【感想・ネタバレ】エンバーミング―THE ANOTHER TALE OF FRANKENSTEIN― 9のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

今巻は女性キャラが大活躍。エルムもリリィも、そしてエルムママも。
そして、皆悲しい。

とにかく面白かった!
これまで味方サイドが強過ぎて盛り上がらない…とか思ってましたが、ある意味それは間違ってたと反省。敵キャラの存在感は強さや恐ろしさだけで語れるものではなかったなと改めて思った次第です。

つまり、Dr.リヒターのイカレっぷりが突き抜けてて凄まじい。
世にマッドサイエンティストは数あれど、これほど利己的で良心の欠落した男はなかなかいません。そして愉快なやつもw
息子であるアシュヒトとの会話だからなのか、笑顔(というか顔芸)を見せながら和やかに振舞いつつ…語る事は常軌を逸している。その落差が同時に描かれていて面白くも寒気がするという絶妙なバランスで描かれていて、ついつい引き込まれます。
しかもこの外道、メフィストフェレスもかくやと言わんばかりの甘言っぷり。善悪の外側で自分の価値観だけを基準にしてしゃべっているのに、的確にアシュヒトの弱い所というか求めているものを突いてきます。
アシュヒトがどう選択するのか、二人がどうなるのか…これはホントに緊張しましたね。

で。
Dr.リヒターのゲスっぷりがタイガーリリィにまで影響を及ぼし…結論から言えば面白い。リリィは本当に可哀想だけど…巻末で作者が言うように、いじめてこそ輝くというかね?<ゲス
だからこそ、ジョンとパン…もといアバーラインのコンビの対応が熱く、そしてカッコイイわけですし。ほんとにいい凸凹コンビだわぁ>ジョン&アバー

ともあれ。
父親の狂いっぷりもあり、アシュヒトが本当にいい動きをしてくれました。
回想も交え、彼の慟哭や絶望、そして成長がマジマジと分かり、謝るシーンはつい目が潤みました。

なんというか…最後の最後で幸せになれるのはこの二人のような気がするなー。


…ボッコボコに言ってますが、割と好きです、Dr.リヒター。
もうねぇ、「ハーイ!」が悲しくってねぇ…。
適わない夢を求めて足掻く姿って、何だかんだで惹かれるものはあるのです。迷惑だけど(苦笑

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2014年12月06日

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