【感想・ネタバレ】シャープ崩壊--名門企業を壊したのは誰かのレビュー

あらすじ

絶頂から鴻海買収交渉まで転落劇のすべてを活写! 「キングギドラ経営」「会長主導のクーデター」「1社長1工場」――。シャープは権力者の人事抗争の末に悲劇が起きた。堺工場に代表される液晶事業への身の丈にあわない巨額投資の失敗はもちろんだが、経営危機に陥った後に内紛が激化し、効果的な打開策を打ち出せず、傷口が広がった。液晶主導の成功から赤字転落、鴻海精密工業による買収提案まで、日本経済新聞大阪本社・経済部が総力を挙げて名門企業が瞬く間に転落する姿を描く緊急出版!

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Posted by ブクログ

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こんなん書いてええんかー、って内容多数。
信憑性不明。

・シャープとサムソンが結んだ資本提携の内容に複写機事業売却に関する優先交渉権の件が。。。

・2013年大型増資(新株発行)は東京オリンピックの神風によるもの。東京オリンピック開催決定による株式相場の上昇が無ければ銀行が首を縦に振らなかった。へー。

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2016年08月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

実に興味深い内容ですねぇ。
技術力のあるシャープ。しかし、営業力が弱く長年二流とされてきた同社が液晶テレビで一躍超一流企業となり、そして人事抗争により地に落ちる。
マジでドラマにしてほしいような内容です。

設備投資はキャッシュフローの中で済ませ、売上高の1割を超えない、というのがシャープの基本的な財務のルールだったそうな。しかし、そこは経営という仕事の難しいところ。失敗したから「身の丈にあった経営ができなかった」と言うが、成功してたら「イチかばちかの勝負に出た」となるんだろうし。
まぁ、でも俗に言われているように1本足打法的経営は無理があったんでしょうね。同じ産業が延々花形であることは世の中ありえませんからね。

やっぱり、、、、、ドラマ化きぼう♪小説でもいい、池井戸さんあたりに書いて欲しい。

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2016年03月28日

Posted by ブクログ

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この本を読んだ2016年3月の時点で(本の出版は2016年2月)、シャープの行く末は鴻海に委ねられたが、偶発債務が出てきたことで、まだ確定していないという状況にある。本書は、シャープが経営に失敗して内部から崩れていく様子を取材によって明らかにしたものである。会社が傾いた原因は、一時は成功のシンボルとなっていた液晶事業の不振、ことに堺工場などの過剰投資、にあるが、その判断に至る経営層の駆け引きが描かれている。

もちろん、ここに書かれた人物評価は一面的なものではあるだろう。また、その行動評価は結果を見た後付けの評価であるかもしれない。それでも、その結果に対する責任は問われるべきではあるだろう。片山氏が社長に就いたのは、49歳の若さであったのは驚き。期待と不安は大きかっただろう。自分が学生のときの企業訪問で天理の研究所を紹介してもらったとき、TFTカラー液晶搭載の試作ノートパソコンの上でカラー動画が滑らかに動くのを見せられ、これからは液晶の時代だと説明してくれた方が言っていたのを思い出す。液晶の時代は確かに来たが、それが仇になり命取りとなったのは皮肉だ。そして悲しい。
ただ、似たような事例は海外でもあり、NOKIAやKODAKもそのよい例だろう。企業が成長を目指して何かに賭けるのはそのときには合理的な判断である場合もあるだろうし、古典となっているクリステンセンの『イノベーションのジレンマ』にあるように既存顧客と製品を重視するという合理的判断が破壊的イノベーションによって致命的となることもあるだろう。企業のライフサイクルはもしかしたら個人のライフサイクルよりもずっと短くなっていくのかもしれない。企業が行う賭けや判断に個人の人生を同じようにかつ受動的に賭けてしまうべきではないのだろう。別の本だが、最近読んだ東芝から出た竹内健氏の『10年後、生き残る理系の条件』などで語られる話ももっと一般的な話になっているんだろうな。富士通の人事から飛び出した城繁幸氏の『「10年後失業」に備えるためにいま読んでおきたい話』という本も読んだ方がいいのかもしれない。

第10世代のガラス基板を作れるのは今でも堺工場しかない、とか太陽電池用のシリコンを2008年に20年まで長期購入契約を結んだ後にシリコン市場が暴落した、など結果として大きな経営判断ミスが重なったが、成功と成長を積み重ねる中でシャープ経営陣の中でリスクに関する意識が弱くなっていったのかもしれない。設備投資はキャッシュフローの中で済ませ、売上高の1割を超えない、というのがシャープの基本的な財務のルールだったそうだ。結果論であることはわかっているし、当時に投資抑制の判断をすると批判や反発を浴びたであろうことは想像に難くないが、その受け継がれたルールを守っていればこのような破滅的なことにはならなかっただろう。そのルールの裏には、かつて行った人員整理をもう二度と行わないという昔のシャープの経営陣の想いがあることを考えるとなおさらである。

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2017年04月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

大きな成功体験が企業を、人々を変えてしまった。驕れるものは久しからずということか。
シャープ贔屓だったこと、自身に近い業界の話であることから手に取りました

さっと読む限り、4代町田社長、5代片山社長の責任が大きいと
勿論、経営者としての責任は重大で当時の液晶偏重過剰投資が致命の失策なんでしょうが…
(しかし、そもそも4代5代にて液晶で一山当てなければ、この時代に生き残れたんかね?)

そこからの人事抗争の話は一面的な見方なのではないのかな~
新聞社らしいコメント切り取りの浅薄な本にも感じさせてしまうね
結局のところ経営者の器を持つ者が現れなかった(居なかった)ということだろう

自由闊達に面白い製品を世に出していた在りし日のシャープを思うと、ただただ悲しいな

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2019年05月04日

Posted by ブクログ

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日本経済新聞社によるもの。

感想。
昔のシャープの印象は、他の電機が苦戦している中、液晶絶好調で選択と集中ってこういうことだというもの。そこから今に至る経緯を簡潔に整理・説明してもらえたのはよかった。
中身は分析というよりは取材の組み合わせで、週刊誌チックな文章。あくまでいち読み物として捉えておきたい。

備忘録。
・シャープは人事抗争の末に悲劇が起きた。堺に工場に代表される液晶事業への巨額投資失敗、経営危機に陥った後の内紛劇化とか。
⇒人事抗争の記載は豊富で細かい。というかそればっかり。
・液晶に成功した後に、その次を目指すべきだったが、あまりの過剰投資に余裕がなくなった。
⇒本質はきっとここ。ここの記載は薄い。
・太陽電池の材料となるシリコンの安定調達を優先し、異例の長期調達契約を結んだが、その後価格が大きく下がり、結果的に長期間高値仕入れ。
・コンサル利用。最初PwCが資産査定や再建案、次にCVA、FMI、最後にBCG。
・15年1月には主力のみずほと三菱から人が派遣され再建計画づくり開始。
・主力2行が恐れていたのはシャープが法的整理を選ぶこと。だから扱いやすい高橋社長に残ってもらうのが都合が良かった。

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2016年04月10日

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