あらすじ
古田のリードと谷繁・城島との違いは? 「江夏の21球」をキャッチャーの視点で語ると? 捕手・投手・打者・審判……多面的証言で探る配球とプレーの秘密。
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Posted by ブクログ
山際淳司が書いた『江夏の21球』は有名だ。同じ場面を別な角度から書いた『〇〇の21捄』が、少なくとも2編ある。松井浩の『西本幸雄と江夏の21球』と織田淳太郎の『水沼四郎の21球』だ。前者は、雑誌Numberに以前掲載された記事で、同誌のホームページにアップロードされた。後者は、いまレビューを書いている『捕手論』の中に載っている。
合計3編の『〇〇の21球』を読むと、この21球の時間の各タイミングで投手・捕手・打者・広島ベンチ・近鉄ベンチの間での誤解が生じていることがわかる。『水沼四郎の21球を読むと、各者の中で最も水沼四郎捕手が冷静であったように感じる。
本書『捕手論』には、『水沼四郎の21捄』以外にも味わいのある話がたくさん出てくる。著者は、多数の捕手にインタビューをしている。新人捕手を根気と苦労と指導力で育てていくコーチの話にも感銘を受けるし、昭和50年代ごろに活躍した名捕手がインタビューで発した、その人の生き方を感じさせる言葉もジワーっと胸に来る。
久しぶりに読んで、やはりいい本だと思いました。