【感想・ネタバレ】BISビブリオバトル部2 幽霊なんて怖くないのレビュー

あらすじ

ビブリオバトルとは、本を通して人をつなぎ、人と知識をつなぐ知的ゲーム。夏休みに入った美心国際学園(BIS)ビブリオバトル部は、造り酒屋を営む武人の家で夏合宿を開催する。夜、武人の両親や祖母を招待して行われたビブリオバトルのテーマは〈恐怖〉。部員たちはロウソク一本の明かりを頼りに、とっておきの怖い本を紹介するが、投票段階にとある不思議な事件が。さらに、公共図書館で行う〈戦争〉をテーマにしたビブリオバトル実演会の発表本決めで、武人と部長の聡が言い争いになり……。本格的ビブリオバトル青春小説シリーズ第2弾!/解説=福田和代

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Posted by ブクログ

ネタバレ

1巻同様に色々な本が乱れ飛ぶように紹介される内容は"本読み"としてもうれしい限りでした。「ビブリア古書堂の事件手帖」が好きな方にはおススメだと思います。


多々印象に残った中で、終戦後に残った戦艦長門が米軍に接収されビキニ環礁で原爆実験の標的艦にされた話の件は知らなかったことといえ、アニメの艦これを見ていたせいかもしれませんが少なからずショックでした。


今回の話のテーマが「戦争」という体験世代が少なくなってきている現代において、どのように展開されるのか興味はありつつも、重い話の内容になるのではという印象がぬぐえず、しばらく積読状態でしたが読み始めれば止まらず杞憂でした。今後も読み続けたいシリーズとして自分の中で"確定"になりましたね。3巻の親本は発売されてますが文庫化を楽しみに待ちたいと思います。

0
2017年05月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

これまでと比較すれば バトルの質は
高いとは思えない。緊迫感には乏しい。

でもそれこそが この作品の果たすべき
役どころではないかと思う。

ビブリオバトルで伝えるべきは
発表者の思いではなく 作者の思い。

この作品は ビブリオバトルの
福音書として とても正しいベクトルで
語り始めている。

ストーリー展開はこれまでと変わらず
クライマックスのバトルに向けて
空や武人の視点から いくつもの
エピソードを絡めつつ盛り上げてゆく。

テーマが「戦争」のビブリオバトル。
様々な思想や立場 権益が
複雑に絡み合うテーマ。
それだけに ビブリオバトルの本質に
触れることができたのではないか。

ビブリオバトルというネーミングは
この試みの本質を表してはいない。
バトルという表現を用いることで
多くの人を巻き込むことに成功したが
闘うことが目的ではない。

勝ち負けは関係ないのだ。

自分が大好きな本を たくさんの人に
読んでほしくて 力いっぱい勧める。

誰がどんな本を読んでも自由。
どんな感想や思想を抱くのも自由。
バトルが人の読書傾向や思いを
ひとつのベクトルに収束させようとする
誘導行為であってはならない。

ビブリオバトルは バトルではない。
相手を言い負かそうとする態度も
間違っている。

ともすれば 勝敗にばかり
注目されてしまうネーミングだが
この作品は ちゃんと本質を踏まえた
気品に満ちている。

ビブリオバトルに興味を持った若者
すべてが まずこの作品に
触れてほしいと願う。

もちろん強制はしない。
それが本を愛する者の
高潔なマナーだから。

0
2017年05月07日

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