あらすじ
〔暁のZ作戦〕一九三六年の二・二六事件から一九四五年八月一五日の敗戦まで日本の激動の時代を臨場感溢れる筆致で描き、ピュリッツァー賞を受賞した傑作ドキュメント全五巻。〔1〕では、二・二六事件、盧溝橋事件から日米の和平交渉の難航と決裂、真珠湾攻撃へと突き進む開戦前夜までを追う。
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Posted by ブクログ
二・二六事件から始まる本書は読みごたえがあります。その中でも圧巻はアメリカ国務長官コーデル・ハルと野村吉三郎との日米交渉過程が克明に語られているところです。そして作者は「相互の誤解、言葉の違い、翻訳の誤りなどといったものが、日本的な日和見主義、下剋上、非合理性、名誉心、プライド、恐怖、そしてアメリカの人種偏見、東洋に対する不信と無知、硬直化した態度、独善、面目、国家的な自負と不安などといったものによって増幅され、戦う必要のない戦争が、いままさに開始されようとしていた。」と結論付けました。こんにちの日中間の緊張は、作者の結論付けた状況に似ているのだろうか。それとも両国とも実際以上に国民に対して危機感を煽っているのだろうか。