あらすじ
〈サラセン〉の存在とそのテロ計画は、アメリカ政府の知るところとなった。暗号名〈ピルグリム〉を与えられた男は、すぐに追跡を開始する。敵の目標は? その手段は? 手がかりはたった二回の電話傍受記録のみ。トルコへ飛んだ〈ピルグリム〉は、そこで謎めいた殺人事件に遭遇する……一方〈サラセン〉のテロ計画は決行へ向けて着々と進んでいた。はたして〈ピルグリム〉の追跡は実を結ぶのか? シリーズ第二弾登場!
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Posted by ブクログ
天然痘を合成するテロリストを追う特殊チームが編成されて追跡劇が始まった。舞台はトルコ。
といってもドンパチした追跡ではなくて、情報収集で外堀を埋めていくような展開。
ピルグリムというコードネームを与えられた「わたし」のドキュメンタリー映画を見ているような気になってくる。
おもしろいけど全貌はまだ見えてこないなあ。テロリストとスパイの直接対決は3冊目におあずけかな。
Posted by ブクログ
いよいよピルグリムと言う名前を得た「わたし」の、
サラセンを探す旅が始まった。
顔も名前もわからない犯人に対して、わずかなヒントを元にひたひたと近づいていく。途方もないことに感じるのに、確実に距離は縮まっていく。
少ししっくりこないのが、このピルグリムと言う人物、
あまりにもノーマルでごく普通の感情を備えた人のように描かれていること。
凄腕の諜報員にしては非情さに欠けているような。。
わたしのイメージの中の諜報員はもっと冷徹で判断を誤らない。
この先、彼がどんな行動でどんな手際でサラセンを追い詰めていくのか、気になる。
- - - - - ここからネタバレ- - - - -
それにしても船小屋から通じる隠し通路の存在には
かなりわくわく!
Posted by ブクログ
1巻目の最初に書かれていた事件との繋がりがようやく理解できた。
一方でまた違う事件が出てきて、そちらの話の比重が大きくなり、鬱陶しく感じはじめたところ、関係者が本題との関連性を見せてくる。
結構おもしろいかも。
Posted by ブクログ
翻訳小説は、感性と背景知識と想像力を総動員する読書なのだと思う。背景知識に乏しい私は、決して読みやすい読者ではない。
サブタイトルの「ダーク・ウィンター」も、最初は単純に「暗い冬」「寒い冬」ほどの意味で受け取っていた。ところが調べてみると、これは2001年にアメリカで行われた、生物兵器テロを想定した机上演習(シミュレーション)の名称でもあるらしい。天然痘がテロによって米国内に拡散する―その想定を知ったとき、本作はもしかすると、そのシミュレーションを小説として拡張したものなのではないかと思った。
とはいえ、それは「思うのみ」である。
このシュミレーションの数ヶ月後、⒐11の攻撃を受けている。演出の小説化ではなく ⒐11を経験した小説なのですね。
軍事、情報機関、宗教、そして各国が抱える歴史的トラウマ。そうした要素が前提知識として置かれている物語の中で、私は読書は手探り。背景を知らないがゆえに、物語の全貌や、作者が仕掛けたであろう知的な面白さに、十分たどり着けていない感覚も残る。
それでも、理解できないまま置いていかれる不安や、何かが静かに進行しているという寒々しい感触だけは、確かに伝わってくる。その感覚こそが「ダーク・ウィンター」という言葉の示すものなのかもしれない。
本作は、知識を持つ読者だけでなく、わからなさを抱えた読者をも、その不安の中に立たせる物語なのだと感じた。