あらすじ
ときは1866年、大西洋に謎の巨大生物が現れた! 異形の〈怪物〉の目撃譚に人々はおののき噂した。白鯨か? 伝説の怪異か? はたまた超自然現象か? 議論が沸騰するなか、アロナクス教授はその正体を暴くため、使用人のコンセイユとともに高速フリゲート艦に乗り込む。それが、驚くべき旅の始まりになるとも知らずに──。少年から大人までをも魅了する海洋冒険ロマンの傑作、新訳。
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Posted by ブクログ
いつか読んでみたいと思っていた作品。読んでみました。
題名は『海底2万里』です。原題に書かれているフランスの単位「リュー」と日本の「里」が両方とも約4キロメートルなので、2万里と意訳されたそうです。深さではなく、北へ南へ行きながらの航行距離8万キロメートルのお話です。(地球1周は約4万キロ)
最初の方は北緯・西経の位置を地球儀で確認して何処辺りを航行していているか調べていたけれど、徐々に手を抜いて参照を見ずにとりあえず前に読み進めていきました。
この本が書かれたのは1869年。まだエッフェル塔がなく、蒸気船が全盛期の時代に、これだけ調べ上げ、生物や産業知識を詰め込んだ著者に尊敬の念以外ありません。
今読んでいる私でもこんなにワクワクしていのに、当時の人はどんな思いで読んでいたのでしょう。
ネモ船長の年齢が35歳から50歳?フランス人ではないよう?…航海の日にちの流れを感じつつ、こういう設定にできるのは、本ならでは。
『地球に必要なのは新しい大陸ではなくて新しい人類です!』と言うネモ船長。
なぜ現世を捨て潜水艦に住んでいるのか。潜水艦の乗組員は何者なのか?宗教観は?厳かな雰囲気で下巻に続きます。
Posted by ブクログ
ジュール・ヴェルヌの本はロマンと神聖さを感じる。アロナックス教授が青年・コンセイユ、銛付き・ネッドと一緒に巨大深海魚を探す。船が何らかの巨大物体と接触し3人が海へ投げ出される。巨大物体は潜水艦(ノーチラス号)であり、ネモ船長に囚われの身となる。この潜水艦の技術は最強で、ネモ船長の監視下で海底旅行をする。挿入絵が理解を深め、さらにその神秘さとワクワクが増す。イカの大群、珊瑚群生などは圧巻。また、とある島に上陸し、土民との戦いがあり笑ってしまう。色んな感情を引き起こしながら、ネモ船長との旅、下巻が気になる。⑤
多くの方々の感想、四畳半神話大系の主人公の愛読書?そうなんだ!
Posted by ブクログ
日常生活からの隔絶され、生死の手綱を他人に握られた人々は何を思い行動するのか
故郷への渇望、まだ見ぬ世界への知的好奇心、置かれた状況への淡い期待、絶望
自分達の命を握る潜水艦の主ネモ船長
脱出が許されない以外は最大限の限られた自由を与えてくれるが、時折激しい一面も見せる
突如として閉じ込められた非日常の中で人々はそれでも強く生きていく
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まだ見ぬ、誰も知らない海の世界を旅する
それだけでもワクワクしてしまう世界観に限られた自由やネモ船長の見えない心の内
置かれている状況はいわば監禁だが、誰も見た事がない世界への好奇心が溢れ出す
そんな中での仲間との信頼や衝動、時折のぞかせるネモ船長の心のうちがただでさえ面白い世界観により一層の深みを与えてくれていると思います!