あらすじ
アメリカ、中国、韓国が「文明」を理解できない国だとするならば、ロシアは「熟知したうえで破る」国。殺戮、粛清、謀略――血塗られたヨーロッパ史において何度も這い上がってきたサバイバル術とは? 一度の敗戦で70年も敗戦国のままにされている日本にとって、学ぶべきヒントはロシアにあった
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ロシアについて
一部、ご紹介します。
・ロシアは文明を破るために熟知する。国際法は人を騙すための道具。
・ロシアの外交戦略は
①何があっても外交で生き残る。
②とにかく自分を強く大きく見せる
③大国相手の二正面作戦を絶対にしない
④戦争の財源を最優先でひねり出す。国民が餓死してもかまわない。
⑤弱い者は潰す。火事場泥棒。
⑥受けた恩は必ず仇で返す。「騙して人を出し抜け。騙されるほうが悪い。」
⑦約束を破ったときこそ自己正当化する。
⑧どうにもならなくなったら綺麗ごとで誤魔化し、時間稼ぎ。
・自分より強い相手とは絶対に喧嘩しない。自分より弱い相手の話は絶対に聞かない。
・日本共産党は、ヤクザの世界でいう「フロント企業」であり囮。陽動の隙に本体であるコミンテルンは国家の中枢に入り込む。
・戦争で奪われたものは、戦争で取り返すしかない
・ロシアが国境を外へと広げたがるのは、他の大国と直接国境を接しないように、いざというとき切り捨てることのできる緩衝地帯が欲しいからだ。
・他人の土地を支配するということは、原住民を人間扱いしないことが肝要。
大日本帝国が滅びた原因の一つは、朝鮮人を同じ人間として扱ったからだ。
Posted by ブクログ
小説でもないのに珍しく星五つ。それほど感動し、知的興奮を覚えた。
1618年の30年戦争勃発。1648年のウエストファリア条約で、のちの世界は第一次大戦まで、戦争は大国間のゲームと化す。ヴェルサイユ条約以後、世界は戦争を総力戦、撃滅戦と意識する。
満州国を承認していた国は世界20か国。
シベリア出兵は戦争をやめたロシアのせいで、チェコが孤立。ソ連に拉致されたことを受け、チェコ軍を救出するために行われた。結果は成功。ウッドローウイルソンのとんでもなさの記述。
日ロ対立に仕向けたドイツ。
満州で日本人拉致が横行。満州事変に至る。
ノモンハンではどちらも勝ちなし。日本は3万で30万のソ連軍に打ち勝つ。航空戦では圧勝、敵を1673機破壊。179機の味方被害のみ。
洗車戦は800両破壊、29両の味方破損。
以上はソ連崩壊後の資料開示によって最近分かってきたこと。
などなど、満州関連も含め、欧州と極東を関連させてその影響の行方を追っているので、とても面白かった。文中の著者のおふざけにも笑えて良し。