あらすじ
地球からの異星調査隊が不思議な共生生物と出会い深い関係を結ぶ「いっしょに生きよう」、神の死の報を受け弔問に来た悪魔の考えた天国再活性化計画が意外な展開を見せる「悪魔、天国へ行く」、55年後の自分と2週間だけ入れ替わった男女が、驚愕の未来に当惑する「もどれ、過去へもどれ」など、その生涯にわたってSF界を驚かせ強い影響を与え続けてきた著者による、中期から晩年にかけて執筆された円熟の10篇を収録。
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Posted by ブクログ
邦題がやたらと格好良いことで有名なティプトリーの短編集。SFもの、寓話もの、ディストピアもの、神話ものが詰め込まれており、かなりバランスが良いと思う。
個人的に面白かったのは、自分自身が、過去~未来の自分自身と入れ替わることのできるタイムトラベルものの「もどれ、過去へ戻れ」と、地球を男性として愛し、一生を地球のために捧げる女性の話の「地球は蛇のごとくあらたに」。
後者はティプトリーが別名義で書いた作品らしく、らしくない笑いの要素などが新鮮で楽しめる。
Posted by ブクログ
SF。中短編集。
「いっしょに生きよう」は『SFマガジン700海外篇』で既読のためスルー。
SFっぽくない作品もいくつか。ガッツリSFのほうが好み。
良かったのは、ファーストコンタクトもの「アングリ降臨」と、残酷なタイムトラベルもの「もどれ、過去へもどれ」。
正直、「いっしょに生きよう」がベストで、それほど収穫は大きくなかった印象。
ティプトリーファンの人なら、晩年の作品ということで価値があるかも。
Posted by ブクログ
SF好きな方なら、ティプトリーについて今さら説明するまでもないと思います。
そんなティプトリーの中でも、飛び抜けてストレートな作品が集められた短編集だと思います。ティプトリーの作品には様々な暗喩が込められていることが多いですが、この短編集に納められた作品はどれもこれも「言いたいことがすぐわかる」ある意味シンプルな、その分グサグサ来る鋭さを持っています。
鴨的に印象に残ったのは、「ヤンキー・ドゥードゥル」「もどれ、過去へもどれ」「地球は蛇のごとくあらたに」の3編。
特に「もどれ、過去へもどれ」「地球は蛇のごとくあらたに」はどちらも「痛い」女の話で、ここまで痛い女性像を描けるのはティプトリーならでは。どちらの話も、後味が悪いんですよねー。この後味の悪さを楽しめるようになったら、SF上級者の仲間入りかもヽ( ´ー`)ノ
Posted by ブクログ
「アングリ降臨」に書かれた、宇宙人の驚くほどの無邪気さと不理解さ、それに熱狂する地球人の様子が、一番彼女っぽい作風だと思う。
あとは…、残念ながら退屈。まどろっこしいというか、いつもの奔放さを失っているというか。全ての作品の結末が、なんだか小さく収縮してディストピア風味に終わっちゃってるのが悲しい。
読み終わって、本の帯に、「ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの最後の短篇集!」って書いてあるのを見つけて、「ああそうだったんだ」と納得して、それから切なくなった。