【感想・ネタバレ】ラスト・ワルツのレビュー

あらすじ

華族に生まれ陸軍中将の妻となった顕子は、退屈な生活に惓んでいた。アメリカ大使館主催の舞踏会で、ある人物を捜す顕子の前に現れたのは―(「舞踏会の夜」)。
ドイツの映画撮影所、仮面舞踏会、疾走する特急車内。帝国陸軍内に極秘裏に設立された異能のスパイ組織“D機関”が世界で繰り広げる諜報戦。
ロンドンでの密室殺人を舞台にした特別書き下ろし「パンドラ」収録。
スパイ・ミステリの金字塔「ジョーカー・ゲーム」シリーズ!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

・ワルキューレ
かなり早い段階で疑念を抱いていた。現場を逸見に見られ、屋上から何者かに鉢を落とされる。D機関のスパイにしてはあまりに軽率すぎる。彼は佐久間のように軍人上がりの人間なのか、飛崎のようにD機関の人間でありながらD機関に馴染めない人間(かつ落ちこぼれ)なのかと。その疑念は話が進む程大きくなり、新進気鋭の映画監督であるランゲを個人的な事情で見逃す、逸見との派手な逃走劇でMAXまで膨らんだ。もはや彼はD機関の人間ではない。作中そうであっても私が認めない。そう思った頃、彼は海軍のスパイであるという唐突なネタバラシ。膨らんだ疑念は強烈なカタルシスを生んだ。私は作中の無能な軍人のように鮮やかに騙された訳だ。そんな彼にあてられてか駅にいた本物のD機関の彼も他の話に比べるとやや人間味があったように感じた。登場人物をD機関の人間に見せかけて実はそうでは無かったという展開はこれだけシリーズを重ねれば確かに何処かで入れたくなるネタだろう。予想出来そうなだけに見抜けなかったことが悔しい。

・ワルツ
火遊び好きのお嬢様の話にまたをしてもD機関が裏で糸を引いていた話。面白いがお嬢様のメロドラマが長すぎて退屈

・パンドラ
D機関は各国の戦争に向けた張り詰めた関係の中影で暗躍する組織だ。より深いところで誰にも知られずに活動する。だが、D機関の人間のセリフが登場しない話が出てくるとは思わなかった(回想で1セリフのみ登場)今までで1番ミステリ要素が多く好きな話

・アジアエクスプレス
最後は己のやるべきことを見定め遂行する決意を固め鳩を飛ばす非常に読後感の良い終わり。推理パートもあり、「ラスト・ワルツ」では初めてD機関の人間が活躍する話で嬉しい

・総評
再読のキッカケはアニメを見たことだったのだが、楽しく読むことが出来た。以外だったのは、アニメで「ジョーカー・ゲーム」から「ラスト・ワルツ」まで全体を通してアニメ化されていた事だ。てっきり「ジョーカー・ゲーム」と「ダブル・ジョーカー」だけだと思っていた。続編を読みたいところだが出そうにないのでジョーカー・ゲームのB面的な立ち位置である「アンブレイカブル」「ロマンス」を読んでみようと思う

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2026年04月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

スパイは疑われたら終わり。どこに現れるだろうかと注意深く読んでるつもりなのに気づくと終わってしまっている話ばかりで、これこそD機関が育てたスパイの仕事なんだなぁと思わされる。あっという間な一冊。

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2025年04月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 ワルキューレとアジア・エクスプレスの二つの物語はメディアの本質を語ってくれる。まず前者では、ナチスドイツが実際に用いたプロパガンダを取り上げている。具体的な手法を知りたい人は『わが闘争』(角川文庫)や『ヒトラー演説』(中公新書)などを読むといいが、この話を読むと、人は無意識のうちに報道側の思想に染まること、人が音楽と映像によって理性を失ってしまう恐ろしさがわかる。
 後者の話に関して、本編のp296とp299で情報の扱いに対する苦労が描写されている。この話で鍵となる伝書鳩は、諜報活動が盛んであった当時、欧州において意外な活躍をしたとある。電信通信による傍受を防ぐために、あえて古典的なやり方で情報を伝えるのである。しかし、日本軍はこのような情勢を見ずに伝書鳩を過去の遺物と見なして切り捨てた。このように、たとえスパイたちが命がけで情報を収集したとしても、その情報を利用する者が有効に活用できなければ徒労に帰すのだ。

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2023年04月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読書離れの中、読みきりました。「ワルキューレ」ちまちまと読み進めたせいか、全容はいまいち把握できておらず。スパイが映画に感化されて行動する様に熱くなりました。実在の監督かは分からないけれど、ちょっと興味あります。「舞踏会の夜」全てを諦めた女が過去に愛した男と再会する。女性目線は珍しい。冷めきった雰囲気がおもしろかったです。「パンドラ」警部かっこ良すぎ。「アジア・エクスプレス」アニメで知っていることもあり、アニメと小説の表現の違いを楽しめました。伝書鳩もなめれたものではありませんね。

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2026年03月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ワルキューレ
逸見五郎
映画『二人のスパイ』で日本のスパイ、ゼン・トーゴーを演じる。

クルト・フィッシャー
 
映画『二人のスパイ』でドイツ陸軍から派遣された若きスパイ、シュテファンを演じる。

ミツコ
トーゴーの婚約者。

雪村幸一
新作映画のお披露目会の招待客。逸見にサインをもらう。日本大使館の内装を請け負っている。

キャシィ・サンダース
逸見がハリウッドの撮影所近くにあるバーで知り合った女優志望の若い女。

マルタ・ハウマン
逸見がドイツで親しくなった若い女優。

ヨーゼフ・ゲッベルス
ナチス宣伝大臣。

レニ・リーフェンシュタール
ヨーゼフの愛人とも噂されるナチスお抱えの映画人。

フィリップ・ランゲ
映画監督。


舞踏会の夜
加賀美顕子

戸部山千代子
男爵夫人。旧姓は大崎。顕子とは学習院女子部時代から二十数年来の付き合い。

五條直孝
顕子の実父。旧清華侯爵家当主。


運転手。

マコ
顕子がダンスホールで仲良くなった。

ミスタ・ネモ
顕子が愚連隊に追われているところを助けた。

グルー
駐日アメリカ大使。

アリス
グルーの妻。

エルシー
グルーの娘。

オット
駐日ドイツ大使。

インデルリ
駐日イタリア大使。

アンリ
駐日フランス大使。

加賀美正臣
陸軍大佐。顕子の父親が勝手に決めてきた婚約相手。

桐生友哉
軽井沢の秘密倶楽部で出会った美青年。


パンドラ
ヴィンター
警部。

ホプキンス
巡査部長。

ジョン・ラーキン
外務省勤めの下級官吏。

フレドリクス・オグデン
ロンドン市内で貿易省を営む。

サー・ウィリアムス
専門は英国国内のスパイの摘発。


アジア・エクスプレス
瀬戸礼二
大東亜文化協会満州支部事務員。

アントン・モロゾフ
在満ソ連領事館に勤務する二等書記官。

結城
中佐。かつて日本帝国陸軍の伝説的なスパイだったと噂される。陸軍秘密諜報員養成所、通称“D機関”を設立。




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2025年07月02日

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