【感想・ネタバレ】折れた竜骨 下のレビュー

あらすじ

自然の要塞であったはずの島で、冒険者にして偉大なるソロンの領主は暗殺騎士の魔術に斃れた。卑劣な魔術に蝕まれ操り人形と化した〈走狗(ミニオン)〉の正体を突き止めるべく、領主の娘アミーナは騎士ファルク・フィッツジョンらとともに行動を開始する。〈走狗〉候補の八人の容疑者、謀略により沈められた封印の鐘、鍵のかかった塔上の牢から忽然と消えた不死の青年──そして、甦った「呪われたデーン人」の襲来はいつ? 魔術や呪いが跋扈する世界の中で、推理の力は果たして真相に辿り着くことができるのか? 第64回日本推理作家協会賞受賞ほか、各種年末ミステリ・ランキングで上位を総なめにした、俊英渾身の本格推理巨編。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

おもしろかった!!!!
ファルクが顎を怪我したの覚えてないって言ってたので、忘れ川の雫で忘れててファルクが走狗なのでは?ってずっと疑ってたけどやっぱりそうだった!ただ、ファルクの決定打をずっと探しちゃって、他の人を消していくっていう消去法まで思い至ってなくて悔しい。イテルの指のこと、エンマが呪われたデーン人だということ、スワイドが豚を嫌うっていうのは分からなかったかもだけど、コンラートが違うっていうのくらいは分かったはず。残念。
読み応えあった〜!!

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2025年12月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一気読みでした。駆け足で読みすぎてトリックの辻褄がよく分からず上下巻あわせて再読してしまいましたが。。

結果はハッピーエンドという訳にはいかなかったですが、致し方ないのか。。アミーナはこの先もソロン島できっと強く生き抜いていくのでしょう。ニコラともまたいつか再会する日もあるのかもしれません。

ァルクの最期は本当に残念でした。よいキャラだったのに。でも彼の名誉のためにも、騎士団の面目のためにもこうなるしかなかったのか。。いつの日か彼の亡骸をきっとニコラがトリポリに戻してくれるかもしれません。でも、もしかしたらトリポリ伯国が滅びる方が先か。。

今ひとつ分かりきれてないことがあるのですが、そもそもの馴れ初めであるエドウィーを殺したのは誰なのか。別の暗殺騎士なのか。その頃はまだソロンにいないはずなので。

他の方も書かれてますが、ニコラもアミーナもとてもよいキャラだったので、続編?また別の話も読んでみたいです。

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2024年12月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

長編ファンタジーミステリー小説の後編。
とても面白かったです!魔法と魔術の世界できちんと伏線回収しミステリーとして成立していたのがとても良かったです。現当主殺害の犯人はだれなのか、トーステンはどう塔から消えたのか、傭兵達が隠す秘密などの要素もキチンと解決していて面白かったです。
そして、ミステリーとしても面白いですが、陰の主人公とも言えるニコラの物語でもあるなと思いました。本当の真実にたどり着き、犯人であるファルクを斬るという最後はニコラがある意味師匠を超え成長していくための通過点なのでは無いかと思いました。タイトルの『折れた竜骨』の意味がアミーナとニコラの深い友情が垣間見える形になっていたのがとても良かったです。終わり方は爽やかで彼らの物語の続きを読みたいと思いました。

この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
アミーナ・エイルウィン:東山奈央
ファルク・フィッツジョン:諏訪部順一
ニコラ・バゴ:悠木碧
アダム・エイルウィン:阪口大助
エイブ・ハーバード:石川界人
コンラート・ノイドルファー:安元洋貴
イテル・アプ・トマス:岩田光央
ヒプ・アプ・トマス:吉野裕行
ハール・エンマ:茅野愛衣
スワイド・ナズィール:杉田智和
イーヴォルト・サムス:中村悠一
マーティン・ボネス:飛田展男
マードック:間宮康弘
トーステン・ターカイルソン:浪川大輔

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2024年06月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

下巻は序盤から刺客が訪れたり呪われたデーン人が襲いかかって来たりと話が展開し始めたのでおもしろかった。ここまでの紹介や調査でどんな傭兵がいるのか頭に入って来ていたので、彼らが戦っているシーンも楽しく読めた。
一方で推理パートはあんまりスッキリしない終わり方だったなーと思った。
ファルクが走狗というのはびっくりしたし、政治的な判断であえて弟子に殺させるというのも想定外の展開だった。けど本命だった弟のエドリックが別で死んでいると言われて、なんだかあっけないなと感じてしまった。

