出すまでに何年も読者をまたせた挙げ句に、その後はちょっと書いてはそれっきりという、ファン泣かせな状態を長年続けている。復活を切望するものであります。
設定的に無限に続けられる封仙短編を、是非書いてください。
あ、あと、2巻か3巻で殷雷が語っていた剣術の、力の抜き方と入れ方についての講義が、私の弓道の基本理念になっていることを書き添えておきます。