あらすじ
―――きみたちは分水嶺を越えなきゃいけない!!
2033年3月末のある朝、世界が2つに分かれてしまった。
18歳未満の子供達だけが取り残された世界、“AWAY”と、
大人たちのいる世界、“HOME”。
子供だけが残されたAWAYで、中学生の一紀と高校生の大介達は
生きるために懸命だった。
――――そして現れた「白い少年」。
子供達に伝えられた衝撃の「世界の秘密」とは―――!?
感情タグBEST3
短いけどSFの傑作
大人と子供に別れてしまった謎の世界。それでもひたむきに生きる子供たちのたくましさが圧巻。もちろんそんな綺麗事だけでは済むはずもなく、人間のダークな部分もガッツリ描かれています。この内容の濃さで、最後はいきなりシュルシュルっと核心部分へ。今まさに突きつけられているような重苦しいリアル感が凄い。
Posted by ブクログ
萩尾SFには全て「生殖」がからんでいる、という説を立てている。『11人いる!』しかり『銀の三角』しかり。
『AWAY』も、その傾向が色濃く感じられる。ただ、原案『お召し』は未読につき、軽々に断定できない。
Posted by ブクログ
ついに明かされた世界の秘密。もう少し先まで描いて欲しかったけど、納得はした。亡くなった赤ん坊たちの爪と髪を切った気丈な一樹が、大介を3年待てずに飛比夫と子供を作ったのにビックリ。でもこの話で一番心に残ったのは伝説のマタギ河津克巳。「狩って殺して調理して食って生き残るんだがんばれ!」事態を解明し統率する頭脳派もいいけど、自然の中で生きていけるサバイバル派も大事よね。
大和田イクコは誰の娘だったか1巻を再読せねば。
Posted by ブクログ
7月に電子で読んだ。
原作の児童文学では12歳を、漫画では18歳に変更。
18歳未満の人はAWAY、それ以上はHOMEというパラレルワールドに。
18歳の誕生日でAWAYからHOMEへ。
年齢を変更したことで、AWAY内でも妊娠出産が生じ、親子が離れ離れになるという設定が加わった。
この時期の作品らしくドテドテしているのはタブレット画面で読んだせいかなと考えていたが、ざっと読み返してもやはりそう。
少し時間を置こう。
1巻
4月1日 前編43p
4月1日 後編40p
3月21日 前編35p
3月21日 中編32p
3月21日 後編36p
謝辞「AWAY」と「お召し」(萩尾望都)1p
2巻
4月3日―悪い宇宙人とママ【前編】45p
4月3日―悪い宇宙人とママ【後編】45p
4月5日―仏子沼えりか30p
2034年11月11日―河津克美30p
2051年―世界の秘密―30p
Posted by ブクログ
…んっ?えっ…あ、これで終わりか!帯にも背表紙にも完結巻って書いてあるのに、読み終えて表紙見直してやっと気付きました。そうかー、これは考えなきゃいかんやつだな。
17歳までの子どもたちと大人たちの世界に分かれちゃったというこの世界。この時まで、と期間が定まっているならともかく、ずっとだと大変だよな…準備無しにいきなり子どもだけの世界(AWAY)になってインフラを整備するなんてまあ不可能だし、しかも子どもはみんな大人になっていなくなるだけじゃなく、どんどんあちら(HOME)から生まれ落ちてくるわけでしょ…。時が経てばHOMEのことを一切知らない世代だけになって、いずれAWAYはAWAYという独自の世界のようになり、HOMEとの断絶はどうしようもなくなっていくのでは…とか思っていたけど、もっとわかりやすい警告が残されて終わった。
うーん、先延ばしにしてきたあれやこれやを、いずれ子どもたちがなんとかしなくちゃいかん、がんばれ、って放り出されてる現実への揶揄だったりするのだろうか。