【感想・ネタバレ】晏子(四)のレビュー

あらすじ

崔杼は慶封と手を組み君主を弑した。一旦は崔杼の専制が成ったかにみえたが、崔氏は分裂崩壊し、代わった慶氏も謀せられた。脆弱不安の政情下、晏嬰は天の意志、民の声を全うしうるのか。後代、司馬遷がその御者になりたいとまで敬慕した晏嬰。彼の毅然たる進退の冴えは、様々な組織に生きる我々現代人にも深い感銘を与えるだろう。稀代の聖人の人生の哲理を捉えた巨編、堂々の完結。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

晏子の4巻を通じて登場する崔杼が没落するところに関する晏纓の論が興味深かった。荘公への憎しみが深いほど手厚く葬り、自身の幻影を見せれば、死ぬことはなかっただろう、ということである。それだけ荘公への憎しみが深かったということであれば、そのために崔杼は死んだということだ。ここに、学びがあった。強い憎しみだけで行動してはいけない。
季札から晏纓への助言も興味深い。危ういバランスをとっている閣内において、職位を返上し距離をとることで、政争に巻き込まれないようにアドバイスしている。これは非常に重要なことだと感じた。正道のない嵐が巻き起こっているときは、距離を置くのが吉と出る。
あとは、和と同の話か。
話は例えるならスープ。火と水が合わさって、美味しいスープができて飲むことができる。同は水と水、合わさっても生み出されるものはない。王が言うことを察して、答えるだけでは、同であり諫めたりさらに深めたりすることが和であると理解した。
自分が人を用いる立場にあっても同ではなく、和を大事にするようにしたい。

0
2021年12月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

崔杼が死んだ。
君を弑して終わりが良いはずはないが、哀しい。
そして、晏嬰も死んだ。
景公は、御者を押しのけ、みずから馬を御しながら
「これでも馬は走っているのか」とわめき、
ついには自分の足で走った。
少々出来が悪くても愛すべき君主だった。

最近の宮城谷さんの本はなかなか文章に没頭できない面があるけど、この本は何度読んでもドキドキしたり、泣いたりしながら、晏子親子の生涯を時間軸を同じくして見続けた気がする。

0
2015年03月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読破!
晏子は、国の為に主君にものを言い、国の為に行動で示す。
現代の我々は、何の為に生き、何の為に言葉を発し、何の為に行動したらの良いのだろう。

0
2014年09月17日

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