あらすじ
1878年(明治11年)、動乱の幕末は遠ざかり、長崎では海外貿易で莫大な利益を得る商人が多く現れはじめていた。
西南戦争で親を亡くした少女・美世(みよ)は奉公先を求めて鍛冶屋町の道具屋「蛮」(ばん)の扉を叩くが、そこで彼女を待っていたのは、店主・小浦百年(こうら・ももとし)がパリ万博で仕入れてきた最先端の品々と、それらに宿るベルエポックの興奮と喧騒だった……
ジャック・ドゥーセのドレス、ダニエル・ペーターのミルクチョコレート、シンガー社のミシン、セーラー服、エジソンの蓄音機、革ブーツ、眼鏡、幻灯機(マジック・ランタン)……
先進と享楽の都・パリ渡来からやってきた“夢の品々”に導かれ、少女はまだ見ぬ世界へ歩み出す……
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
明治初年の日本、西南戦争で親を亡くした少女・美世は奉公先を求めて長崎の道具屋「蛮」の扉を叩く。そこには、店主・小浦百年がパリ万博で仕入れてきた最先端の品々があふれていた。ジャック・ドゥーセのドレス、ダニエル・ペーターのミルクチョコレート、シンガー社のミシン、セーラー服、エジソンの蓄音機、革ブーツ、眼鏡、幻灯機(マジック・ランタン)……“夢の品々”に導かれ、美世はまだ見ぬ世界へ歩み出す。
Posted by ブクログ
明治の世。
この時代って本当に面白い。
引っ込み思案でエスパーな美世が、世界の発明品や物品を通して叡智に触れる。
Singerミシン、私も買った。
本当に素敵な発明品だと思う。
最近リイド社さんのコミックスに良く惹かれる。
借り物だけどツボ!
さすがよくわかってる!
『蝶のみちゆき』からも繋がる人生の悲哀もあり、几帳さんのその後も垣間見えて切ない。
Posted by ブクログ
久しぶりに、ストーリーを追うだけではなく、細部をしっかりと眺めながらゆっくり読める漫画に出会いました。
本棚のいつでも手に取れるところにおいて何度も読み返したい。
Posted by ブクログ
日本を見つめ直すというのも もちろんあるし、美代が成長していくのを見ていると自分はなんてちっぽけで可能性に満ち満ちているのかと気付かされる。
新しい世界に踏み込むことは勇気がいるし、その凄さは当人にしか分からない大変さであるということが分かった。
Posted by ブクログ
ダヴィンチ・プラチナ本から。試しに1巻だけ読んでみたけど、これはなかなか面白い。主人公の持つ、触れたものの未来や過去が見える能力がキモになるのかと思いきや、それはほんの味付け程度。専ら文明開化の興奮を伝えることに主眼が置かれていて、そしてそれはあらかた成功している。着眼点がまず面白いし、当時の状況喚起力も素敵。読み続けたくなる作品。
Posted by ブクログ
シーボルトの娘さんの話しが思いだされました。
明治アンティーク浪漫、画力があるから出来た本なんですね。
たまたま爆買いした一冊が、この本で良かった。
Posted by ブクログ
1年ほど前にデュラス原作の「愛人ーラマンー」の漫画化を読んだあと、気になっていた人。
もしかしたら、
「こころの時代「光に向かって」(2021年9月5日、NHK-Eテレ)」
を見たかもしれないし、似た内容のウェブ記事を読んだのかもしれないが、ずっと興味を持っていた。
で、代表作を読むことにした。
これはいいものだ。
一コマごとに人の顔がいい。
アートと娯楽が高水準で結び合っている。
個人的にはルイス・キャロル「不思議の国のアリス」の初版本1865が登場しただけで、100点越え。
しかも枠物語として、1944年熊本の空襲の最中におばあちゃんが語ってくれた、1878年長崎、という設定。
これは凄いぞ。
人に留まらず「物」にフォーカスする、しかも19世紀の……これはあの世の稲垣足穂や澁澤龍彦に教えてあげたい。
2巻以降読むのが楽しみ。
Posted by ブクログ
明治時代の長崎に暮らす、触れた物の過去と未来を視る少女・美世。そんな彼女が奉公先の輸入雑貨店で出会ったのは、瓶底メガネの店主と髭面の店員、そして見たことのない海外の優れた商品や文化。こういうレトロ溢れる世界観は大好きです
明治といえども
明治といえども地方ではまだこんな感じなんだーというのがすごくわかってよかった。
この時代もすごく面白いな。
急速に外国文化が入ってきて目まぐるしく変わる世界が面白い。
Posted by ブクログ
コミック乱で 見てたけど「ああ、さよけ」で見逃してた。
作中にちょろちょろする『不思議の国のアリス』とか、「贋金作りで儲けている」と称するをっさん方とか、けっこういい感じ。
若干「当時日本へこれが来てたと言い張る」かっこいい大嘘が混じる。その辺のアレがかっこいいのだが。
別に当時の日本を殊更に卑下するとか、はまぁ見られない。
Posted by ブクログ
パリ万博直前の明治時代の日本とパリを舞台に繰り広げられる人間模様。決して派手な物語ではないが、主人公美世の視点に立って新しいことに出会う喜びが思い出されたらもうこの作者のとりこかもしれない。
Posted by ブクログ
明治時代の浪漫がつまりまくっている。それは現代が明治にたいして感じる浪漫、明治の日本が世界に抱いた浪漫。ノスタルジーに浸り切るだけでなく、現代人として現代にも浪漫を見いださないといけない、と思わされる。
Posted by ブクログ
もっさり髪の自信なさげなヒロインが可愛い(とか思う自分ゲスいな~と思うが)。コマゴマした描写が楽しい明治浪漫。コマとかページの構成が微妙に引っかかるけど、こういう絵は好きです。サイコメトリーに似た能力を持った女の子が輸入雑貨店(?)で働くみたいなよくある設定だし、これから物語でどう見せてくれるかなーというのが楽しみ。