あらすじ
「アメリカは、1960年代の終わりまでに人類を月に送り、無事に帰還させるという目標のために全力を尽くす―」ジョン・F・ケネディ大統領の宣言どおりアポロ11号が月に到達し、冷戦時代の宇宙開発競争にアメリカが勝利することができたのは、ソビエト連邦にはなかった「マーケティングの力」を最大限に活用したからである。マーケティング・PRの専門家であり、宇宙ファンの著者が、これまで語られることがなかった「史上最大のマーケティング作戦」としてのアポロ計画の姿を描きだす。
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Posted by ブクログ
アメリカのアポロ計画はソ連との冷戦競争のために計画され実行されたと思われがちだがその裏側にあったNASA広報部を中心としたマーティングが国民の支持を得て実行された。冷戦中とは思えない情報公開が行われ、試行錯誤しながら国民の支持を得て行く様子、また成功後には計画を進めていく度に国民の関心が下がり結局当初20号まで計画されたアポロ計画も17号までしか実施されなかった。日本ではなかなか見れない当時の様子が分かる良い本だと思う。若干ただ訳しただけだなと思う部分もあり読みにくいなと感じることがあったのでその点で評価を下げた
Posted by ブクログ
アポロ計画。マーケティング的に見ることでその理解度が増した気がする。
様々なプロが協働してことをなしていた時代。なんて贅沢なそしてレベルが高かったのかを思い知らされた。
アポロ計画の時代の技術。今あるものはほとんどあった。しかし全てがアナログ。機械式時計。プレスキットは当然紙製。ミッションは経過時間で管理されるが、それと実時間の変換ができる紙製の道具。今ならスマホアプリというところだろう。
テレビの生中継は何とかできていた。問題は録画だろう。生放送にこだわっているのは、録画がままならないから。今残っている映像は、テレビ画面をフイルムで撮影したものだ。電子的当時の記録は失われている。
CGは無いが科学者とイラストレーターがコラボしてシミュレーションの紙芝居を予め準備していたようだ。その画像の緻密さリアルさは驚嘆のレベル。今のCGと見比べたらどうしようも無いが、臨場感もあり理解度は高まっただろう。
とにかく人が多い。ひとつのことをやるにも手間も時間もかかったはず。ある意味驚嘆である。
そこから考えれば今の私たちはとんでもない道具を持っている。スマホ1台あれば当時の100人分のことは出来そうだ。しかし問題はプロではない。稚拙だということ。大衆化は手軽になった反面、質は下げている。
そして私たちはさらに生成AIなる道具を手に入れる。ここで注目すべきは、チューンナップできるものはプロレベルのものが出てくること。いまのところ稚拙なものも、性能・機能・工夫でより良くなる。プロを超えてくる。これが性能AIが人を惹きつけてやまないのだろう。
ひとつひとつのスキルではなく、プロデュース力が問われるのだと思う。