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Posted by ブクログ
〉梅の木を見つめていた和穂の瞳に、唐突に涙が流れる。
〉とめどなく、わけも判らずただ涙が流れる。
〉和穂は梅の木を抱きしめ、泣いた。
若かりし頃、夢中になって読んだ中華ファンタジー。とあるきっかけで懐かしくなって再読中。
新米仙人が、誤って人間界に撒いてしまった726個の欠陥宝貝(ぱおぺい、仙人の作った魔法の道具)を一つずつ回収して回るお話。
仙術というものの取り扱いが、ただの魔法とは一線を画す重厚なものでそこが好きだった。
とにかく不可能事を可能にするのが封仙的仙術で、究極的にはなんでも出来る。
仙術的空間と言えば有限の瓢箪の中が無限の広さを持っていたりするし、仙界中の仙人数の何百倍の人手が必要な場所には、仙界中の仙人の何百倍の仙人が働いている。
どこか数学的な香りがする「なんでもあり」感が好きで。
宝貝が抱える欠陥や、道具としての業(誰かに使ってもらいたいとか、それぞれの道具としての特性に縛られるとか)が謎解きの鍵となっていたりストーリーの起点となっていたりしていて、大変読み応えのある知的パズルを構成している。
特に後期短編での切れ味と言ったら、こんなに知的興奮を味わえるファンタジーは前にも後にもいまだ出会えていない。
そんな唯一無二な書き手である「ろくごまるに」先生はしかしこの完結巻を出すまでに何年も読者をまたせた挙げ句に、その後はちょっと書いてはそれっきりという、ファン泣かせな状態を長年続けている。復活を切望するものであります。
設定的に無限に続けられる封仙短編を、是非書いてください。
あ、あと、2巻か3巻で殷雷が語っていた剣術の、力の抜き方と入れ方についての講義が、私の弓道の基本理念になっていることを書き添えておきます。
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