(他の方の感想を読んで)
剣と魔法の世界観とミステリ調和しているのが異質な点で、それでもちゃんと論理の通った推理になっているのがポイントらしい。確かにそういう物語って珍しいしあっても何でもありみたいになっちゃうかもだからなるほどなって思った。

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2025年08月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ハイファンタジーという推論に説得力を持たせるのが難しい舞台設定で、ここまで説得力があるミステリーを、最低限の世界観の説明で、書き切った作品は見たことがなかったので驚いた。
結論に関しては全く予想外というわけではなかったけど、この短さで中世ヨーロッパのハイファンタジーと本格ミステリー、ボーイミーツガールのときめき、いろんな要素もりもりで楽しめて満足感はすごい。

アミーナと兄の関係については読んでいて胸がキュッとなって少しつらかった。でも、国のためでもなく、お金や名誉のためでもなく、兄のためでもなく、彼女のために戦ってくれるニコラがいるから大丈夫かなって思えるラストで、手放しのハッピーエンドじゃないけど、少し明るい終わり方でそれもぴったりだった。

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2025年07月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 12世紀末の欧州風で,魔術や呪われたデーン人等が存在する異世界を舞台とした特殊設定ミステリである。特殊設定ミステリであり、かつ、犯人当てミステリとなっている。
 エドリックという暗殺者が呪いをかけた”走狗(ミニオン)”が,ソロン領主のローレント・エイルウィンを殺害する。容疑者は,遍歴騎士や傭兵,魔術師などの人物。容疑者の中にも魔術を使う者がいるかもしれない。しかし,「たとえ誰かが魔術師であったとしても,また誰がどのような魔術を用いたとしても,それでも〈走狗〉は彼である,または彼でない,という理由を見つけ出すのだ。」という作中のセリフのとおり,論理的に犯人を当てることができるように作られている。
 下巻の途中で、実際に呪われたデーン人の襲撃を受けることになり,この部分では容疑者でもある傭兵達の活躍が書かれている。しかし,この戦いにも最後の犯人当ての手がかりとなる伏線が多数用意されている。
 最後に事件の関係者を集め,走狗が誰なのかを指摘する儀式を執り行われる。容疑者全員がいる前で,論理的に,消去法により探偵役であるファルクが指摘する犯人は,謎のマジャル人ハール・エンマであった。
 しかし,物語はここで終わらない。ファルクの従士であるバゴが,「ハール・エンマは走狗では有り得ない。」と指摘する。「ハール・エンマは呪われたデーン人の王の子であり,走狗とするために必要な血が存在しない。」と言う。
 容疑者の全員が犯人足りえなかったように見えたが,実際は,そうではなかった。あと二人、犯人になり得る人物が残っていた。それは,探偵役のファルクとバゴ。そして,真犯人はファルクだった。
 特殊設定ミステリであり,叙述トリックなどはなく,純粋な論理による犯人当てミステリ。そして,そのオチは探偵が犯人であるというもの。米澤穂信らしく,読み出したら止まらない話運びの上手さがあり,結末も見事。探偵役のファルクが犯人であるという後味の悪さの米澤穂信らしい。ただ,秋期限定栗きんとん事件やボトルネックほどの衝撃がなかったので,少しだけ割引して★4。
 米澤穂信が好きな方,後味が悪いミステリでも大丈夫という方になら文句なくオススメ

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2025年02月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

真相はドラマチックで、これまでのファルクがなぜそこを確認したがるのか?というような質問や意味ありげな伏線が次々と回収されていき、面白かった。

ただ、真相に辿り着くまでが少し退屈だったのと、ファルクがいつついたか分からない傷がある、という場面でおや…?と引っかかっていたので、そこまで驚きの結末!とはならなかった。

ファルクの兄弟決戦はどうなったのか、という点は後日談としてアミーナとニコラが憶測で語っているが、実際どうなったか分からないので少しモヤッとする。

アミーナというキャラクターについて、戦いの時は守られることに徹しながらも自分の意志がきちんとあり、飾りとしての姫・女性ではなく、1人の人間として活動していたので著者らしくとても良かった。

真相の展開、操られて殺人を犯しているため本人にその自覚はないという魔術や血を流さないデーン人などの特殊設定、など面白かった。

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2024年10月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ファンタジー世界での特殊設定ミステリ
戦いなどもあるがあくまでミステリがメイン
犯人も記憶がない中であくまで論理的に消去法的に犯人を絞っていく部分は良かった

ただどうしても犯行の記憶がない、犯人自体に動機がないということもあって、犯人がわかったあとのあっけなさが少し物足りなかった

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2023年04月12日

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