あらすじ
商売より味。頑固な祖父は、新しい料理屋に団体客を取られても黙々とうどんを打ちつづける。そんな折、五十年前の大水害の翌日、路上で素うどんをふるまった若い職人がいたという投書が新聞に載った。淑子はその「希望の味」を知りたいと願う。出会いと別れに寄り添うあたたかい味が沁み込む極上の物語。
...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント /
※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
中学の時に、友達のお母さんが病気で亡くなった。
私は曽祖父〜ひ孫の4世代の家で育ち、遺族側としてのお葬式は中学生になるまでに3回も経験していたので、遺族以外の立場でお葬式に参加したのはそれが人生で初めてだった。
泣いている友達と他の参列者の中で、会ったことのない人の死を悲しめなくて、かといって会ったこともないのに興味本位で「最後のお別れ」列に並ぶクラスメイトにはいい気がしなくて、なんとも言えない気持ち悪さがあったのを思い出した。
ああいうときに峠うどんに行くんだろうな、と読みながら思い出した。