あらすじ
島の見学ツアーに出発した顧問団の一行、そしてパーク創設者の孫である子供たちを見舞った、すさまじいパニック! コンピュータで完全にコントロールされているはずのシステムに次々と破綻が生じ、停電したパーク内で、獰猛なティラノサウルスが、悪賢いヴェロキラプトルの群れが、人間たちに襲いかかる。科学知識を駆使した新しい恐竜像、ロマンと興奮あふれる面白さで話題をまいた、スーパー・エンターテインメント!
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これぞまさに読む映画!傑作恐竜映画の原作小説!
遺伝子技術によって作られた恐竜のテーマパーク。しかし完璧なはずのセキュリティが度重なる予測不能な出来事で次々とシステムが破綻、パークの視察団は恐怖のドン底に……!恐竜映画不朽の名作、その原作小説です!
映画は役者の演技や巧みな演出で素晴らしい臨場感でしたが、原作には映画で語られなかった設定やエピソードが満載。綿密に練り込まれた科学技術の話や恐竜の種類の豊富さ、登場人物の性格の違いなど粗筋を知っていても絶対に楽しめます!
情けなさが目立つ弁護士ジェナーロが格好良かったり、悪役ネドリーが気の毒な人だったり、優しげなハモンドが結構嫌な奴だったり。小説では人物の心情が描かれているのも良い所ですね。恐竜と遭遇するシーンでは戦慄の様子が生々しく、音も声もないのに背筋がゾッとします……!
原作者の発想や構成力はもちろん、これを最高の形で映画化した監督の凄さも改めて感じられる傑作SF。映画版のファンにもぜひぜひオススメしたい一作です!
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Posted by ブクログ
映画とは結末がかなり異なる。
映画では、弁護士が真っ先に捕食されるが、弁護士は生き残り、映画では生き残っていた、数学者、創業者が亡くなる。
特に創業者の人柄がかなり悪く(全てを従業員など他人のせいにする)最後は無惨な最期を迎える。
数学者は、映画では生き残り、その後のシリーズでも活躍する重要人物だから、亡くなったのは衝撃的。
また、遺伝学者のウーも映画では、その後のシリーズに登場するが、本書ではラプトルに殺されてしまう。
物語の終盤、ラプトルの卵の数を数えに行ったシーンは必要だったのか疑問。
そして、著者は女の子の子どもが嫌いなのかと勘ぐってしまうほど、本書の女の子の描かれた方が酷い。
対して、男の子の方は頭が良くて、本書終盤で大人たちのピンチを救うなど大活躍をする。
前半ではティラノサウルスが暴れまわったが、後半ではラプトルたちに追い詰められる。
映画は単なるパニック映画だったが、原作は、人間が神のように、生物の生き死にをコントロールすること、自然への敬意を忘却していることへの警鐘、科学者、技術者たちへの批判に焦点があてられていた。