あらすじ
遺伝的アルゴリズムを研究するうち、「神」の意図に理論的に到達してしまった人工生命進化の研究者・和久良輔。「サールの悪魔」という言葉を残し失踪した良輔を追う妹・優歌。彼女がたどり着いた「神」の正体とは!
※本書は二〇〇三年十月、小社より刊行された単行本を分冊し、文庫化したものです。
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Posted by ブクログ
神がいるなら、なぜ人間にもっと直接的な接触してこないのか?についての納得がいくような話。神(高次元の存在)にとって人間はみんなサールの悪魔。心を持っているか判別できない。これは人間がAIに心を持たせることができたことを判別できないのと同様、ってあたりが面白かった。
記号着地問題についても面白い。果たして記号着地問題を解決できる未来は実際に来るのか…。
Posted by ブクログ
神とは何か?というテーマの小説。一神教の信者からしたらこの内容だけで冒涜なんだろうなぁ。
筋書き自体は単純なことで、AI研究してたら、実は神さまってのは人間育成ゲームをしてるんじゃないかって気づく人が出てきて、じゃぁプレイヤーたる神となんとかコミュニケーション取れないか?と考える人が出てきて、その四苦八苦の過程でオカルト現象やら、社会動乱やらが起こって、世界の常識が覆っていく…みたいなデストピア系の近未来SF。
ただこの小説が凄いのは、解説資料の膨大さ。確信犯だと思うのだが、ストーリーほったらかしで、超常現象やら宗教観やらに関するウンチク話が玉石混交で多量に挿入されていく。
作者自体が「と学会」という、その手のウソ臭い本を研究する団体の主催者だったんで、その手の話を入れ出すともう止まらん感が凄く、みっちり上下巻のボリュームのうち半分以上はストーリー本体から離れたウンチクで少々やり過ぎ感もあるようにも思うが、裏返すとそこを楽しめるかどうかで、本作の好悪が決まるんやろうなという感じ。
それにしても山本弘、今年の初めになくなってたんや…。病気で長らく小説創作も出来てなかったらしい。この人が熟してきたら、どんな小説を書くんだろうと期待していたのだが、非常に残念で哀しいなぁ。遅ればせながらご冥福をお祈りいたします。
Posted by ブクログ
ううーん。
上巻と比べると下巻はちょっとがっかりかなー。
ネトウヨ批判はヨソでやってほしかった。
とは言え、オチが気になって一気に読んでしまったことは事実。
超常現象の意味、神の意図。
きれいに説明もついてる。
でもなー・・・