【感想・ネタバレ】無私の日本人のレビュー

あらすじ

2016年5月に映画化! 「殿、利息でござる!」の原作。

清廉な生き方を貫いた三人を、歴史の中から掘り起こした感動作。

穀田屋十三郎-伊達藩の貧しい宿場町に生まれた商人。同志をあつめて一家離散を覚悟で大金を集め、それを伊達藩に貸し付けて、その利息で、滅びようとする郷里を救おうと奔走。

中根東里-江戸時代を通じて空前絶後の詩才の持ち主ながら、栄達を求めず、極貧のうちに村儒者として死す。

大田垣蓮月-津藩家老の娘として京都の花街に生まれた絶世の美女。家庭に恵まれず、尼僧として京都郊外に庵をむすび、当代一流の文人墨客と交流。

大ヒット映画「武士の家計簿」に続き、気鋭の歴史家が描く日本人の誇るべき美徳。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

穀田屋の末裔を探す番組を見て興味を持った。現代まで「何も驕らず、高ぶらず、地道に暮らせ」を守った末裔は、本当に素晴らしいなと。
本を読んで、そのひたむきな姿に心を打たれた。映画も見てみたい。

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2019年09月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

江戸時代、特にその後期は、庶民の輝いた時代である。江戸期の庶民は、親切優しさと言うことでは、この地球上のあらゆる文明が経験したことがないほどの美しさを見せた
心は種である。果てしない未来を開く種である。1粒の種が全山を満開の桜の山に変えるように、心さえしっかりしていれば、驚くほどの奇跡もなし遂げられ
300年、党を組まぬように、しつけられてきたこの国民が、明治になって、政党政治と言うものを、うまく飲み込めなかったのは、至極、当然のことで、それは後々までこの国の政党政治をみすぼらしいものにした
金と言うものは、雪玉に似ている。一旦核になる資金ができると、雪玉が転がるように、金が金を呼び、玉は大きくなっていく
江戸時代、特にその後期は、庶民の輝いた時代である。江戸期の庶民は、親切、優しさと言う事では、この地球上のあらゆる文明が経験したことがないほどの美しさを見せた
本当に大きな人間と言うのは、世間的にえらくならずとも金を儲けずとも、ほんの少しでも良い、濁ったものを清らかな方に変える浄化の力を宿らせた人である。この国の歴史の中で、私は、そういう大きな人間を確かに目撃した。その確信を持って、私は、この本を書いた

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2021年01月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

著者は、江戸期に生きた、世にあまり知られていない穀田屋十三郎、中根東里、大田垣蓮月という3人の生き方を、あまり残されていない史料を繋ぎ再現してくれた。

動機は、日本人ならではの清い生き方を、自らの子どもや、未来の人たちに伝えたいと思ったからだそうだ。

最初の穀田屋十三郎は、映画「殿、利息でござる」を観たので、ここを読むのは省略してしまった。本当は、原作と映画でそれぞれ味わってみるというのがよいとも思うのですが。

余談だが、著者もこの映画に出演しているとの事だが、それをあとから知ったので全く気がつかなかった。

二つ目の中根東里については、彼の清貧な生き方よりも、その師であった荻生徂徠の悪徳ぶりのほうが印象に残った。歴史の教科書では、偉人の一人として称えられているが、本書を読むとクソ野郎としか思えない(笑)。磯田氏が教科書に書かれていない本当の歴史を追究されている意味がよくわかる。

三つめ、大田垣蓮月の生き方もまさに無私の歌人であり、陶芸家だ。晩年、陶芸を通じて富岡鉄舟を育てた。鉄舟は西郷とも関係が深い。

少なからず、その人格形成に影響を与えたことからすると、彼女は幕末の流れに影響を与えた女性であると言えると思う。

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2018年01月29日

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